やっと朱蒙(チュモン)を最終巻まで見終わった。70巻までの感想は昨年9月に書いているから、大分間が空いてしまったのだが、理由はテレビにつけているDVDプレーヤーが壊れてしまい、パソコンでDVDを見ると非常に疲れるため、根負けしてしばらくあきらめていたからだった。
全部見るのに一年近くかかってしまったが、ようやく全部見終わって、よい作品を見たという満足な気持ちでいっぱいだ。
71話~81話では、チュモンはタムル郡を率いて漢の出先である玄菟郡を打ち破り、高句麗を建国・・・その際、地元である卒本勢力の代表であるソソノと結婚し、誰が王になるべきかで内紛が起こるのを阻止、ソソノの連れ子であるピリュとオンジョを王子として育てた。しかし15年後に、死んだと思われていたチュモンの妻子イエソヤとユリが発見される。チュモンが扶余城から逃亡する際、自分の息子であることの証として、剣を折ってイエソヤに渡していたのだが、ユリが折れた剣を持ってチュモンに面会を求めたことで親子が対面できたのである。チュモンの育ての親である扶余の前王クムワが暗殺されたことをきっかけに、扶余のテソ王は高句麗と連合することを決意、高句麗・扶余連合軍は漢を破り、遼東半島から漢を撃退した。一方、ユリ王子が高句麗王室に引き取られ、頭角を現して行くのにつれて、卒本勢力に危機感がつのり、内紛も発生。ソソノはピリュとオンジョに新しい国を建国させるため、卒本の民を率いて南方に下るのだった。
ユリ王子の姿はガイドブックや写真などで見ると、目がキツすぎる感じがしてあまり魅力を感じていなかったのだが、実際の演技が入るとその目のキツさがかえって奏功しただ者ではない威圧感を感じさせる。朱蒙とソソノの結婚式やテソの即位を祝った武術大会、最後の決戦など見所いっぱいだ。
建国15年ですっかり強国になった高句麗は扶余との立場がすっかり逆転してしまっている。だがタムル郡に本拠地と財力を提供し、高句麗の建国に力を貸した卒本勢力は、ユリ王子とイエソヤの出現に動揺する。悩めるソソノの姿をハン・ヘジンが見事に演じている。ドラマだから脚色されているにしろ、こんなに賢く強い女性っているのかなあと思うくらい。歴史の表舞台からかき消された女傑をよく表現している。彼女はピリュやオンジョがユリと王位継承争いをするのを避けるために南方へ下ったことになっているが、その後ピリュとオンジョの間でも争いがあり、結局百済の祖となったのはオンジョの方である。ソソノはその争いの中で命を落としたとも伝えられるが、それはもうこのドラマが採り上げていない時代の話である。百済の建国伝説はどこまでが史実なのかはっきりしていないようである。馬韓の一小国であった伯済が、周囲の小国を統合して支配下に置いて大きくなった国とも伝えられる。百済の国名が正式文書に出てくるのは13代の近肖古王(346年即位)からだという。
韓国の古代史は、韓国の歴史教科書を見る限り、神話と伝説が入り乱れており、どこまでが考古学上の発見に裏付けられているのかはっきりしないが、韓国の人達にとっては心のふるさとであり、脚色・創作部分が多いとはいえこのドラマを通じて隣国の建国神話について考える機会を与えられたのは大きな収穫だったと思う。
全部見るのに一年近くかかってしまったが、ようやく全部見終わって、よい作品を見たという満足な気持ちでいっぱいだ。
71話~81話では、チュモンはタムル郡を率いて漢の出先である玄菟郡を打ち破り、高句麗を建国・・・その際、地元である卒本勢力の代表であるソソノと結婚し、誰が王になるべきかで内紛が起こるのを阻止、ソソノの連れ子であるピリュとオンジョを王子として育てた。しかし15年後に、死んだと思われていたチュモンの妻子イエソヤとユリが発見される。チュモンが扶余城から逃亡する際、自分の息子であることの証として、剣を折ってイエソヤに渡していたのだが、ユリが折れた剣を持ってチュモンに面会を求めたことで親子が対面できたのである。チュモンの育ての親である扶余の前王クムワが暗殺されたことをきっかけに、扶余のテソ王は高句麗と連合することを決意、高句麗・扶余連合軍は漢を破り、遼東半島から漢を撃退した。一方、ユリ王子が高句麗王室に引き取られ、頭角を現して行くのにつれて、卒本勢力に危機感がつのり、内紛も発生。ソソノはピリュとオンジョに新しい国を建国させるため、卒本の民を率いて南方に下るのだった。
ユリ王子の姿はガイドブックや写真などで見ると、目がキツすぎる感じがしてあまり魅力を感じていなかったのだが、実際の演技が入るとその目のキツさがかえって奏功しただ者ではない威圧感を感じさせる。朱蒙とソソノの結婚式やテソの即位を祝った武術大会、最後の決戦など見所いっぱいだ。
建国15年ですっかり強国になった高句麗は扶余との立場がすっかり逆転してしまっている。だがタムル郡に本拠地と財力を提供し、高句麗の建国に力を貸した卒本勢力は、ユリ王子とイエソヤの出現に動揺する。悩めるソソノの姿をハン・ヘジンが見事に演じている。ドラマだから脚色されているにしろ、こんなに賢く強い女性っているのかなあと思うくらい。歴史の表舞台からかき消された女傑をよく表現している。彼女はピリュやオンジョがユリと王位継承争いをするのを避けるために南方へ下ったことになっているが、その後ピリュとオンジョの間でも争いがあり、結局百済の祖となったのはオンジョの方である。ソソノはその争いの中で命を落としたとも伝えられるが、それはもうこのドラマが採り上げていない時代の話である。百済の建国伝説はどこまでが史実なのかはっきりしていないようである。馬韓の一小国であった伯済が、周囲の小国を統合して支配下に置いて大きくなった国とも伝えられる。百済の国名が正式文書に出てくるのは13代の近肖古王(346年即位)からだという。
韓国の古代史は、韓国の歴史教科書を見る限り、神話と伝説が入り乱れており、どこまでが考古学上の発見に裏付けられているのかはっきりしないが、韓国の人達にとっては心のふるさとであり、脚色・創作部分が多いとはいえこのドラマを通じて隣国の建国神話について考える機会を与えられたのは大きな収穫だったと思う。