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最近上映されて良かった映画、以前見て心に残った映画、感銘をうけた本の自分流感想を。たまには旅行・山行記や愚痴も。

「アイガー北壁」-圧倒的な迫力と壮絶な内容の映画

2010-04-07 22:30:00 | 最近見た映画
     【2010年4月7日】 京都シネマ

 平日の昼にもかかわらず満席である。入場者の大半は、登山に心得のあると思われる年配の人が占めている感じがする。

「運命をわけたザイル」もすごかったが、こちらはなお迫力があった。どちらも実話を元に映像化したものだが、実際に自分が体験しているような現実感は「アイガー北壁」の方が圧倒的だった。

 最近(といってももう1年近くになるか?)観た日本映画の「点の記 劔岳」も、そのときは山の迫力に感動したが、今となっては遠くにかすんでしまうほどだ。

 
 以前、なくなった義理の父親が口癖のように「(自動車の)運転免許をとっていなかったのが、一生の悔やみだ。車に乗って、自由に走り回ったら、どんなに気持ちいいことだったか。」と。アルコールが入るたびに、言っていたのを思い起こす。
 その父親は80歳後半まで、往きはトラックの荷台に乗せてもらい、山で野良仕事をした後、毎日のように標高差800m以上の山道を自転車でスピードにのって下ってきたという。

 私の場合は「ロック・クライミングをどうして本格的にやらなかったのか」、こうした映画を見るたびに悔やまれる。
 
 別に、長谷川恒夫や小西政継、山野井泰史のような登山家になりたかったわけでもない。氷点下の山でビバークするなんて耐えられないし、凍傷になって体の一部を失うなんてことも想像するだけで恐ろしい。
 そうではなく、単にハーケンやらカラビナを使い、ザイルを自由に操って足元のはるか下に地上の風景を見ながら快適な登攀をしたいだけだ。それができたらどんなに爽快かと思う。

 それと、いつも不思議に思うのはハーケンやカナビラを幾つくらい持っていって、カナビラは直ぐ外せるにしても、使い捨てするのかそれとも回収するのか、そうするのだとしたらどうやってザイルを含め回収するのか、よくわからない。その辺の事情がわかったら、もう少し面白い観方ができるのではと、いつも思う。

 

 


 それにしても、現代から考えるときわめてお粗末な装備で、よくもあんな冒険ができるものだと驚いてしまう。ダウン・ジャケットもゴアテックス製の雨具も、軽量のナイロン製のザイルも軽金属の金具もない中で、悪天候に見舞われたら、ひとたまりもないと思われるのだが。壮絶としか言いようがない。


 


 現代と比べ、装備の貧弱さとは反対に、スイスという国はすごい所だと思う。
 今でこそ青函トンネルを掘って本州と北海道を繋いだり、ドーバー海峡をトンネルでつないだりできるが、1900年代の初頭に、山をぶち抜いて4000m近くの頂まで鉄道を引いて、誰でもそこまで行ける様にしてしまうなんて、これも驚きだ。



            


 「アイガー北壁」-オフィシャル・サイト

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