http://www.cnn.co.jp/fringe/35079799.html?tag=top;topStories より転載
紫色のパンが出来た
シンガポール(CNN) シンガポール国立大学のチョウ・ウェイビャオ教授が開発したこの紫色のパン、通常の白いパンと色が違うだけではない。天然の素材だけで作れて、抗がん作用のある抗酸化物質を豊富に含み、消化が20%も遅いとおいしいことずくめのパンなのだ。
白いパンの欠点は、消化が早すぎて血糖値が急激に上がり、肥満の原因になることだ。この紫色のパンはそうした白パンの欠点を解消すべく開発された。
「みんなが愛する白いパンのなめらかな口当たりを変えることなく、パンの製法を変えることができるかどうかが課題だった」とチョウ教授は言う。
教授は黒米からアントシアニンを抽出し、パンに混ぜ込むことにした。「抗酸化力とその健康効果にもかかわらず、食品の材料としてのアントシアニンの活用法はほとんど知られていなかった」と教授は言う。
アントシアニンを入れることでパンは紫色になっただけではない。デンプンを分解する酵素と化学変化を起こすことで、消化を20%遅らせるのだ。また、200度で焼いても抗酸化力は80%も保たれていたという。
「白いパンの口当たりを楽しみつつ消化を遅らせたいなら、これはたぶん最高の製法だ」とチョウ教授は言う。「それに色も悪くない」
カロリーに変化はあるのだろうか。
「食べるデンプン質の量も小麦粉の量も変わらないから、栄養価は同じだ。エネルギーの放出を遅らせるというのが(新製法の)基本的な考え方なので、得られたカロリーは長い時間をかけて利用することになる」とチョウ教授は言う。
紫色のパンはまだ市販されてはいないが、すでに複数の大手商品メーカーから打診を受けているという。