その昔、スーパーマンが悪と戦うために、新聞記者の格好からスーパーマンの衣装に着替えるために使ったというニューヨークの電話ボックスが無くなった。23日、マンハッタン中心部に残っていた電話ボックスが撤去され、ニューヨーク市から電話ボックスがすべてなくなったそうだ。よくスパイ映画で、仲間同士が隣接する電話ボックスで、互いに背を向けながら、電話を通して連絡を取り合うシーンがあったが、今から思えば、会話を傍受されるという意味では最も危険なことをしていたのである。スーパーマンにしたって、小型防犯カメラがしつらえてある現在では超恥ずかしい姿を世間にさらしてしまったということだろう。だから、スパイもスーパーマンも使わなくなって久しい電話ボックスなのである。撤去される運命にあったのである。さて、東京でも電話ボックスの姿は見かけない。公衆電話はときどき見るが、NTTも内心は撤去したいのだろう。だが、これも昔、NTTがテレフオンカードなるものを大量に発行し、大儲けをした名残で、なくせないようだ。自業自得なのだが、このテレフオンカードを使って、公衆電話から故郷の両親に電話をかけていた外国からの出稼ぎ労働者の姿を思い出す。それは公園の片隅にあった公衆電話だった。ボックス型ではないので、その若い女性が話しながら泣いているのが見えた。(くちなし亭、2022.05.27)
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