中国の不動産大手、世茂集団（シーマオ・グループ）が何度目かは知らないが、債務不履行（デフォルト）に陥った。3日に満期が到来した米ドル債10億ドル（約1350億円）の元利金を支払えなかったという。問題はこの世茂集団が中国国内で、アメリカのサブプライムローンで起きたことと同じことをしていたことだ。自らの不動産債権を細分化して、金融商品として売り出していたのだ。もちろん、中国の不動産業は不況の真っ只中にある。在庫を抱え売れないから、世茂集団の不動産債権も不良債権化しているのである。本来なら、この状況を敏感に感じる人々は手を出さないはずだが、そこは独裁国家中国である。儲かっている民間企業は助けろとでも命令が出たのだろう。あるいはこの人がいなければ経営が成り立たないような共産党幹部、地方政府の役人から「助けてくださいよ。」とでも持ち込まれたのだろう。ゲームソフトの大手企業などがこの金融商品を買っていたのだ。彼らにすれば、新規開発に回せた金である。これがすっ飛んだのだ。こうして、中国の企業は好調なところも、不調なところも、一緒になって、共倒れになっていくのである。（くちなし亭へようこそ、2022.07.18）
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