英国コーンウオールで開催されたＧ７首脳会議の大きな目的の一つは対中対応である。バイデン大統領が副大統領時代に味わった屈辱への巻き返しをはかるということだ。その象徴的なものはＡＩＩＢ（アジアインフラ投資銀行）による中国主導の金融システムとそれに連動する形で進められた一帯一路政策であった。今になってみれば、多くのいインフラ未整備国が中国の言葉に踊らされて、未来を夢見て、それらの国に合わないインフラ投資を進めた結果、残ったのは莫大な負債だけになったという事例は多い。ＡＩＩＢは明らかにその一翼をになったのだ。しかし、発足当初、ＡＩＩＢにはアメリカの反対がありながら、イギリス、ドイツ、イタリア、フランス、韓国など雪崩を打ったように、参加を表明したのである。その結果、日米が主導するアジア開発銀行は参加国の数などの面で、影が薄れ始めたのである。そのような状況を踏まえ、今回、バイデン大統領はＧ７で世界のためのより良い再建（Ｂｕｉｌｄ Ｂａｃｋ Ｂｅｔｔｅｒ Ｗｏｒｌｄ＝Ｂ３Ｗ）計画を提唱し、Ｇ７国家が協力してアフリカの鉄道事業からアジアの風力発電にいたるまで開発途上国の必須インフラ建設のために良質の金融支援を提供できると表明したのである。（くちなし亭、2021.06.14）
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