交番に、強盗。

平成最後の日のコラムとしては、何とも情けない話だが、浅草雷門前の交番に強盗が入った。この交番に配置されているおまわりさんの仕事の多くは外国人観光客などへの道案内などに割かれている。つまり、屈強なお巡りさんというよりも、人当たりの良い人が多い。そんな交番に、昨日の午後5時ころ、強盗がナイフを突き付けて、「金を出せ」と脅したそうだ。私はこのニュースを聞いて、４月１日にできなかったエイリルフールが時間を間違えて、やって来たのかと思った。お巡りさんのところに強盗、信じられないことで、しかも、その場所が私の生活エリアだったから、笑ったり、驚いたりと忙しかったのである。もちろん、その強盗はへっぴり腰とはいえ、市民を守る警官の前に逮捕されたのであるが、その時刻に、浅草に居た人に聞いても、「ああ、そんな事件があったらしいね。」程度の受け止め方で、時間も数分の出来事だったので、逃げまどう市民という大キャッチコピー打ち出したかったテレビ局の意に反して、実際は浴衣姿の女の子など数名だったらしい。多くは強盗と警官のどなりあう声に興味しんしんで、遠回りに出来事を見守っていたらしい。最後に強盗はビニールシートの様なもので包まれて、パトカーに乗せられて、どこかに持ち去られたという。まるで江戸時代のやくざの簀巻きのようだったので、そのまま、隅田川に流されなければよいなと私は思ったものだった。（４月３０日）

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