日立製作所は１５日、国内で初めてレンズを使わずに撮影ができる「レンズレスカメラ」の技術を開発したと発表した。カメラにはこれまで、必ず、レンズという特殊技術の壁があった。ある意味、それが日本の特技であったのだが、その枠が取り払われる時代に入ったのかもしれない。カメラ業界はこれまで、幾つかの変遷を繰り返してきた。キャノンをはじめとする重厚なカメラメーカーは、むしろ、その重さを大切にしてきたのだ。しかし、「写ルンです」という画期的なフイルム主導のメーカーが世界を席巻し、さらに、フイルムがデジタル化されると、その他のメーカーの参入が激しくなった。今回の日立の開発した製品は、カメラをさらに薄く、軽く、小さくするものと思われる。エレベーター内のカメラがさらに、その存在が分からないものとなる。便利とプライバシーの保護とのはざまで、人間は生活をすることになる。(2016.11.16)
