ECが分裂へと向かおうとしている

今、ECが分裂へと向かおうとしている。主要国ドイツにどうしても、共同通貨ユーロを守ろうという気概が感じられなくなっている。ギリシャはECから脱退したほうが良いという考えが次第に多数派として広まっていき、そのほうがギリシャ自体の苦しみも少ないはずだとまで言い始めている。これは自分達に利益がある間は、強引に、共同体を広げてきたドイツの言い分とも思われない。共同体はその名が示すとおり、ギリシャの苦しみを域内各国で、分かち合おうというものだ。ギリシャの苦しみは、ギリシャで引き受けろというのでは、もはや共同体ではない。もともと、生産能力も、財政状態も、ばらばらであった国々が、単に、ヨーロッパという地域にいるというだけで、集まり、あたかも、アメリカ合衆国に対抗できるパワーができるのだというドイツとフランスの思惑に多くの国が乗っかたのだ。今、世界各国は世界標準というものに収斂していく過程で、多くの国の人たちが苦しんでいる。ギリシャのように公務員改革ぬきに、荒波に放り出された国は、とても太刀打ちできるものではない。それを守るのが共同体であったはずである。

Y-FP Office Japan