備忘録

学習備忘録

賃貸人たる地位の移転

2010-04-28 19:33:15 | 民法
○賃貸人たる地位の移転の流れ

原則は、「売買は賃貸借を破る」

∵所有権は物権、賃借権は債権(=特定人に対する給付請求権)

↓しかし

例外を認めるべき場面がある。では、何を根拠に例外を認めるべきか

(1)対抗要件を備えている場合



一定の要件を備えた賃借権は、物権取得者に対し

「効力を有する」(605条、SS法31条)

「対抗することができる」(SS法10条1項)

↓そして

これらの条文の効力として、目的物が賃借権の負担付きとなり、所有権の移転によって法律上当然に賃貸人たる地位が移転する。

以上の通り、法律上の効果が発生することからすれば、賃借人の同意が不要であるのは当然である。

このことは、賃借債務が無個性であることから、実質的な不合理性はない

(2)対抗要件を備えていない場合



この場合は、所有権移転の際の個別の合意が必要となる

↓なお

所有権移転合意の存在から、契約上の地位の移転の合意は推定される

↓そして

賃借人の合意は不要である∵かえって賃借人に有利