東南アジア・ヴァーチャル・トラヴェル

空想旅行、つまり、旅行記や探検記、フィールド・ワーカーの本、歴史本、その他いろいろの感想・紹介・書評です。

『時間の束をひもといて 追悼土屋健治』,1996

2007-09-07 18:43:58 | フィールド・ワーカーたちの物語
編集・発行:『土屋健治追悼集』刊行会。
非売品。
おおきめの公共図書館や大学図書館で閲覧可能であろう。(図書館員のみなさま、利用がないからって廃棄しないでね。)
高い値段をつけて売っている古本屋から買うことはないぞ。

編集の中心は押川典昭(『ガラスの家』翻訳完成!アマゾンでもみあたらないが……)など生前の交際をえた方々、京都大学東南アジア研究センターや東南アジア史学会。

全875ページの前半は土屋健治の小学校時代の作文から私信、短いエッセイで生涯をたどる。
後半は弔辞と追悼の辞。
さいごに極詳細な年譜。

追悼の辞では、やはり高谷好一と前川健一がいちばんおもしろいな。
坪内良博や白石隆は、いまさら書くこともないほど話をした仲間というかんじか。
早瀬晋三と古川久雄が真剣な問いかけをしている。
あとは、土屋健治という男が、そびえたつ壁のようにみえた後輩・同僚がおおかったんですね。(深見純生、倉沢愛子など、そうそうたる方々がおそれている。)

意外なのはユディスティラ・ANM・マサルディで、土屋健治といっしょに冗談をいいあい、笑いころげていた、という話。写真でみる、苦虫をかみつぶしたような顔の土屋健治からは想像もできない。


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