Takepuのブログ

中国旅行記とか、日ごろ思ったことなどを書きたいと思います

習近平が雲隠れ?

2012-09-11 02:30:52 | 時事
9月5日に予定されていた米国のクリントン国務長官と習近平国家副主席の会見が、中国側の申し出により4日、ドタキャンとなった。習副主席はこれ以外にシンガポール首相やその他の外交行事も顔を出すことをせず、9月1日の中央党校の始業式での演説が10日に配信になるなどしているが、9月1日以降の動静が明らかになっていない。

最初は、日本の尖閣諸島領有について米国が理解を示していたことから、これを牽制するために、わざとヒラリー国務長官との会見をドタキャンしたとの説も流れた。2005年、来日中の呉儀・副首相が小泉首相との会談をドタキャンしたことがあった。小泉首相が靖国神社を参拝したことへの面当てだ、との見方もあったが、靖国参拝した小泉と会談することで中国国内の反日派による自らへの攻撃を心配した、との考え方もあった。いずれにしても中国は政治的な思惑で決まっていた外交事案をドタキャンする〝前例〟があることから、尖閣諸島問題が原因との考え方が当初広まった。

記者の質問に楊潔チ外相は、「いろいろ取りざたされる問題ではない。深読みするな」と答えたという。ただ、具体的な動静が明らかにならないと、いろいろな憶測を呼ぶ。

その後、日本メディアが、習副主席は水泳中に背中を痛めて療養中、との情報を流した。賀国強・政治局常務委員の動静も聞かれないため、二人が自動車事故に遭った、とか、習副主席は水泳で背中を痛めたのではなく、刺された、暗殺の標的になった、とのネタも流れ、どうなっているんだという状況になってきた。

胡錦濤国家主席(党総書記)がウラジオストックのAPECに出席したり、温家宝首相が大地震があった雲南省に慰問に行くなど北京を離れていることから、「政変」の可能性はあり得ないと思える。
かつて、1971年に林彪事件が起きたときは周恩来首相らの動静が一時、不明になり、直後の国慶節パレードが中止になる、などの事態が起きた。今回はそこまで深刻ではないようだ。

米国に本拠を置く反体制サイト「博訊」は当初、賀国強とともに交通事故などの情報を流していたが、10日、これを全否定、習近平副主席は、10月上旬に予定されている第18回党大会の準備で多忙を極めている、として、今月20日には、党大会の準備事項を決める第17期七中全会が開かれると伝えた。

王立軍・前重慶市副市長兼公安局長が起訴されたこともあり、18大前に薄熙来・前重慶市党委書記の処分も決まるだろうとしている。

で、18大での中国共産党の人事について、海外メディアの見方はかなり収斂されてきた。すなわち、政治局常務委員会の定員は9人から7人に減員されること。胡錦濤が望んでいたこの7人制実現のために、胡錦濤は中央軍事委主席に居座ることなく、腹心の李克強・副首相(首相に内定)を中央軍事委副主席に推すことを条件に完全引退すること。習近平の腹心の栗戦書が中共中央弁公庁主任に決まったこと、現弁公室主任で胡錦濤の腹心の令計画主任が格下げとなり、統一戦線部長を兼任することで、胡錦濤の思惑通りに人事が進んでいないこと、などが明らかになってきている。
政治局中央常務委員が7人に減員となると、薄煕来のライバルで胡錦濤一派の汪洋・広東省党委書記の政治局常務委員会入りや、共産党青年団出身ののエース、胡春華・内モンゴル自治区委書記の次の次の総書記をにらんだ2階級特進での政治局常務委員会入りも難しそうだ。胡錦濤は「次」でいいや、と令計画も含めて今回の昇格は見送ったと見られる。

北載河会議を終えても最終決定は出来ていないとみえ、その結果、米国務長官との関係をドタキャンするなど習近平副主席があわただしく動いていたり、栗戦書や令計画の人事が観測気球的にあげられているのではないか。

北京国際マラソンの日程は、公式ホームページではまだ報じられていないが、一説によると10月14日らしい。18大はそれ以前に行われるとの見方が有力だ。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。