Takepuのブログ

中国旅行記とか、日ごろ思ったことなどを書きたいと思います

Google攻撃は中国指導部の指示

2010-12-06 00:21:09 | 時事


ウィキリークスが掲載した米外交公電によると、グーグルへのサイバー攻撃は中国最高指導部の共産党政治局常務委員会が指示したという。ニューヨークタイムスはこの攻撃は李長春・常務委員(宣伝担当)、周永康・常務委員(治安担当)が関与したとみられると可能性があると報じた。いずれも9人の政治局常務委員会のメンバーのなかで江沢民系に属し、胡錦濤の反対勢力とみてよい。



発言者はすべて、×××××××で伏せているが、ウィキリークスは意図的に段階的に中国に関する公電を流し始めたようだ。
そのなかでもニューヨークタイムス紙の報道は面白い。李長春は、自分の名前をグーグルで検索したという。そうしたら批判ばっかりだったので、ムカッときてグーグル攻撃を決めたようだ。中国の権力者らしい。
When Mr. Li typed his name into the search engine at google.com, he found “results critical of him.”

李長春は思想・宣伝担当。中国共産党序列5位。
大連市出身。ハルビン工業大電機学部卒。日本語学習経験があるらしい。そうはいっても親日派というわけではないが。瀋陽市長、河南省長、同省党委書記、広東省党委書記などを歴任。広東省で反江沢民としてまだ残っていた広東閥排除に貢献し朱鎔基首相の後継に推挙されるが、朱鎔基の反対で温家宝が首相に就任した。
2009年に来日し、日本メディア首脳と懇談し、「良好な世論を作るように努力してほしい」と求めたという。中国のメディアなら上の鶴の一声で報道内容はどのようにでもなると思っているのだろうが、日本語を勉強したといえども、その辺の感覚には疎そうだ。ということで、メディアはコントロールするもの、との考え方が強いのだろう。

周永康は公安担当。序列9位。党中央政法委員会書記。江沢民の腹心だった曽慶紅・国家副主席、羅幹・前政法委書記(李鵬派)から公安部門を引き継ぐ。
江蘇省無錫出身。故郷が江沢民の揚州と近い。北京石油学院を卒業後、石油関連部門の役人や国営企業の総経理などを歴任、朱鎔基政権で国土資源部長として入閣。四川省党委書記を2年務め、中央に復帰し政治局委員、公安部長、07年政治局常務委員。今年、延坪島砲撃直後の北朝鮮を訪問、金正日総書記と会談している。

そもそも中国の歴史を見ても、思想宣伝部門と公安部門は、改革開放政策や民主化を抑える立場になり、得てして指導部を抑える側に立つことが多い。

彼ら2人の個人的な判断というより、中国指導部の思想宣伝部門、治安部門がグーグルをどうする、と考えた場合、政治局常務委員会の担当部門のトップは彼らになるので、最終的な認可をした、と考えるべきなのだろう。確かに、サイト攻撃をすることに罪悪感を感じないような考え方を持っていることは確かだとは思うが。
それでは胡錦濤が、自由民主的な考え方の持ち主で、サイト攻撃はいかがなものか、と思って止めるかどうか。胡錦濤の個人的な考え方がどちらかは別にして、対抗する派閥の行うことゆえ、容易に押しとどめることは難しいのだろう。