Takepuのブログ

中国旅行記とか、日ごろ思ったことなどを書きたいと思います

オランダ戦

2010-06-21 11:41:30 | Weblog

6月19日、W杯2戦目、世界4位のオランダと対戦、0-1で惜敗した日本。健闘したと思う。カメルーンに勝ち、オランダとは、うまくいけば引き分け、悪くても最少失点で負け、というのは想定の範囲内、シナリオ通りだったろう。オランダに2点目を取られなかったことで、1戦目で0-2でオランダに負けたデンマークとは得失点で+1のアドバンテージがある。この結果、日本は3戦目のデンマークに引き分けでも決勝トーナメントに進出できる。デンマークは逆に絶対に日本に勝たなければ進出できない。デンマークは前がかりになって攻めてくるに違いない。
オランダ戦でもうひとつ大きかったことは、MFの阿部が、イエローカードをもらわずに済んだことだ。カメルーン戦でイエローカードをすでに1枚もらっており、オランダ戦でもらっていたら累積2枚で3戦目は出場できなかった。これで阿部はデンマーク戦にも出られる。

見たとおり、W杯本戦に入って日本代表の攻守の要は守備的MFといわれるボランチの3人、特に4人のDFラインの前で相手の攻撃の芽を摘み、DFラインのほころびを埋める「アンカー」の阿部だ。屈強な相手FWにタックルする、というより、試合の流れを読んで危険なスペースを埋めたり、相手のエースを抑えて決定的なパスやシュートを打たせないようにする。そしてマイボールになるや否や、攻撃の起点として、前線、あるいはゲームメーカーに攻撃のお膳立てのパスを送る。極めて頭脳的なプレーヤーだ。この阿部と、もともとのボランチの2人、長谷部と遠藤の連携で相手の攻撃を事前にうまく食い止めている。また、阿部のおかげで長谷部、遠藤の守備の負担が減り、攻撃に時間と体力を割くことができるようになっている。
長友もうまくいっている。相手のエースキラーとして、スピードで負けず相手の攻撃の芽を摘み取っている。1戦目エトオ、2戦目カイトを徹底的に封じていた。それだけでなく、オランダ戦では、前線まで飛び出していってボールを持っている松井や大久保を追い抜く動きからボールを受けようとしたり、相手のマークをひきつけてスペースを作ろうとしていた。
ところが、後半、中村俊輔が松井に代わって入ってから状況が一変。日本からチャンスらしいチャンスが消えた。前半、右サイドをドリブルであがり、攻撃の起点と後方から選手が上がるタメを作ってチャンスメイクしてきた松井は確かに疲れていた。本田もカメルーン戦ほどにポストプレーがうまくいかず、前線でタメを作る必要があった。岡田監督は中村にそれを期待したはずだ。ただ、対人プレーに弱い中村は前線で相手のチェックを受けながら起点になることをせず、しばしばバックパスをして攻撃の流れを止め、スピードを遅らせ、あげくに守備から攻撃の切り替えのときにゆっくりルックアップしながらドリブルしているところをオランダに徹底的に狙われ、ボールを簡単に奪われピンチを招いていた。中村が入ったことで、W杯直前4連敗した悪いときの日本そのままのチームに戻っていた。
途中出場ゆえ、中村は本来自分がハードワークしなければならないが、自分を生かすために回りにハードワークさせるプレースタイルゆえ、自分がボールを持ちきれなくなるとすぐバックパスをする。疲れている阿部や長谷部、遠藤にマークがきつい中でボールを渡すため、そこで流れが止まる。本来なら、松井のように前へ前へ少ない人数でボールを運ばなければならないのに、結局本田を孤立させてしまった。岡田はもう中村を使わないだろう。限界が見えた。

もうひとつ、長谷部がいなくなってからチームとしてまったく機能しなくなった。岡田監督は中村に続いて、岡崎、玉田の2FWを大久保、長谷部と交代した。1.5列目からのプレーを得意とする玉田に長谷部的なプレーも期待したのだろうが、ゲームの中で玉田はまったく姿が見えないほどに存在感がなかった。トップ下でフリーな形でボールを持たせるなら、稲本=写真=を入れて長谷部や遠藤の守備の負担をさらに減らして、遠藤あたりを1.5列目やサイドでフリーな形で攻撃に専念させるような布陣のほうが良いのではないか。ただ、第3戦を見据えて長谷部を休ませたというのなら話は別だが。

デンマーク戦は25日午前3時半キックオフ。デンマークは引き分けではだめなので、ある程度前がかりになるだろう。サイドやDFラインの裏にスペースができるはずだ。そこにうまく走りこんでチャンスメークできるか。引き分け狙い、ディフェンスオンリーではおそらく守りきれず相手に得点されてしまうので、勝ちにいった結果引き分け、となればモアベターなのだとは思うが。