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**アカシアの木蔭で**

流れていく時間と逆らわずに流れていく自分を、ゆっくりペースで書いて行こうと思います

おせんべい どうぞ①

2015年08月25日 | 病棟
マサコばあちゃんは もう90歳を越え、
誤嚥性肺炎で入退院を繰り返しています。
認知症もあり ちょっぴり頑固でキツイ性分で
ご家族の本心は 「もう家で看るのは御免だわ!!」です。
だから、食思不良の脱水疑いで入院し
少しずつなら食べられることを確認して2週間預かり
「年齢もあるから誤嚥は繰り返す。
 経管栄養も望まないなら、水分メインで看とりましょう。
 訪問看護と往診で点滴管理をします」
と、ムンテラも行なっての退院だったのに 翌日、
「やっぱり食べない」とQQ車で連れてきました。

何の工夫をしたんだ!
朝食・昼食の二回だけで 押し込むのか!!

みえみえの家族の思惑に スタッフ一同うんざりしながら
病棟にベッドを用意し、長期戦に切り替える会議をしました。
・・・やってられないのですよ。
入退院のたびに発生する事務手続き。
書類とってアナムネ聞いて 看護記録を新しく立ち上げて・・・。


ほんとはね、お断りしているパターンの患者さんです。
家族も、病院に預けた途端、
あれして欲しい・これして欲しいと
自分たちが出来なかったことへの負い目を晴らすように
スタッフに次々要求してきます。
こちらも病院である以上 一人の患者さんばかりを
手厚く出来ないと、正直に伝えたうえでの長期切り替えで、
自由にしたければ在宅で看取っていただくと
しっかり了承をとりました。
最近やっと、病棟のマンパワー不足の中 スタッフが忙しく働いていること
患者さんに平等に関わろうと努力していることを分かってくれ、
また、介護から開放された安心感からか 
柔らかい雰囲気でお見舞いに来られるようになっていました。



そして先日、「お婆ちゃんが大好きなせんべいを食べさせたい」と提案され。
誤嚥をして必ず熱が出ることは 分かっています。
でも、ソフトせんべいOKの了承を院長に貰ったんです。

本人も「おせんべ、食べたいなあ」と何度か訴えていたのですよ。
・・・いくら入院とはいえ、死ぬまでここで過ごすのです。
看取りだからって、認知症だからって
好きなことの一つも出来ない時間だけを過ごすのは 
生きてるって言えないよね?










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