昨日、再び、山東省淄博（しはく、地名）で爆発事故があった。8月12日の晩に天津港で非常に大きな爆発が起きると、翌日の13日には、幸い死傷者は出なかったと報じられたが、遼寧省の鞍山ボイラープラントで爆発が発生。その十日後、今度は山東省の化学工場で爆発が発生した。この十日の間に、三度、爆発事故が起きている。
実は、昨年1月から今年の6月までの、凡そ一年半の間に24回の爆発事故が起きている。それらの紹介の前に、先ずは、今回、山東省で起きた事件を紹介したい。
「BBC中文網」の記事から、
『新聞焦点：爆発を起こした淄博潤興化学工廠
（新聞焦點：發生爆炸的淄博潤興化工廠）』
2015年8月22日
・山東潤興投資グループ有限公司は1992年に創設され、2003年の改編で民営企業となる
山東省淄博（しはく）桓台県国裏鎮東付村の潤興化工廠（こうしょう＝工場）で、土曜（22日）晩に、爆発並びに火災が発生した。淄博警察の公式ミニブログ（微博）によれば、現在までに9人負傷、死者は無し、と発表されている。
8月12日に天津浜海新区で発生した危険化学薬品の爆発事故から10日後、中国で再び発生した深刻な爆発事故だ。天津の爆発事件は、現在までに121人が死亡している。
中国媒体の報道によれば、潤興化工廠付近には民家があり、且つ、民家は化学工廠から1ｋｍも離れていない。その為、中国の媒体は、現地の民衆の言葉を引用し、爆発が発生した時、村の多くの家のガラスが振動で割れた、と報じた。
・未だ正式に製造を始めてはいない
山東淄博市《魯中晨報》の公式ミニブログ（微博）は、爆発を起こした山東潤興化工廠は、正式に製造を始めてはおらず、今のところ試産段階で、そのため爆発が起きた、と報じた。
爆発の発生した当日、淄博市政府新聞弁公室の公式ミニブログ「淄博発布」は、午前10時に情報を配信し、淄博市は安全検査を大々的に実施し、違法乱調を見つけ、特定の項目を厳格に取り締まる、と宣言していた。
山東潤興化工科技有限公司の公式ウェヴサイトによれば、山東潤興化工科技有限公司は、山東潤興投資グループ旗下の完全投資会社で、登録資本1.8億人民元。研究・開発・生産から、販売及び化工科学技術のサービスに至るまで、一貫した高科学技術を提供する化工公司。
ウェヴサイトには更に、その親会社である山東潤興投資グループの登録資金は7.1億人民元で、従業員2200余人。経営すること十数年で、現在は、不動産・化学工業・木材産業を柱として、不動産の関連産業・科学研究・貿易が一体となった多元化グループを形成している、と書かれている。
山東潤興投資グループの公式ウェヴサイトには、当該公司は1992年に設立され、2003年に改編されて民営企業になった、と紹介されている。
・ヘキサンジニトリルの項目
他の中国の媒体の報道によれば、潤興化工公司の計画では、"第十二次五カ年計画"の期間中、年間10万トン及び配合して30万トンのヘキサンジニトリルを生産する項目があり、三期に分かれて建設が行われる。この項目の総占有地の面積は880ムー（1ムー＝6.667アール、15分の1ヘクタール）で、総工費45億元、現在までに第一期の項目の工事が完了している。2014年3月から、設備の搬入及び製造前の準備作業が始まっており、2014年8月に、正式な製造に入る見込みだった。
BBC中文網の記者が、潤興化工の公式ウェヴサイトで見つけた情報によれば、今年5月15日、潤興化工は、ヘキサンジニトリル年生産10万トンの項目の全体工事の儀式を行った。儀式の席上、潤興科技ゼネラルマネージャー呂敏（りょびん）は、これは当該公司が、国内初のヘキサンジニトリルの装置建設の任務にあたるのだと形容した、と。
記者が資料をめくって調べたところ、ヘキサンジニトリル（hexanedinitrile）は、別名1,4-ジシアノブタン、一種の無色油状の液体で、微かに臭気がある。ナイロンの合成中間体。水・エーテルでは溶解しにくく、アルコールに溶ける。火気・高温で燃え上がる。強酸に反応する。熱による分解で有毒の窒素酸化物を放出する、と。
この他、ヘキサンジニトリルは主に、ポリアミドファイバー(polyamide fiber)の合成中間体ジアミンの生産に用い、ゴムの促進剤であり防錆剤であり、洗浄剤の添加物にも用いられ、織物の漂白剤の補助剤に及ぶまで博く用いられている。」
記事はここまでです。次回は、一年半で24度の爆発について少し。
実は、昨年1月から今年の6月までの、凡そ一年半の間に24回の爆発事故が起きている。それらの紹介の前に、先ずは、今回、山東省で起きた事件を紹介したい。
「BBC中文網」の記事から、
『新聞焦点：爆発を起こした淄博潤興化学工廠
（新聞焦點：發生爆炸的淄博潤興化工廠）』
2015年8月22日
・山東潤興投資グループ有限公司は1992年に創設され、2003年の改編で民営企業となる
山東省淄博（しはく）桓台県国裏鎮東付村の潤興化工廠（こうしょう＝工場）で、土曜（22日）晩に、爆発並びに火災が発生した。淄博警察の公式ミニブログ（微博）によれば、現在までに9人負傷、死者は無し、と発表されている。
8月12日に天津浜海新区で発生した危険化学薬品の爆発事故から10日後、中国で再び発生した深刻な爆発事故だ。天津の爆発事件は、現在までに121人が死亡している。
中国媒体の報道によれば、潤興化工廠付近には民家があり、且つ、民家は化学工廠から1ｋｍも離れていない。その為、中国の媒体は、現地の民衆の言葉を引用し、爆発が発生した時、村の多くの家のガラスが振動で割れた、と報じた。
・未だ正式に製造を始めてはいない
山東淄博市《魯中晨報》の公式ミニブログ（微博）は、爆発を起こした山東潤興化工廠は、正式に製造を始めてはおらず、今のところ試産段階で、そのため爆発が起きた、と報じた。
爆発の発生した当日、淄博市政府新聞弁公室の公式ミニブログ「淄博発布」は、午前10時に情報を配信し、淄博市は安全検査を大々的に実施し、違法乱調を見つけ、特定の項目を厳格に取り締まる、と宣言していた。
山東潤興化工科技有限公司の公式ウェヴサイトによれば、山東潤興化工科技有限公司は、山東潤興投資グループ旗下の完全投資会社で、登録資本1.8億人民元。研究・開発・生産から、販売及び化工科学技術のサービスに至るまで、一貫した高科学技術を提供する化工公司。
ウェヴサイトには更に、その親会社である山東潤興投資グループの登録資金は7.1億人民元で、従業員2200余人。経営すること十数年で、現在は、不動産・化学工業・木材産業を柱として、不動産の関連産業・科学研究・貿易が一体となった多元化グループを形成している、と書かれている。
山東潤興投資グループの公式ウェヴサイトには、当該公司は1992年に設立され、2003年に改編されて民営企業になった、と紹介されている。
・ヘキサンジニトリルの項目
他の中国の媒体の報道によれば、潤興化工公司の計画では、"第十二次五カ年計画"の期間中、年間10万トン及び配合して30万トンのヘキサンジニトリルを生産する項目があり、三期に分かれて建設が行われる。この項目の総占有地の面積は880ムー（1ムー＝6.667アール、15分の1ヘクタール）で、総工費45億元、現在までに第一期の項目の工事が完了している。2014年3月から、設備の搬入及び製造前の準備作業が始まっており、2014年8月に、正式な製造に入る見込みだった。
BBC中文網の記者が、潤興化工の公式ウェヴサイトで見つけた情報によれば、今年5月15日、潤興化工は、ヘキサンジニトリル年生産10万トンの項目の全体工事の儀式を行った。儀式の席上、潤興科技ゼネラルマネージャー呂敏（りょびん）は、これは当該公司が、国内初のヘキサンジニトリルの装置建設の任務にあたるのだと形容した、と。
記者が資料をめくって調べたところ、ヘキサンジニトリル（hexanedinitrile）は、別名1,4-ジシアノブタン、一種の無色油状の液体で、微かに臭気がある。ナイロンの合成中間体。水・エーテルでは溶解しにくく、アルコールに溶ける。火気・高温で燃え上がる。強酸に反応する。熱による分解で有毒の窒素酸化物を放出する、と。
この他、ヘキサンジニトリルは主に、ポリアミドファイバー(polyamide fiber)の合成中間体ジアミンの生産に用い、ゴムの促進剤であり防錆剤であり、洗浄剤の添加物にも用いられ、織物の漂白剤の補助剤に及ぶまで博く用いられている。」
記事はここまでです。次回は、一年半で24度の爆発について少し。
