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古装劇場 別館

承徳・山海関の旅12 おひとりさま北京ダック

2014年07月12日 00時18分43秒 | 旅行
 山海関駅は、駅舎の見た目は立派だが、実はけっこう小さい。待合室は大混雑だった。列も作っていないので、改札口の近くで人混みの中に立って、改札が始まるのをじっと待つ。列車が次から次へとやってきて、そのたびに人が減ったので、後半は少し楽になった。遅れている列車もあったが、私が乗る列車は時間通りに検札が始まり、ホームへ移動。駅員がついていて、車両ごとにきっちり列を作らされる。列の一番前で大荷物を抱えた家族連れが駅員に「こんな大きな荷物で入り口をふさいだら、ほかの人が乗れないでしょ! 停車時間はたった1分しかないのよ!」と叱り飛ばされて、横に移動させられていた。



 和諧号は時間通りに到着。座席は2列と3列だが、日本の新幹線と比べるとちょっと狭苦しいような。気のせいか? 長春発の列車だったが、ほぼ満員のようだった。私は3列の真ん中の座席なので、またもゆっくり窓の外を眺められず残念だった。隣にずっとPCに向かっている白人のお兄さんが座っていたのだが、中国語ペラペラっぽく、何語だか分からない言葉をケータイで話し、ビジネスマンのようにも見え、アーティストっぽい感じもして、いったい何人なのか、何をしている人なのか、気になって仕方なかったが、話しかける勇気など持ち合わせていないのだった。もう一方の隣の中国人のおじさんに突然、「この列車は北京南駅に着くのか?」と話しかけられて、ちょっと驚く。いえいえ、北京駅ですよ。しかし、そんな基本情報も確認せずに乗るのか。それとも、列車情報は中国人にも分かりにくいのか。どちらに到着しても別にかまわないだけか。なんだか不思議。

 きれいで座り心地もよく、中国の乗り物にしては静かで、快適。乗客も大声でしゃべり散らすような人はいない。車内検札をしている係員の女性はおしゃれな制服を着ているし、もちろん車内販売もある。壁のフックと座席の位置がまったく対応していないのだけが残念だったが、とにかく快適。これでは多少高かろうが、あんなひどい事故が起ころうが、みんな乗って当然だ。高速鉄道建設の勢いは止まらないだろうね。ああ楽ちん、まるで中国じゃないみたい。と思っていたら、定期的に、かつ頻繁に、大きな箒で床の掃除に来るのが、はやり中国なのだった。座席の下を掃いてもらうために、毎回足を上げなければいけないのだ。終点が近いせいか、しつこいくらいに掃除に来た。

 山海関から北京まではノンストップで、17時15分、時間どおりに北京駅に到着。すぐにホテルに移動してチェックイン。来た時に泊まったのと同じ北京駅に近いホテルだ。荷物を下ろして一息ついたところで。
 かねてから密かに温めていた計画をついに実行に移す時が来た。

 じゃーん! 一人で北京ダックレストランへ突撃!



 行ったのは建国門外の「鴨王」。なぜこの店を選んだかといえば、単に宿泊しているホテルから徒歩で行ける距離だったというだけの理由です。実を言うと、扉を開ける時はものすごくドキドキした。こんなお店に一人で来るお客って、普通いないよね……。1階は待合室で、客席は2階にあった。待合室にメニューがおいてあったので、手にとって見ようとしたところ、案内係らしい女性が階段を下りてきた。「一人なんだけど……」とか何とか言ってみると、女性はメニューを広げて、ダック半羽をおすすめしてくれた。



 というわけで、客席へ。奥は見えないが、混雑しているようで、すごく賑やかだ。入ってすぐの小さなテーブルに案内された。お客はもちろん、店員さんたちが厨房と往復するのに行ったり来たりするので落ち着かないが、まあ仕方ない。奥に通されて、他のお客のテーブルに囲まれて一人で食べるのもたぶん落ち着かないだろうし。ダック半羽120元、蓮葉餅12元、味噌、ザラメ、にんにく、野菜のセット3元、ジャスミン茶を注文。スープもほしかったけど、食べきれずに残すのはいやなので我慢。注文してからは、拍子抜けするくらいあっという間に出てきた。ワクワクしながら待つ時間がもうちょっと欲しかった。



 久しぶりの北京ダックは美味しかった。完食。思い切って来てよかった。ただ、むかーしむかし、北京の全聚徳で食べた北京ダックは、皮と肉の間にたっぷりの脂身が挟まっていたのにな。かなりカルチャーショックだったので、ずっと忘れられず、また食べたいと思い続けていたのだ。その脂身たっぷりを期待していたので、今回はやや物足りない。お店が違うからか、時代が変わってヘルシーに脂身少なめが主流になっているのか。検証するために、北京ダックのお店巡りをしてみたいところだ。とはいえ、間違いなく美味しかったし、お腹いっぱいで満足。
 支払いをすませて店を出ようとすると、店員の女性に「あなた一人だったの!?」と驚かれました。

 帰国後、「一人で北京ダック屋に行った!」と吹聴してみたものの、「ふーん、よかったね。」「そう。美味しかった?」というような薄い反応ばかり。しまった。この人たちは中国事情を知らないのだった。ファミレスに一人で入ったくらいの感覚でいるのかもしれない。中国できちんとしたレストランに一人で入るのがどういうことか、店構えがどんなふうか、分かっていないのだ。そこで、あらためて中国経験のある知人に話してみて、ようやく勇気を賞賛してもらい、ちょっぴり満足したのだった。

(つづく)

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2 コメント

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全聚徳! (黄梅)
2014-10-02 16:33:20
全聚徳、未体験なんです。
やっぱり特別おいしんですね。行ってみたい!

中国だとレストランもそうですし、単独行動が日本
よりしにくいような。というか日本だと単独行動が
すごくしやすいんだな、と思うときがあります。

そして終わった後に気づかれるとは(笑)
途中では待ち合わせとかだと思っていたとか・・?
でも、しっかりレストランでそれはないか。
そして不謹慎ながら掃除のところで笑ってしまい
ました^^
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鴨王vs全聚徳 (小魚)
2015-01-21 22:58:03
鴨王もガイドブックに載っているお店ですけど、評判や、全聚徳と比べるとどうなのかとか、確認しないままです。美味しければ、それで満足してしまうもので。
北京の全聚徳に行ったのは大昔なので、今はどうなっているのか。今では支店もずいぶん出来ていますね。新宿のお店に一度だけ入ったことがありますが、やっぱりダックに脂身はなかったですねえ。まあ、あれは日本人には敬遠されそうですけど。こう書いているうちに、また食べたくなってきました。

中国の一人旅は、食事がネックですね。たまに、奮発してご馳走を食べたい!と思うこともありますが、いつもあきらめています。
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