印象派として知られるモネやルノアールは日本でもっとも人気の高い画家です。
印象派の最大の特徴は光の表現。それまでの絵は室内の暗い照明の中で描かれることから、光というより影の部分を強調した、写実本位のものが主流になっていました。
しかし、技術の進歩により、チューブ入り絵の具が開発され、画家たちは野外に飛び出すことが可能になり、降り注ぐ光のもとでの絵画表現が可能になったのです。
こうした中で1874年、モネ、ルノアール、セザンヌらによって展覧会が開かれました。この展覧会に出品した作品にモネは「印象 日の出」というタイトルをつけました。
「印象 日の出」
この絵のタイトルから印象派という呼称が生まれ、後にこの展覧会は「第一回印象派展」と呼ばれるようになるのですが、発表当時は、この絵の評判は散々だったそうです。批評家たちの目には、ぼんやりとした色彩で描かれたこの絵は従来の写実本位の絵から大きく外れていたからで、だから、人前に出すことさえ恥ずかしい失敗作だと決め付けていたようなのです。
モネ
それでも、モネはその後も「ぼんやりとした色彩の絵」を描き続けます。光はさまざまな色を見せてくれるからと、モネは自分の心象に写ったままの光景を描くことへのこだわりを決して捨てようとはしなかったのです。
ルノアール
しばらく時間はかかりましたが、やがて美術界の主流は、光の表現を大切にした印象派を高く評価するようになっていきます。
セザンヌ
ただし、印象派の誕生の影にチューブ入り絵の具の開発が絡んでいたことを知っている人は少ないでしょうね・・・。