ひねって・焼いて・陶

陶芸の様々な技法、釉薬、お会いした陶芸家の方々の話等々、私が陶芸で学んだこと、発見したことなどを綴ります。

生土の変色が良い感じ

2020年06月24日 | 制作現場

しばらく振りの素焼き。長い間棚に置きっ放しにしていた赤土の表面は良い具合に変色している。この雰囲気が焼き上がりに出せないものかと思う。

 


辻晋堂の陶彫 展

2020年05月31日 | 陶磁器展示会

陶の像がとても良かった。知的で粋で味がある。軽妙洒脱と言うか、作者が愉しんで作った結果が作品に表れている。この人の代表作は抽象の陶彫刻で、それはそれで見応えがある。しかし、最後にたどり着いたのが本人曰く、粘土細工。

---近年になって私の考へは又又變ってしまって「彫刻」といふよりも幼児の粘土細工のやうなもになってしまった。だから「彫刻」といふシチ難しい考へを捨てたと云ってもいい。「彫刻」になってゐなくたって一向に構はない。却ってその方がいいと私は思ふやうになったのだ。肩肘を張って構へることはない。それで、作るものの大きさも、以前のやうに無暗に大きなものを作らうとしない。焼物は自分の兩手で持ち上げられないやうな重いものは作らない方がいい。---

芝居の登場人物、木陰で寝転んで読書する人物、工房にいる自分と猫、横山大観、人斬り以蔵などモチーフは様々。正に肩ひじ張らずに自分の関心の赴くまま作陶するスタイルが良いなと思う。これは歳をとって創造意欲が衰えたのか、それとも円熟の境地なのだろうか。少なくとも、ありのままの自分に向き合っていると感じる。

 

http://www.shindo-tsuji.net/index.php?lang=jp

 

 

 


白釉への色移り 解決

2020年04月19日 | 釉薬

以前、ある白釉への色移りについて書いたが、その後原因が分かった。その釉薬はタイルの様にノッペリした色調からしてジルコニウムを含むと思われる乳濁釉で赤土に使っているのだが、それが時々部分的に薄くピンクがかるのだ。原因は窯で一緒に焼いている黒泥土だった。黒泥土は、色を黒くする為に色々と顔料が入っているのでそれが焼成時にガス化して影響を受けやすい釉薬に乗り移るわけだ。この話を以前ノリタケに勤めていた知り合いにしたら、ノリタケでは黒泥土は必ずそれ以外のものとは別の窯で焼いていたというのだ。もっと早く相談していればたくさん失敗せずに済んだのだが後の祭り。

そこで、この現象を利用してみよう考え、黒泥土にこの白釉 を掛けて焼いてみたところ見事にピンクとなった。赤土の上では真っ白な釉薬が良くここまで変わるものだ。ただ、少々濁った色味なのが残念なところ。

この色移りへの対処法は、先ず黒泥土を絶対に置かない棚板に白釉作品を置く。次に、この棚板は窯の最上段に置くというもの。中間や最下段だと、その上にくる棚が既にある程度ガスを溜め込んでいて焼成時に放出される危険性があるのと、最上段は上部にスペースを取りやすくガスの影響を受けにくくなるからだ。


第4回「ひねって・焼いて・陶 展」を終えて

2020年01月27日 | お知らせ

ノリタケの森ギャラリーでの二人展が終わりました。会場にお越し下さった方々、ネットで良いねやリンクをして下さった方々、その他様々なかたちで応援下さった方々に感謝します。

6日間の岡崎、名古屋の車通勤はそれなりに大変でしたが、工房での引き篭もり生活から来場者とのコミニケーション生活への変化は心地良かったです。展示会では自分の作品を全くと言っていいほど新しい目で見ることが出来、またご来場の方々の反応を感じる事で、また次の創作意欲が湧いて来ました。

本多淳子の花器「角」と生花。蝋梅の香りを楽しみました。

「面取り花器」本多 潔

花器「渦」本多淳子

「掛け花器 茶マット」本多淳子

「お雛様セット」本多淳子

「ティーポット」 本多 潔

面取り「花器(小)」本多 潔

デザインの先輩伊藤さんと。伊藤さんは焼き物にも造詣が深いので話の中で分かりあえるポイントがとても多い。

前の仕事で色々お世話になった新巧模型の上田さんと奥様。先代の航空機模型はまだしっかりと保存してあるとのこと。

 

 

 

 


釉薬への色移り

2019年10月13日 | 釉薬

白釉が何故か部分的にピンクがかってしまった。揮発性の高い銅が原因の場合は青味がかるので何か違うものが影響しているのだろうか、それとも白釉に銅のガスが掛かるとピンクになるのか?どちらにしても出来ることと言えば棚板を使い分けるぐらいしか思い付かないが他に何かあるだろうか?

その後問題が解決。