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福岡空港と日本の安保保障

2017-11-25 12:03:54 | 日本社会

福岡空港は、空港法第4条1項5号に定める政令指定空港です。米軍・自衛隊では板付(いたづけ)飛行場と呼称していますし、米軍地図上では福岡では無く、板付飛行場と記載されているようです。

福岡空港の旅客数は2199万4977人、国際線が499万675人です。発着回数は17万6170回で、全国3位です。

純粋な民間空港と思われがちですが全国で唯一、地位協定上の米軍との共同使用飛行場です。運用時間は24時間ですが、民間の定期便については0700~2200と騒音等で制限されています。自衛隊機等の緊急飛行(緊急血液輸送等々)については深夜も運行されているようです。

福岡空港への着陸は、主に計器着陸(着陸進入する航空機に対して、空港・飛行場付近の地上施設から指向性誘導電波を発射し、視界が悪いときでも安全に滑走路上まで誘導する計器進入システム)ですが玄界灘・海ノ中道側(海側)で、玄界灘・海ノ中道側と太宰府側(市街地上空)の両方向からの着陸が可能ですが、騒音等の関係上少しの追い風(飛行機は揚力を得やすくするため基本的には向かい風で着陸します。)でも玄界灘・海ノ中道方向(年間着陸の75%程度)から着陸しています。

現在、福岡空港は混雑解消等のため平行滑走路増設工事が行われています。現在の滑走路は2800mですが、更に2500mを国際線側に増設工事中で2024年に完成予定のようです。


私達は何気なく平和を享受していますが有事のみならず、大災害等々の際は福岡空港が基幹空港として日本の安全保障、災害支援等々の一端を担うと言われています。あまり知られていない福岡空港と安全保障体制等の一部を知ることは大切だと思います。

日米安保・地位協定により福岡空港の土地の14・4%は米軍地域(板付地区)です。

空港西側の約2万2千平方メートルは、日米地位協定に基づく米軍専用区域(2条1項a)で格納庫等があり、区域には米空軍航空機動軍団(AMC・世界各地のアメリカ軍を支援することを主任務とする部隊で輸送機、空中給油機を運用し長距離かつ迅速な物資・兵站輸送を実施しています。機能別の軍団とも言われ、責任範囲は全世界に及びます。エアフォースワンを運航する第89空輸航空団も責任範囲にあり、軍用機のみならず、有事に動員される民間予備航空隊(Civil Reserve Air Fleetも担当、B747等での輸送)も担当しています。

福岡空港(板付地区)には、現在空軍兵数名が常駐しています。主に貨物、人員等の輸送が年間50~60回程度使用されているようですが、有事のみならず大災害等々、緊急時にも基幹空港等としても使用されると言われています。
米軍の空港使用は、出発30分前までに空港側に通報すれば自由に使用可能と言われていますが、緊急時はこの限りでは有りません。米軍の自由度は極めて高いと言われています。米軍機等の全国民間空港利用は日米地位協定で保障されております。米軍単独の場合は原則として防衛省・自衛隊に事前の通知はないと言われています。

 

福岡空港の滑走路、誘導路、一部の駐機場は日米共同使用区域(2条4項b)に指定されています。
日本施設の「共同使用」条項(2条4項b)とは・・・
この条項では日米の合意に基づいて、米軍が日本の施設を一定期間使用でき、期間の取り方は柔軟で、専用施設として使用も出来ます。

日米地位協定第5条第1項
合衆国及び合衆国以外の国の船舶及び航空機で、合衆国によって、合衆国のために又は合衆国の管理の下に公の目的で運行されるものは、入港料又は着陸料を課せられないで日本国の港又は飛行場に出入することができます。
米軍地域の隣には、航空自衛隊の板付地区(航空自衛隊、春日基地に所属)が有り自衛隊版定期便、北は北海道から沖縄までC-1、C-130輸送機等々での定期輸送、CH-47ヘリによる離島の自衛隊レーダー基地等間の輸送支援等の支援業務、T-4業務支援等々を実施しています。過去、東北、熊本等の地震の際には多くの自衛隊輸送機等が輸送支援等を実施しています。

意外と知られていない福岡空港の一面、間違いなく福岡空港は日本の安全保障等の一端を担っていると言えると思います。

これらの地域は普段意識することはありませんが、国内線側から見ると反対側の国際線の隣付近(板付地区)になると思います。福岡空港は日本の安全保障上も大きく関わっている事実を知ることは大切だと思います。


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