東京都知事問題で、私達は何かすっきりしない気持ちになったように思います。
このような問題が発生した時点でも、北海道の財政破綻した夕張市は財政再建を目指し、全国一、極めて厳しい財政環境下、若き鈴木市長以下奮闘していることを知ると、同じ日本なのに・・・複雑な気持ちになります。
鈴木、夕張市長は、財政破綻の原因を国、北海道に責任転換することなく、自己責任と認識のもと夕張市の財政再建、健全財政を目指し日々奮闘してることは特筆すべきです。
市と言っても夕張市は大変小さな市で、10,922人/男性5,179人/女性5,743人(平成22年国勢調査)、5,558世帯(平成22年国勢調査)です。
夕張とは、アイヌ語のユーパロ(鉱泉の湧き出るところ)の転訛したと言われています。
現在、公共施設は高校1/中学校1/小学校1/幼稚園1/保育所4、診療所5/歯科診療所5です。施設は財政的にも極めて厳しいように思います。
夕張市は明治7年、アメリカ人鉱山地質学者ベンジャミン・スミス・ライマンの探検隊が夕張川上流の炭鉱地質を調査し、明治21年道庁の技師坂市太郎が志幌加別川の上流で石炭の大露頭を発見し、炭鉱の街夕張の歴史が始まります。
明治24年炭鉱開始以来、炭鉱の街として栄え、昭和18年に市制が施行、一時は大小24の鉱山、人口12万人を数えましたが、昭和40年代に入って次々に閉山、炭鉱の街夕張としての歴史に幕を閉じました。
現在、石炭の歴史村にある「石炭博物館」「炭鉱生活館」「模擬鉱」などに、炭鉱の街夕張の歴史や生活が再現されています。
炭鉱に替わって夕張の顔となったのが観光です。炭鉱跡地を利用し、昭和58年にオープンした石炭の歴史村、北海道屈指のスキー場マウントレースイ、ゆうばり国際冒険・ファンタスティック映画祭をはじめとする多彩なイベントを催されているようです。
全国的にその名を知られる超銘産品・夕張メロン、このメロンを原料とした特産品開発、雄大な自然環境の利用など新たな街づくりに着手されています。北海道に数ある元・炭鉱の街の中で、最も活性化された街として注目されています。
この財政破綻した夕張市で未来の復活を夢み奮闘しているのは、元東京都庁職員・鈴木直道市長(35才)です。東京都庁で勤務すれば、苦労も無く、経済的にも恵まれた環境で生涯を過ごせたと思いますが・・・吉田松陰の「かくすれば、かくなることと知りながら、やむにやまれぬ大和魂」(こういう行動をすれば、こうなる事はわかっていた、それでも、やらずにはいられなかったのだ、日本の男として・・・この国の行く末を思えばこそ)を思い出します。
先ず自身が夕張市の財政再建のため、厳しい市財政を少しでも工面するため、本来の市長給与支給額の70%減額を決めています。勿論、市職員等も全国から見たら極めて厳しい給与と言われています。
志ある、若い鈴木直道市長に夕張市民は未来を託したと思います。
厳しく困難な夕張市の財政現状・・・厳しい市長報酬にもめげず、自ら率先し財政再建を目指す若者がいると言うことに、本当に日本は、まだまだ捨てたものじゃないと思います。
古来、日本人の中に流れる、世のため人の為を実践してるように思います。志ある若者が自ら極めて厳しく困難な財政再建に当たる・・・江戸後期に米沢藩の極めて厳しい財政再建を成し遂げた、上杉鷹山(うえすぎ・ようざん)を思い出します。
その前に、財政破綻した夕張市・・・精査すれば何か、国策のつけを背負わされたように思える部分があります。政府、北海道は、夕張市の過大な観光開発、放漫な財政運営が原因として、全ての責任は夕張市にあるとしています。
夕張市を財政破綻させた原因は、どうも政府が推進してきた政策と関わっている部分があるように思います。
夕張炭鉱は、国のエネルギー政策の転換で閉山が相次ぎ、1990年に全て閉山、夕張市は残された市民が生活できるように、北海道炭鉱会社所有の土地、住宅、病院等を買い取りました。
この処理費用に583健円を支出しています。そのための借金(市債発行)が332億円夕張市の借金がいかに大きいか。
夕張市は、閉山後の主産業として観光を選びました。当時、国が主導したリゾート開発政策に乗って、夕張市は観光開発を拡大しています。
勿論、当時の国、北海道庁も夕張市の観光開発に期待しています。
以後、リゾート・ブームは去り、進出した松下興産株式会社は早々に夕張から撤退したそうです。
以後、夕張市は市民の就労確保のためにスキー場やホテルを買い受け、そのために借金を増やしてしまいました・・・致し方ない面もありますが、国の政策に無批判に追随した結果でもあると思います。政府は2001年に産炭法が失効、更に地方交付税の産炭地法を無くし・・・更に地方交付税が削減されています。
夕張市の普通交付税は、1991年度と2005年度を比べると、単年度で約38億円減っています。交付税の削減が財政破たんの致命傷になったと言われています。財政破綻の責任を夕張市のみに被せて、自己責任で借金を返済することは割り切れない部分があります。
国、北海道は再精査し、「今でも相応の負担をする必要がある」と思います。
夕張市は、自主的行革で2005年まで16億円を節減しましたが、その成果は普通交付税の削減で一瞬にして消えています。
鈴木直道・市長のプロフィール
鈴木 直道(すずき・なおみち)、昭和56年3月14 日生まれ、出身は埼玉県三郷市です。
平成16年、法政大学法学部法律学科卒業(都庁に勤めながら4年間で卒業、法政大学ボクシング部主将)
平成11年4月・・・東京都立衛生研究所、東京都立北療育医療センター、福祉保健局保健政策部疾病対策課、福祉保健局総務部総務課、夕張市市民課市民保険グループ、知事本局総務部総務課、内閣府地域主権戦略室(知事本局総務部総務課主任)、夕張市行政参与(H22.4.19からH22.11.30まで)、平成22年11月30日で東京都退職
平成23年夕張市長就任(1期目)、平成27年から夕張市長就任、2期目を務めています。
夕張市の特産品等は、全て夕張市のホームページでネット購入可能です。
NO1は「夕張メロン」です。食べたことがありますが本当に甘く、THEメロンです。全国数あるメロンの中でも素晴らしいメロンで、THE・メロンの風格です。時期は6月~8月です。
後、夕張長芋・・・有の風味と他には類を見ない、高い糖分と栄養価は大好評の逸品です。時期は11月~12月です。
花豆缶詰、花豆を原料にふっくらとまろやかに仕上がっています。甘さをおさえた味は、お料理の付け合わせ、酒のおともにもいいようです。
如何したら、私達が夕張市を応援できるか・・・
先ずは、私達が若き鈴木市長以下奮闘している夕張市の現状に関心を持つこと。
(夕張市のホームページ等々を見ることは理解を深めると思います。)
可能であれば特産品等のネット購入等々、北海道旅行の際、夕張市のスキー、宿泊施設等の利用等々は夕張市の発展に寄与するかも知れませんね。
器としては鈴木氏は、将来の北海道知事等のリーダーになるでしょう。何故なら、政策、発言等々心から夕張、北海道の人達の幸せを願っていることが分り、多くの人達の力により、更に国政に携わる可能性が大きいと思います。
何時の日か、夕張市の未来、故郷が子供達等にとって夢、希望が持てる日本一の住み易い夕張市になることを願ってやみません。
夕張市の未来に幸多からんことを!