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子供達の甲状腺がん

2016-03-07 10:26:11 | 健康等々
マスコミ情報だけでは分りにくい、福島県の子供達の甲状腺がん発生状況・・・昨年、10月27日の記者会見での丸川珠代環境大臣は、国立がん研究センターの昨年11月の疫学分析で、東京電力福島第一発電所の事故後に事故前の10年と比較し、18歳以下の男子で90倍、女子で50倍の甲状腺がんまたはその疑いが発生していたと答弁しています。これらの結果には主原因があり、やはり何か大きな主原因があると思うのが自然に思えます。
国民の中には国、専門家等のこれまでの説明に納得がいかない人もいると思います。
国、専門家等は私達に分かり易く、納得いく説明をすべきでしょう。
確かな、正しい情報等をもとに、国、地方等は早急に甲状腺がん等の策を講じる必要があると思います。これらの対応策が遅れた場合、国民の原発への信頼は更に失落するでしょう。

毎日新聞3月7日の記事から・・・
福島第1原発事故の健康影響を調べる福島県調査で、事故当時18歳以下の子供の160人超に甲状腺がん患者(疑い例を含む)が確認されていることについて、約60カ国の研究者が参加する、国際環境疫学会(事務局、米国)が、政府と県に詳しい調査や事故とがんの関係についての解明を求める書簡を送っています。

書簡は1月22日、当時のフランシン・レイデン米ハーバード大教授(環境疫学)名で出されています。昨年10月に津田敏秀・岡山大教授(疫学)が同学会の学会誌に発表された福島県の青少年の甲状腺がん患者発生率は全国平均の12~50倍とする論文を、従来の推定よりはるかにリスクが高いことを示唆する科学的証拠と位置付けています。津田教授はこのデータから被ばくの影響が大きいと主張しています。県民の健康状態を記録、追跡、原発事故によるリスクをさらに解明する手段を取るよう国、県に要請しています。専門家組織として調査活動を支援する意向も示しています。

患者発生率が高い主因については、大規模な検診によって従来は発見されないがん患者が見つかったとする過剰診断説を取る専門家が国内では多いと言われています。
福島県検討委員会は、2月の中間まとめ案で、被ばくの影響を現段階で完全に否定できないが考えにくいと評価しています。津田教授の論文に対しては国内外から8通の批判が寄せられており、津田教授はそれらへの反論文を公表しています。

同学会、政策委員会で共同議長を務める本田靖、筑波大教授(環境保健学)によると、書簡は政策委員13人で議論、全員が送付に賛成、本田教授は津田教授の論文の正しさに学会として保証を与えるものではないと説明しています。その上で患者発生率が全国平均の10倍を超えるという分析は、過剰診断で説明しきれるが疑問が残ると指摘しています。学会内には、福島県外での甲状腺検査の実施や、がん患者の登録などを求める声があると言われています。

環境省放射線健康管理担当参事官室の担当者・・・
同学会の書簡について参考にするが、書簡が求める継続的な調査などは既に実施している。福島での甲状腺被ばく量はチェルノブイリ原発事故時よりかなり少なく、現時点で影響は考えにくい。
      ―――――――――――――
以下の文は、プログ「土佐のまつりごと」を参考にしています。
岡山大学大学院の津田敏秀教授(環境生命科学研究科)は、2015年10月8日、外国特派員協会で記者会見、福島県では小児甲状腺ガンが、日本全国の平均に比べて最大約50倍の多発になっていると指摘、できるだけ早い行政の対応を求めています。

福島県では現在、原発事故発生当時に18歳以下だった子どもたち約37万人を対象に、超音波による甲状腺検査を実施しています。2011年10月から2013年度にかけて1巡目検査(先行検査)を行い、14年度から2巡目(本格検査)に入っている(一部、1巡目に間に合わなかった人は14年度以降に受診)。

先行検査という名称は、はじめは放射線の影響のない状況を調べる検査という位置付けにしていたため、影響がないの根拠は、チェルノブイリでは事故から4~5年後に甲状腺ガンが増えたからなどとというものでした。
その後の本格検査では、20歳までは2年に一度、それ以降は5年に1度の検診が予定されています。
これまでに1巡目で約30万人、2巡目で約17万人が受診し、1巡目では113人、2巡目では25人が、「悪性ないし悪性疑い」と診断された。そのうち1巡目では113人全員の手術が終わり112人が悪性、2巡目では6人を手術し全員が悪性でした。

津田教授ら岡山大学のグループはこの結果について、疫学で使われる標準的手法を用いて、福島県が発表するデータを解析した論文を作成、専門家による査読を受けた後に国際環境疫学会にアクセプトされ、学会の公式雑誌「EPIDEMIOLOGY」電子版に公開されまし。現在は無料で読むことができます。
Thyroid Cancer Detection by Ultrasound Among Residents Ages 18 Years and Younger in Fukushima, Japan: 2011 to 2014
http://journals.lww.com/epidem/Abstract/publishahead/Thyroid_Cancer_Detection_by_Ultrasound_Among.99115.aspx

論文では2014年12月31日までに公表されたデータ集計、日本全国の年間発生数と比較、何倍の多発になるかを、潜伏期間(有病期間)を含めて補正して分析しています。
その結果、日本全国と比べて最も高い所で約50倍の甲状腺ガンの多発が起こっていることが推定されました(津田教授)
低い所でも約20倍の多発になっていること、最も少ない地域では一人の患者も見つかっていないことも分ったと言われています。

津田教授らの論文より。福島県外との発生率比(IRR)が最大50倍になっていることがわかります。

津田教授は、福島県が開催している県民健康調査検討委員会などで、チェルノブイリでは4年後以後に甲状腺ガンが見つかったとしている点について、(日本での議論で)見落とされているのは(チェルノブイリ原発事故の直後から起こっている)小さな多発。統計学的にも著しい多発になっているが、これを認めないことで福島ではなにも起こっていないという結論になっていると指摘しています。
現状を考えると、この後の増加(チェルノブイリで起きた5年以降の多発)がくることが避けがたい状況になっていると分析したうえで、次のことを強調しています。
それにもかかわらず、日本ではなんの準備もされていません。アナウンスメントも間違って行われています。このままでは(状況が明らかになった時に)住民の不信を招いて行政が機能しない恐れもあります。できるだけ早く言い方を変えて、できるだけ早く対策に結びつけなければならなりません。

津田教授への記者からの質問
福島県には、危ないことはわかっていても住まざるをえない人達もいる。そうした人たちはどうすればいいのかという問いに対して。

たいした対策はとらなくても、詳細な情報を与えるだけで(放射線による)有害な暴露は桁違いに少なくなります。

正しい知識だけでも教えれば、さまざまなきめ細やかな、しかもコストのかからない対策はいくらでも出来ます。

原発事故から5年が経過しました。
原発の位置付けは、極めて高く、国の安全保障と同レベルにあり、原発裁判等々で勝つことは難しいと言われています。今後、裁判等が起きた場合極めて困難な裁判になると思います。

今は、子供達の甲状腺がん等発生後の対応が重要と思います。例え、因果関係がグレーゾーンであっても、早急に目に見えるような対応策が出来ないものか・・・私達は他人事と思わずに、苦しんでいる福島の子供達の現状を知ることは同じ日本人として大切だと思う昨今です。

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