阪口直人の「心にかける橋」

衆議院議員としての政治活動や、専門分野の平和構築活動、また、趣味や日常生活についてもメッセージを発信します。

憎しみの連鎖を断つために、今、何をすべきか-ジャヤワルダナ大統領の言葉から学ぶ

2015年02月08日 18時57分03秒 | 政治

 スリランカ(当時はセイロン)のジャヤワルダナ元大統領(当時は大蔵大臣)は、1951年のサンフランシスコ講和会議において、「憎悪は憎悪によって消え去るものではなく、ただ慈悲によって消え去るものである(hatred ceases not by hatred, but by love)」という仏陀の言葉を引用し、対日賠償請求権を放棄しました。

「戦争は戦争として、終わった。もう過去のことである。我々は仏教徒である。やられたらやり返す、憎しみを憎しみで返すだけでは、いつまでたっても戦争は終わらない。憎しみで返せば、憎しみが日本側に生まれ、新たな憎しみの戦いになって戦争が起きる」

「戦争に対して憎しみとして返すのではなく、優しさ、慈愛で返せば平和になり、戦争が止んで、元の平和になる。戦争は過去の歴史である。もう憎しみは忘れて、慈愛で返していこう。」

 対日賠償請求権の放棄を明らかにするとともに、わが国を国際社会の一員として受け入れるよう訴える歴史的演説を行いました。「日本に今、この段階で平和を与えるべきではない」「日本は南北に分割して統治すべき」など、さまざまな対日強硬論が中心であった中、上記のブッダの言葉を引用し訴えました。この演説が、多くのアジアの国々を動かし、他国が対日賠償要求を放棄するきっかけを作りました。ドイツが東西に分割されたことなどを考えるとジャヤワルダナ大統領は私たち日本人にとっての恩人と言えるでしょう。ほとんど知られていませんが…。

 昨年9月、スリランカ仏教において大きな役割を果たしたダルマパーラ師の生誕150周年記念式典に招かれ、アントニオ猪木議員、清水貴之議員とともに参加しました。スリランカ最大のテレビ局(マハラジャ・グループ)の会長にスタジオに招いて頂いたので、日本人としてスリランカの方々に改めてお礼を申し上げたいとお願いしたところ会長の鶴の一声で私のメッセージが放送されることになりました。その日はちょうど中国の周近平主席がスリランカを訪問し首脳会談をした当日。現地のニュースはその話題でいっぱいでしたが、ゴールデンタイムのニュースの中で放送して頂き、冒頭のジャヤワルダナ大統領の言葉を引用して、アジア的価値観、仏教的価値観に基づいた紛争解決の新しい手法について提案することができました。

 スリランカは反政府武装勢力「タミルイーラム解放のトラ(LTTE)」と政府軍の長年の内戦が終結し、今、国土の復興や民族の和解に取り組んでいる最中です。武装勢力を徹底的に壊滅させることで内戦は終結しましたが、その代償は大きく、憎しみの負の連鎖が解けない状況が続いていると言われます。その時は激しい戦闘の舞台になった北東部のトリンコマリーを訪問。日本のNGO「ピースウインズ・ジャパン」の活動をフィールド視察して、和解に向けての民族を超えた共同作業の実態も見ることができたので、人道援助として、このような取り組みを日本としてサポートすることも提案しました。
 
 さて、『イスラム国』による日本人人質殺害、そして、いつの間にか有志連合の一員になったことは、日本にとって大きな転換点だと思います。

 イスラム国は有志連合を『十字軍』と称していますが、アラブ世界において、これまでは紛争に直接的に関与してこなかった日本が得てきた信頼には大きな価値があると思います。紛争下における人道支援、紛争解決のための仲介努力、そして紛争が再発しないように公平な統治の枠組みを作るための法整備支援や、和解と相互理解の促進。これらの平和構築を行った上でインフラ整備などの復興支援に中心的な役割を担えば、大きな尊敬と信頼を得られることになるでしょうし、長期的に日本の国益にも貢献します。

 しかし、空爆によって民間人を殺戮することに加担すれば、日本は憎しみの連鎖の当事者になり、そのツケは、日本国内のテロや、海外にいる日本人への更なる攻撃へとつながることを危惧します。『テロには屈しない』のは当然のこと。その上で日本の価値、役割を最大化する方法は何か、私たちが行うべきは政権が行うことを盲目的に受け入れることではなく、国民の英知を結集して平和国家としての役割を果たすことだと思います。

 hatred ceases not by hatred, but by love 今こそ、ジャヤワルダネ大統領のこの言葉を噛み締め、形にすべき時だと思います。



アントニオ猪木議員とマハラジャ・グループのテレビ局のスタジオで。飛び入り出演だったので、上着やネクタイは車に置いたままでした。


ダルマパーラ師生誕150年記念式典でスリランカ政府首脳と


マハラジャ・グループの会長室で日本の平和貢献の在り方について熱く語る


北東部の町、トリンコマリー郊外でピースウインズ・ジャパンの平和構築事業を視察


虐殺の対象になった地域の住民に正義の回復と和解を実現する上での事業の在り方についてヒアリングをしました


ピースウインズ・ジャパンのスタッフの方々と
コメント   この記事についてブログを書く
« 究極の局面でのメッセージの... | トップ | 和歌山2区支部長として再任... »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

政治」カテゴリの最新記事