lizardbrain

だらだらぼちぼち

配信ライヴやってみた

2020年07月11日 15時55分08秒 | 音楽

やってみたと言ってももちろん、配信する方ではなくて観る方の話。

どうしようもなく狂おしいライヴ禁断症状に襲われていたところ、7月4日のブルーノート東京での寺井尚子カルテットのライヴが配信される事をキャッチしたのでトライしてみた。

寺井尚子に限らずホールやライヴハウスでのライヴは何度も経験しているが、有料の配信ライヴというのは初めての事で、事前の心配事はたくさんあった。

なかでも一番心配だったのが、ライヴ当日に何らかの原因でこちらのPC機材やネット通信環境に支障が生じた場合。

チケット料金(ネット上で視聴権を購入する仕組みなので紙チケットは発見されないが)は前払いしているので、例えば突然に自宅が停電に見舞われたとしても、払い戻しなどの補償は一切ない事は覚悟しなくてはならない。

ここんところあちこちでやたら大量の雨が降っている折も折、実際にワタクシんちでも視聴前日には雷雨による停電(短い時間だったが)があったので、いつまたそんな事態が起きるかという心配はつきまとう。

さらに、天候にはかかわらず、よりによってこんな時に限ってこちらのPC周辺機材が不調に陥る可能性も全く無いわけではないので、視聴できないという事態が起きてしまうと大変なのだ。

ただ、配信当日はリアルタイムのライヴ中継だが1週間先までは何度でも再生視聴ができるらシステムになっているので、アクシデントが起きてもなんとかカバーできるかも知れない、と判断してe+のサイトで支払い手続きを完了。

新しいアルバムは既に購入済みなのだがうかつにもまだ聴いていなくて、いやかえってその方が新鮮かも知れないとアルバムを聴かないままで配信ライヴを視聴する事にした。

申し込み直後と配信前日に案内メールが届いて、いよいよ当日、指定のサイトにログインした上で開演を待つ。

 

定刻20:00だが、なかなかライヴが始まらないのでちゃんとログインできているのだろうかと心配しだした頃合いを図っていたかのように、8分ほど遅れてブルーノート東京の階段を下りていく画像に続いてステージの画面が表示され、拍手に迎えられながら寺井尚子カルテットが登場して演奏が始まった。

会場側がいつも使っている機材やスタッフなのかはわからないが、TV収録には慣れているであろうブルーノート東京である、

ステージ正面だけではなく、時にはバイオリニストやピアニストの真上から、あるいはベーシストの足元から見上げるアングルを切り替えながら細かいカメラワークを駆使して、NHKやWOWOWの収録に劣らないクオリティで、ステージ上に設置したカメラはリモート操作らしくカメラマンの姿が写っていないので、画像に不満を感じる事はない。

画面で観た限り、正面付近の客席テーブル席は半分くらいの入場に抑えているようで、全体的に観客の人数はまばらに映る。

これをやられると一番辛いなあと思っていたのだが、ステージ上での飛沫感染防止の透明シートは使っていなかったので、少なめな観客数以外には違和感は感じない。

画面に集中しながら、アンコール2曲目のセント・トーマスが終わったら21:11頃。

なんだもう終わってしまったのか、と思ったが、ホールライヴではなくてブルーノート東京なのでこれが標準だろう。

終わってミュージシャン達が最前列に並んでご挨拶するシーンも、手をつないだり肩を組んだりしないで距離を置いてのソーシャルディスタンス。

リアルタイムの配信時には画面表示された視聴者数は刻一刻と変動していたが、83~168人。

実際のブルーノート東京での料金は¥7,800で、配信チケット料金は¥3,000。

 

金銭的には配信の方が負担が少ないが、ライヴというのはそれだけではないのだ。

日帰りできない場所ならばライヴ会場の近くのホテルを探してみたり、交通経路や行ったついでに立ち寄りたいビューポイントやミュージアムや映画館やブックオフの有無などを調べてみたり、場合によっては、ついでに立ち寄りたいポイントを先に決めてから会場を選ぶ事もある。

さらに当日、開演前にはおにぎりやパンで軽めに入れとくか、がっつり晩飯を食ってしまうかの決断を迫られるし、

ホールに入場してからグッズコーナーを冷やかしてみたり、

入り口で渡されたチラシ・パンフ類を斜め読みしてみたり、

隣の席のオジサンがリラックスのあまりに靴を脱いだらそこから悪臭が立ち込めてのたうち回ったり、

はたまた近くの席の女性客の自慢の香水が強すぎて頭が痛くなってきたり、、、、、、、、、

実地でのライヴでは、これから起きる事をうっすらイメージしたり頭の中を空っぽにしたりの状態で開演を待つこの時間が一番楽しみだが、家で鑑賞していると少々寛ぎすぎてしまう感がある。

いつもミラーレスで撮っている会場ホールの外観や内部の写真や、紙チケットや会場で配布されたチラシ類が、こういった配信だとそれらが手元に残らないという他人には理解してもらえないだろう残念感もある。

視聴期限が切れる今日、もう一度この配信ライヴ動画を復習しながら、これもありかもという気にはなった。

 

ただ、配信ライヴのシステムは会場毎に方法論が違うはずなので、満足できるかどうかはその場の勝負になるだろう。

 


コメントを投稿