2019年参院選(2)―「れいわ新選組」の衝撃―
今回の参院選でもっとも注目を浴びたのは、「れいわ新選組」の大躍進ではないでしょうか。
「れいわ」は、発足後、わずか3か月あまりで2人の国会議員を出し、政党要件である、比
例区での得票率2%をはるかに超える4・55%を獲得したのです。
そして日本では珍しい現象ですが、政党にもなっていない山本太郎氏(44才)率いる「れ
いわ新選組」(以下、「れいわ」と略記する)に、最終的には4億円を越す寄付が集まった
ことも、特筆すべきことです。
山本氏自身は比例区で落選しましたが、「特定枠」で重度の身体障がいをもつ舩後康彦氏と
木村英子氏の二人を当然させました。
「特定枠」とは、政党が比例区で優先順位を決めて得票数のいかんにかかわらず議席を与え
る、という今回初めて適用された制度です。
これは、そもそも自民党が合区によって議員定数を減らされた選挙区の定員分をこのような
形で議員を確保する目的で作った制度でしたが、皮肉にも、それを山本氏は逆手に取って、
まずは身障者2人に優先権を与えて当選させたのです。
「れいわ」が比例で228万票とったので、名簿上の上位2名の当選を勝ち取ったのです。
「れいわ」の驚くべき躍進は、山本太郎という傑出した演説家のパフォーマンスと、物事を
分かり易い言葉で熱を込めて言い切る明瞭さに負うところが大きいと思います。
彼のいくつかの演説はyoutubeで「山本太郎 演説」と検索すれば聞くことができます。例え
ば、“伝説の演説”ともなった、5月5日の小倉駅での演説では、“日本は壊れていくしかな
いんですよ。もう壊れているじゃないですか。”もう私たちは食い物にされているんです。
こうした状況に本気で怒っているんです。それを変えるために本気なんです“、と心からの
叫びを熱っぽく語りかけます(注1)。
彼は「本気である」ことを強調します。議員を一つの職業と考え、その地位を守ることが最
大の目標となった候補者の演説と比べると、その差はあまりにも明らかです。
もし、あなたが苦しんでいるとしたら、それはあなたのせいではなく、政治の構造の問題な
んです、という指摘も聴衆の気持ちをつかむ言葉です。
そして、毎年2万人以上の自殺者が出ている日本の現状に触れて、“死にたくなるような世
の中を、生きていたい世の中に変えましょう” と胸に刺さる言葉で訴えます。
そして最後に、「れいわ」が考える目的を達成するために“力を貸して下さい”と繰り返し
お願いします。
これは“あなたの清き1票を私に・・”といった古い言い回しとは説得力が違います。
山本氏の演説が説得力もって共感をもって受け入れられたことは、比例区で山本氏は個人で
比例最高得票の99万票もとっていることかも分かります。
上記の演説の動画には多くの人からコメントが寄せられています。今まで政治の演説で泣い
たことはなかったが、山本太郎の演説で泣いた、というコメントがありますが、こうした聴
衆はかなり多かったのではないでしょうか。
従来の選挙演説で、これほど熱っぽく、心からの言葉で政治を語った人があまりいなかった
ため、人びとの心に刺さったのだと思います。
『朝日新聞 デジタル版』の編集委員は、「こころからの言葉だから刺さった」というタイ
トルで、「街頭演説を何度か聞いて驚かされたのは、山本代表以外のほぼ無名の候補者たち
が発する言葉の強さだった、と記しています。
たとえば木村英子氏は「障害があるというだけで子供を分けていいはずがありません。もう
私のような子供たちを増やしたくないんです」。決して絶叫するわけではなく、静かな語り
口で語る言葉に、涙ながらに拍手する人がいたという。
さらに、次のような聴衆の声を書き止めています。
元コンビニオーナーは、「強い者が弱い者をいじめる。コンビニはそういう世界。
もういい加減、強い者が人間を部品のように扱うのはやめてくれ」。元派遣労働者
のシングルマザーは、「若者が政治に無関心なんて絶対にウソ。政治が若者を、貧
乏人を排除している。だったら、こっちは手作りの政治をつくるしかない」。
れいわの候補者はみな、自分の生活に根ざした「言いたいこと」を持っていた。そ
れが聴衆の心に刺さった。演説後に何人もが寄付の受付に列をなし、財布から千円
札を取り出した光景がそれを物語る(注2)。
以上の他にも「れいわ」躍進の理由についてはさまざまな立場から見解が寄せられています。
たとえば、映画監督の想田和弘氏は、「政治に痛みつけられている人たちに希望を与えたこ
と」(『朝日新聞』2019年8月2日)と述べていますが、私も同感です。
ここで彼は、「政治に痛みつけられている人たち」の中身について具体的に述べてはいませ
んが、おそらく、非正規雇用で収入も上がらず貧困に甘んじている人、懸命に働きながらも
一向に生活の向上が実現できない人たち、半分以上が貧困となっている母子家庭、性的マイ
ノリティー、よりよい生活を求めて大学や大学院を修了したけれども多額の借金を負って社
会に出てゆく人たち(つまりマイナスからの出発)などなど、要するに現在の日本で見向き
もされず、貧困や困難にあえいでいると感じている人たちを想定しているものと思われます。
同様のコメントは、前新潟県知事の米山隆一氏も寄せえいます。
左派ポピュュリズムど真ん中の政策・理念が、現在の政治で報われていない層の心
をつかみ、そこに恐縮ながら「負け組ルサンチマン」と、山本太郎氏自身の演説能
力・カリスマ性が加わって、各地の演説現場で見られた「熱狂」を生み出したから
だと思われます。(注3)
「負け組ルサンチマン」とは、「今の日本には、一部の富裕層やITや金融でとんでもない富
を築いているごく少数の「勝ち組」がいる。自分は何も悪いことしていないし、一生懸命頑
張っているのに、なぜ報われず、将来の明るい展望も開けないのか」といいう「怨念、憎悪、
恨み」の感情です。
山本氏は、自腹で全国遊説する一方、演説を youtube のような動画投稿サイトに上げたり、
インターネットのSNSを通じて訴えるなどの選挙戦を展開しました。
山本太郎という人物の個人的な資質、とりわけ演説の能力が今回の選挙で大きな力を発した
ことは間違いありません。
それと同時に私は。この党の選挙公約(マニフェスト)であり、今後追及してゆく党是でも
ある目標に注目したいと思います。これらは、メディアでもあまり取り上げられませんが、
私はとても重要だと思います。
くわしくは、「れいわ新選組」のホームページ(注4)を見ていただきたいのですが、主な
ものをいくつか挙げておくと
消費税は廃止、奨学金チャラ、全国一律!最低賃金1500円「政府が補償」、一次産
業個別補償、真の独立国家を目指す(地位協定の改訂)、原発即時禁止)、障がい
者への配慮、障がい福祉と介護保険統合路線の見直し・・・
これらのうち、今回の選挙でもっとも強調し、かつ多くの支持を得たのは消費税廃止の主張
ではないでしょうか。他の党が消費税値上げ凍結や、軽減税率の適用(飲食物は8%)など
を訴えましたが、山本氏は明快に「廃止」を主張しています。
一見、経済実態を無視したような主張ですが、彼によれば、消費税の値上げは確実に消費を
減らし、それが景気を一層悪くするというのです。
逆に、廃止によって消費は増え、経済は活性化し、企業利益も国民の所得も増え、結果税収
も増える、というのが彼の主張です。
消費税廃止の他にも、重要な項目が目白押しです。以上のマニフェスト項目の中で、私が特
に注目したのは、「真の独立国家を目指す(地位協定の改訂)」、『「トンデモ法」一括見
直し・廃止』です。
これまでの選挙向けのマニフェストであれ、党の公式見解であれ、「真の独立国家を目指す」
という見解を示した政党はありません。
この言葉の裏を返せば、日本はいまだに「真の独立国になっていない」、平たく言えば「属
国」であり、それが露骨に現れているのが日米地位協定(在日米軍の治外法権的な権利を認
めたもの)である、と言っているのです。
かつて、これほど明確に、日本は「真の独立国ではない」ことを前面に出した政党はあった
でしょうか?
つぎは『「トンデモ法」一括見直し・廃止』で、安倍政権下で行われた部政権下で行われた
法改正で、これにはTPP協定、PFI法、水道法、カジノ法、漁業法、入管法、種子法(廃止)、
特定秘密保護法、国家戦略特別区域法、所得税法等の一部を改正する法律、派遣法、安全保
障関連法、刑訴法、テロ等準備罪などが含まれます。
とりわけ安全保障関連法、テロ等準備罪(共謀罪)、特定秘密保護法などは、国民を二分す
る大問題です。
「トンデモ法」の中の、水道法、漁業法、種子法廃止は農水漁業(食料)と水の供給を自由
化(海外の企業含めた企業の自由競争に任せる)という法律で、これらに注目した政党は他
にありません。このあたりに、山本氏の政治的センスがはっきりと表れています。
つまり、山本氏は、安倍政権下で行われた法律改訂と新設の主要部分のほとんど全部を否定
し廃止するとしているのです。
これまでの記述は山本太郎という人物に焦点を当て過ぎたかもしれません。最後に、選挙の
結果で二人の重度身障者が国会議員となったことの意味と衝撃について触れておきましょう。
8月1日に開かれた参議院の臨時国会に、舩後氏と木村氏に登院しました。当日のテレビニュ
ースでは、国会の建物構造を、大型の車いすで登院し、議場では移動できるよう改造したり、
車いすに組み込まれた電気器具が使えるよう急遽電源を設置したり、と大わらわでした。
一般社会では、さまざまな障がいをもつ人が存在していることが当たり前なのに、国会の場
では、このような重度の身体障がいを持つ議員の存在を全く想定してきませんでした。
そこに、突然、この重度の身障者二人が国会の場に登場し、その姿に、口には出さないけれ
ど多くの議員は“衝撃”と“とまどい”を感じたのではないでしょうか?
この二人が国会議員となったことは、改めて国会議員や国民に、障がい者の問題を考える機
会を与えたわけで、「れいわ新選組」が特別枠の優先順の一番と二番にこの二人をおいたこ
とには大きな意義があったといえます。
私は、山本太郎氏の主張に全面的に賛成というわけではありません。たとえば、彼が今こそ
財政出動を大胆に行って景気の回復を図る必要があるとの提案には少し疑問をもっています。
それでも、今回「れいわ新選組」が登場したことにより、政治に緊張感をもたらし、安倍一
強といわれる政治の閉塞状況に風穴を開けたという意味で、大きな意味があったことは間違
いありません。
問題は、これが一時のブームで終わるのか、さらに勢力を増して、政治の変革への一歩とな
ってゆくのか、注視してゆきたいと思います。
(注1)https://www.youtube.com/watch?v=V6jbn9Ye670
(注2)『Web論座』(2019年07月24日)
https://webronza.asahi.com/politics/articles/2019072300006.html?page=1
(注3)『朝日新聞 デジタル版』(2019年7月31日05時00分)
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14120713.html?rm=150
(注4) https://v.reiwa-shinsengumi.com/policy/
今回の参院選でもっとも注目を浴びたのは、「れいわ新選組」の大躍進ではないでしょうか。
「れいわ」は、発足後、わずか3か月あまりで2人の国会議員を出し、政党要件である、比
例区での得票率2%をはるかに超える4・55%を獲得したのです。
そして日本では珍しい現象ですが、政党にもなっていない山本太郎氏(44才)率いる「れ
いわ新選組」(以下、「れいわ」と略記する)に、最終的には4億円を越す寄付が集まった
ことも、特筆すべきことです。
山本氏自身は比例区で落選しましたが、「特定枠」で重度の身体障がいをもつ舩後康彦氏と
木村英子氏の二人を当然させました。
「特定枠」とは、政党が比例区で優先順位を決めて得票数のいかんにかかわらず議席を与え
る、という今回初めて適用された制度です。
これは、そもそも自民党が合区によって議員定数を減らされた選挙区の定員分をこのような
形で議員を確保する目的で作った制度でしたが、皮肉にも、それを山本氏は逆手に取って、
まずは身障者2人に優先権を与えて当選させたのです。
「れいわ」が比例で228万票とったので、名簿上の上位2名の当選を勝ち取ったのです。
「れいわ」の驚くべき躍進は、山本太郎という傑出した演説家のパフォーマンスと、物事を
分かり易い言葉で熱を込めて言い切る明瞭さに負うところが大きいと思います。
彼のいくつかの演説はyoutubeで「山本太郎 演説」と検索すれば聞くことができます。例え
ば、“伝説の演説”ともなった、5月5日の小倉駅での演説では、“日本は壊れていくしかな
いんですよ。もう壊れているじゃないですか。”もう私たちは食い物にされているんです。
こうした状況に本気で怒っているんです。それを変えるために本気なんです“、と心からの
叫びを熱っぽく語りかけます(注1)。
彼は「本気である」ことを強調します。議員を一つの職業と考え、その地位を守ることが最
大の目標となった候補者の演説と比べると、その差はあまりにも明らかです。
もし、あなたが苦しんでいるとしたら、それはあなたのせいではなく、政治の構造の問題な
んです、という指摘も聴衆の気持ちをつかむ言葉です。
そして、毎年2万人以上の自殺者が出ている日本の現状に触れて、“死にたくなるような世
の中を、生きていたい世の中に変えましょう” と胸に刺さる言葉で訴えます。
そして最後に、「れいわ」が考える目的を達成するために“力を貸して下さい”と繰り返し
お願いします。
これは“あなたの清き1票を私に・・”といった古い言い回しとは説得力が違います。
山本氏の演説が説得力もって共感をもって受け入れられたことは、比例区で山本氏は個人で
比例最高得票の99万票もとっていることかも分かります。
上記の演説の動画には多くの人からコメントが寄せられています。今まで政治の演説で泣い
たことはなかったが、山本太郎の演説で泣いた、というコメントがありますが、こうした聴
衆はかなり多かったのではないでしょうか。
従来の選挙演説で、これほど熱っぽく、心からの言葉で政治を語った人があまりいなかった
ため、人びとの心に刺さったのだと思います。
『朝日新聞 デジタル版』の編集委員は、「こころからの言葉だから刺さった」というタイ
トルで、「街頭演説を何度か聞いて驚かされたのは、山本代表以外のほぼ無名の候補者たち
が発する言葉の強さだった、と記しています。
たとえば木村英子氏は「障害があるというだけで子供を分けていいはずがありません。もう
私のような子供たちを増やしたくないんです」。決して絶叫するわけではなく、静かな語り
口で語る言葉に、涙ながらに拍手する人がいたという。
さらに、次のような聴衆の声を書き止めています。
元コンビニオーナーは、「強い者が弱い者をいじめる。コンビニはそういう世界。
もういい加減、強い者が人間を部品のように扱うのはやめてくれ」。元派遣労働者
のシングルマザーは、「若者が政治に無関心なんて絶対にウソ。政治が若者を、貧
乏人を排除している。だったら、こっちは手作りの政治をつくるしかない」。
れいわの候補者はみな、自分の生活に根ざした「言いたいこと」を持っていた。そ
れが聴衆の心に刺さった。演説後に何人もが寄付の受付に列をなし、財布から千円
札を取り出した光景がそれを物語る(注2)。
以上の他にも「れいわ」躍進の理由についてはさまざまな立場から見解が寄せられています。
たとえば、映画監督の想田和弘氏は、「政治に痛みつけられている人たちに希望を与えたこ
と」(『朝日新聞』2019年8月2日)と述べていますが、私も同感です。
ここで彼は、「政治に痛みつけられている人たち」の中身について具体的に述べてはいませ
んが、おそらく、非正規雇用で収入も上がらず貧困に甘んじている人、懸命に働きながらも
一向に生活の向上が実現できない人たち、半分以上が貧困となっている母子家庭、性的マイ
ノリティー、よりよい生活を求めて大学や大学院を修了したけれども多額の借金を負って社
会に出てゆく人たち(つまりマイナスからの出発)などなど、要するに現在の日本で見向き
もされず、貧困や困難にあえいでいると感じている人たちを想定しているものと思われます。
同様のコメントは、前新潟県知事の米山隆一氏も寄せえいます。
左派ポピュュリズムど真ん中の政策・理念が、現在の政治で報われていない層の心
をつかみ、そこに恐縮ながら「負け組ルサンチマン」と、山本太郎氏自身の演説能
力・カリスマ性が加わって、各地の演説現場で見られた「熱狂」を生み出したから
だと思われます。(注3)
「負け組ルサンチマン」とは、「今の日本には、一部の富裕層やITや金融でとんでもない富
を築いているごく少数の「勝ち組」がいる。自分は何も悪いことしていないし、一生懸命頑
張っているのに、なぜ報われず、将来の明るい展望も開けないのか」といいう「怨念、憎悪、
恨み」の感情です。
山本氏は、自腹で全国遊説する一方、演説を youtube のような動画投稿サイトに上げたり、
インターネットのSNSを通じて訴えるなどの選挙戦を展開しました。
山本太郎という人物の個人的な資質、とりわけ演説の能力が今回の選挙で大きな力を発した
ことは間違いありません。
それと同時に私は。この党の選挙公約(マニフェスト)であり、今後追及してゆく党是でも
ある目標に注目したいと思います。これらは、メディアでもあまり取り上げられませんが、
私はとても重要だと思います。
くわしくは、「れいわ新選組」のホームページ(注4)を見ていただきたいのですが、主な
ものをいくつか挙げておくと
消費税は廃止、奨学金チャラ、全国一律!最低賃金1500円「政府が補償」、一次産
業個別補償、真の独立国家を目指す(地位協定の改訂)、原発即時禁止)、障がい
者への配慮、障がい福祉と介護保険統合路線の見直し・・・
これらのうち、今回の選挙でもっとも強調し、かつ多くの支持を得たのは消費税廃止の主張
ではないでしょうか。他の党が消費税値上げ凍結や、軽減税率の適用(飲食物は8%)など
を訴えましたが、山本氏は明快に「廃止」を主張しています。
一見、経済実態を無視したような主張ですが、彼によれば、消費税の値上げは確実に消費を
減らし、それが景気を一層悪くするというのです。
逆に、廃止によって消費は増え、経済は活性化し、企業利益も国民の所得も増え、結果税収
も増える、というのが彼の主張です。
消費税廃止の他にも、重要な項目が目白押しです。以上のマニフェスト項目の中で、私が特
に注目したのは、「真の独立国家を目指す(地位協定の改訂)」、『「トンデモ法」一括見
直し・廃止』です。
これまでの選挙向けのマニフェストであれ、党の公式見解であれ、「真の独立国家を目指す」
という見解を示した政党はありません。
この言葉の裏を返せば、日本はいまだに「真の独立国になっていない」、平たく言えば「属
国」であり、それが露骨に現れているのが日米地位協定(在日米軍の治外法権的な権利を認
めたもの)である、と言っているのです。
かつて、これほど明確に、日本は「真の独立国ではない」ことを前面に出した政党はあった
でしょうか?
つぎは『「トンデモ法」一括見直し・廃止』で、安倍政権下で行われた部政権下で行われた
法改正で、これにはTPP協定、PFI法、水道法、カジノ法、漁業法、入管法、種子法(廃止)、
特定秘密保護法、国家戦略特別区域法、所得税法等の一部を改正する法律、派遣法、安全保
障関連法、刑訴法、テロ等準備罪などが含まれます。
とりわけ安全保障関連法、テロ等準備罪(共謀罪)、特定秘密保護法などは、国民を二分す
る大問題です。
「トンデモ法」の中の、水道法、漁業法、種子法廃止は農水漁業(食料)と水の供給を自由
化(海外の企業含めた企業の自由競争に任せる)という法律で、これらに注目した政党は他
にありません。このあたりに、山本氏の政治的センスがはっきりと表れています。
つまり、山本氏は、安倍政権下で行われた法律改訂と新設の主要部分のほとんど全部を否定
し廃止するとしているのです。
これまでの記述は山本太郎という人物に焦点を当て過ぎたかもしれません。最後に、選挙の
結果で二人の重度身障者が国会議員となったことの意味と衝撃について触れておきましょう。
8月1日に開かれた参議院の臨時国会に、舩後氏と木村氏に登院しました。当日のテレビニュ
ースでは、国会の建物構造を、大型の車いすで登院し、議場では移動できるよう改造したり、
車いすに組み込まれた電気器具が使えるよう急遽電源を設置したり、と大わらわでした。
一般社会では、さまざまな障がいをもつ人が存在していることが当たり前なのに、国会の場
では、このような重度の身体障がいを持つ議員の存在を全く想定してきませんでした。
そこに、突然、この重度の身障者二人が国会の場に登場し、その姿に、口には出さないけれ
ど多くの議員は“衝撃”と“とまどい”を感じたのではないでしょうか?
この二人が国会議員となったことは、改めて国会議員や国民に、障がい者の問題を考える機
会を与えたわけで、「れいわ新選組」が特別枠の優先順の一番と二番にこの二人をおいたこ
とには大きな意義があったといえます。
私は、山本太郎氏の主張に全面的に賛成というわけではありません。たとえば、彼が今こそ
財政出動を大胆に行って景気の回復を図る必要があるとの提案には少し疑問をもっています。
それでも、今回「れいわ新選組」が登場したことにより、政治に緊張感をもたらし、安倍一
強といわれる政治の閉塞状況に風穴を開けたという意味で、大きな意味があったことは間違
いありません。
問題は、これが一時のブームで終わるのか、さらに勢力を増して、政治の変革への一歩とな
ってゆくのか、注視してゆきたいと思います。
(注1)https://www.youtube.com/watch?v=V6jbn9Ye670
(注2)『Web論座』(2019年07月24日)
https://webronza.asahi.com/politics/articles/2019072300006.html?page=1
(注3)『朝日新聞 デジタル版』(2019年7月31日05時00分)
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14120713.html?rm=150
(注4) https://v.reiwa-shinsengumi.com/policy/







