［東京 ８日 ロイター］ グリー＜3632.T＞の田中良和社長は８日の記者会見で、交流サイト（ＳＮＳ）ゲームの中の「コンプリート（コンプ）ガチャ」と呼ばれるシステムが景品表示法に抵触する可能性があるとの見解を消費者庁が示していることについて「現在、消費者庁はじめ関係団体と連絡しているところだが、何らかの指摘や意見が仮にあれば真摯に対応したい」と述べた。
コンプガチャとは、「ガチャ」と呼ばれるゲーム内のくじ引きシステムで購入できるアイテムを複数そろえる（コンプリート）ことで希少なアイテムを獲得できる仕組み。同社の主要ゲーム「探検ドリランド」などで採用されている。コンプリートするためにはかなりのガチャを行わなければならず、相当な金額が必要になるとの指摘もある。
消費者庁の片桐一幸・表示対策課長はロイターの取材に対し「コンプガチャについては景品表示法で禁止されている手法にあたるのではないかということで考え方を明らかにする方向で検討している」と述べた。景表法では、射幸心をあおるとして複数の異なる絵柄を集める見返りに懸賞を提供する手法（カード合わせ）を禁じている。今後、同庁としての法解釈は「どのように明らかにするかは決めていないが、一般的にはプレスリリースや定例会見などで文書を配るなどの方法が考えられる」（片桐課長）としている。
田中社長とともに同日の会見に同席した山岸広太郎副社長は「射幸心をあおることを目的にはしていない。世の中の意見に耳を傾けて、どうしたらいいか検討したい」と述べた。ただ、同社としてガチャの違法性ついての認識は「消費者庁と連絡しているところなので、法的見解のコメントは控える」とした。
また同じ会見で、財務を担当する島竜太郎コーポレート本部長は、コンプガチャを停止した場合の業績への影響について「個別のデータは開示していない」としたが「仮にコンプガチャが完全に禁止になった場合でもビジネスの根幹が揺らぐものではない」と語った。一方で「コンプガチャ以外のサービスを提供していくことで売上を上げて行くことが必要」とも述べた。
＜３月末会員数は世界で２．３億人＞
同日発表したグリーの１１年７―１２年３月期の連結業績は、売上高が前年比２．７倍の１１８１億円、営業利益が同２．９倍の６３７億円、当期純利益が同２．８倍の３５６億円だった。３月末の会員数は２億３４８１万人（うち日本の会員数は１２．９％）で昨年１２月末の１億８９２０万人（同１５．３％）から増加。
昨年３月末の会員数は２５０６万人だったが、昨年４月に米ＳＮＳゲームの「オープンフェイント」を買収して急拡大した。５月中にオープンフェイントとプラットフォームを統合し「ＧＲＥＥ」の国際展開を加速する計画。
１２年６月期の連結業績予想は売上高が１６００―１７００億円（前年同期は６４１億円）、営業利益は８００―９００億円（同３１１億円）、当期純利益は４４０―５００億円（同１８２億円）。トムソン・ロイター・エスティメーツによる主要アナリスト１７人の営業利益予想の平均は８８３億円。今期も自社や他の制作会社のソーシャルゲームを複数本投入してさらなる会員数の拡大を図っていく。今月２日には米ゲーム制作会社「Ｆｕｎｚｉｏ（ファンジオ）」を買収してゲーム開発力を強化している。
ソーシャルゲームの健全化の対策としては、３月に田中社長を委員長とする社内の利用環境向上委員会の設置に続き、未成年者の利用制限のほか、規約で禁止しているネットオークション等での希少アイテムの販売（リアル・マネー・トレード＝ＲＭＴ）の抑止を強化した。４月には外部の有識者のアドバイザリーボードを設置。また、グリーのほか、ディー・エヌ・エー＜2432.T＞、サイバーエージェント＜4751.T＞、ミクシィ＜2121.T＞など６社で３月に設立した連絡協議会ではガイドラインを５月末をめどに発表する予定。
◇ア・リーグ マリナーズ３―２タイガース（２０１２年５月７日 シアトル）
マリナーズのイチローは７日、シアトルで行われたタイガース戦に「３番・右翼」で出場し、３打数１安打だった。内容は右中間二塁打、遊直、二飛、四球で打率は２割９分８厘。川崎は９回途中に代走で出場したが、打席には立たなかった。チームは３―２でサヨナラ勝ちした。
マリナーズは９回に２点差をひっくり返してサヨナラ勝ち。９回に代走で出場した川崎が、１死三塁から右中間への浅い飛球で捕手のタッチをかいくぐってホームインした。
川崎は「体に任せただけ」と多くを語ろうとしなかったが、イチローは「経験とセンスが融合したプレーという感じ。すごいプレー、スーパープレーですよ」と鮮やかな走塁を絶賛。捕手の左右どちら側から本塁を突くかは判断に迷うことがあるというが、イチローは「最終的にどちらかで（川崎は）正しい方向を選んだ」と話した。
セ・パ両リーグは９日の予告先発投手を８日に発表した。オリックスは６年ぶりの日本復帰となった井川が初先発。２軍戦では３試合に登板し、１勝１敗、防御率３・２１の成績を残している。
広島は昨年故障で登板のなかった齊藤悠葵が２年ぶりに先発する。
巨人・ホールトン－ＤｅＮＡ・ジオ（１８時、東京ドーム）
中日・中田賢－ヤクルト・村中（１８時、岐阜）
広島・齊藤－阪神・スタンリッジ（１８時、新潟）
楽天・川井－西武・岸（１８時、Ｋスタ宮城）
ロッテ・渡辺俊－日本ハム・ウルフ（１８時１５分、ＱＶＣマリン）
オリックス・井川－ソフトバンク大隣（１８時、ほっともっと）