第９話 カルマについての体験

 

 

 

 テレビなどで報道されるように　昨今の出来事を見ますと　

親が虐待によって子供を殺したり　老齢者が運転する車が歩行者を殺傷したり　「むしゃくしゃしていた」加害者が「誰でもよかった」と人を傷つけたりすることが次々に起こっています。

なぜこのような痛ましい出来ごとが起きるのでしょうか？

私の理解ではこのような人間の生命を奪うような出来事は　すべてカルマによって起きたことのようです。

過去の人生のどこかで　他人の生命を奪うような体験をした場合　今度は立場を逆にして　加害者と被害者が入れ替わり　似たようなことを体験するというものです。

今回初めてそのようなことになった場合は　未来の人生で　立場を逆にして清算するのです。

それは罰としてそのようにするのではないのです。出来事の底流にはもっともっと深い愛があるようです。

 ただここですべてを体験するという意味で　そのためにも一人一人の人間がたくさんの人生を経験していくのです。

 

カルマのことを理解しやすくするために　私が以前どこかで読んで覚えているお話をしたいと思います。

ある男が母親から腎臓移植を受けることになりました。

その人は催眠治療を受けていましたが　あるときその中である事情が明らかになったのです。

その人は昔過去生の一つで海賊でした。母親もその時は男性で同じ海賊仲間でした。二人は船の中で喧嘩をし　現在母親である相手にピストルで撃たれ腎臓が破壊されてしまったのです。今生ではその相手が母親になっていて自分の腎臓を提供しようとしていたことが分かったのでした。

 この世に起こっていることは　このように魂レベルで見ると　外側からは見えない沢山の裏側の事情があるようです。

かといって私たち人間は　いたずらに心配したり裁いたりするのではなく　この人生を淡々と進み　許すことと愛することを学んでいく。それが生きるということのようです。

（第９話終わり）