ヨーロッパ一周編：6日目 スペイン到着

●1989年7月17日（月）
　親にほんのちょっとでも電話をかけて無事を知らせようかと考えてはいるが、なかなか思うようにはいかない。約7時間の時差があるため、ようやく落ち着いたころには日本は真夜中だったりするのだ。
　ハガキも郵便局が閉まっていたり、タバコ屋を見逃したりでまだ出せないでいる。

　今、スペインはバルセロナ、サグラダファミリア近くの公園にいる。この街は車の騒音がすごい。乾燥しているせいもあり、少しほこりっぽい気もする。だが、好きなミュージシャンの曲にこの街を歌ったものがあるというだけの理由でここに来てしまった。
　ジイドの言葉に「書を捨てよ。街へ出ようではないか」というのがあるが別に書を持ち歩いて街へ出てもいいんじゃないの？

　スペイン語のすべりのよい響きが好きだ。