ロビンの観劇日記

芝居やオペラの感想を書いています。シェイクスピアが何より好きです💖

トマ作「ダブル」

2010-09-04 16:44:59 | 芝居
8月26日ル・テアトル銀座で、ロベール・トマ作「ダブル」を観た(演出・上演台本:G 2)。

結婚して半年のフランソワーズには伯父から相続した莫大な財産がある。夫リシャールはそれをいいことに酒と賭博に溺れ、その借金返済のために、暴力でもって彼女に小切手を切らせる。そんな生活に嫌気が差し、彼女が離婚を考えている時、家政婦ルイーズの恋人がリシャールと瓜二つの弟ミシェルであることを知り、彼を替え玉にして離婚の手続きを済ませてしまおうと思いつく。だがミシェルは兄と違って大変な臆病者で・・・。

顔は瓜二つだが性格は正反対の兄弟を一人で演じる。これほど役者冥利に尽きる仕事があるだろうか(この作品ではもうひとひねりしてあるが)。その二役、夫リシャールとその弟ミシェルを橋本さとしが好演する。

台本(G 2)が面白い。仏という字についてのセリフなど自在な筆で笑わせてくれる。

妻フランソワーズ役の中越典子は美しく、策士に見えて実はあまり嘘が上手くない女を熱演するが、如何せん、ラストは貫禄不足だった。

演出について一言。ラストでヒロインの告白を聞いた3人は驚愕するはずなのに、それを全く表現させないのはどういうつもりなのだろう。陳腐を避けたかったのか。それとも雷に打たれたように凍りついていたのか。でも不自然だ。

実は、ヒロインの一番最後のセリフを聞いた途端、閃いたことがある。すっかり忘れていたけど、この芝居をずっと昔テレビで観たことがあった!主演は草笛光子。ただし思い出せるのはそこまで・・・。嗚呼・・。

トマらしく、最後に大きなどんでん返しが待っている。そして観終わった後はすっきり爽やか。ただ途中から終わる直前まで、実に心臓に悪い。フランスのヒッチコックと言われるだけあってハラハラドキドキ、かなり疲れた。

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