アルバニトハルネ紀年図書館

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『赤髪の白雪姫』第3巻/あきづき空太

2009-04-26 | 読書
 


出たのは3月5日、手に入れたのは3月6日、4月も末になってやっと記事を書いてます。

ゼンの兄、第一王子のイザナに「よほど何かゼンに必要とされるものが あなたにはあるのだろうね?」と言われて答えに窮してしまう白雪。ゼンもゼンで、兄が白雪をどうしたいのかその胸中が分からないまま、タンバルンのバカ王子・ラジが招待されます。到着は20日後。
あくまで白雪に「去られた」のではないと言い張るラジ王子がとんでもないことを皆の前で言ってくれましたよ。
「白雪どのは ゼンどのが婚約者にと考えている相手だと聞いたのでな」。
貴殿と白雪どのは恋仲なのだろうと言うラジ。ゼンは兄の前でハルカ侯爵に「あの娘との婚約は考えてもいないし申し込んでもいません」と答えます。
イザナ王子の前で言葉を詰まらせてしまった白雪も自分がどうしていいのか分からない状態。

ゼン
私 答えられなくて
ゼンの近くにいて この先何が出来るのかも
私が今 ここにいられる意味も
あの時と同じ
答えられない 何ひとつ


自分の首にかかる宮廷薬剤師の身分証を見つめていて急にゼンの名を呼んでしまう白雪、「--俺の名前 呼んだだろ 聞こえた」
抱き合う二人、「…どうか したか」「うん 少し」
ゼンと白雪との距離、いい感じにもどかしいです。縮まらない距離がもどかしいけど、微笑ましい。抱きしめたり(二度も)、手を繋いだり。でも婚約者ではない。

ゼンが白雪を婚約者に考えているという話が広まったこと、これから白雪が周囲の関心の対象になるであろうということを話すゼン。詫びているかのような口調。
白雪が「城にいられる理由」が「宮廷薬剤師」だけだとしたら悲しいけど、ゼンの「必ず 味方がいるからな」という言葉にまた前向きになれた。そんな白雪をゼンは「何かを打破する為に行動するのはあの娘の得意とするところです」と。

剣を交えながら言い合いをするゼンとイザナ。何故白雪を知ろうとする前に邪魔者のように扱うのかと兄に食ってかかるゼン、白雪に惚れ込んでいるゼンの心など関係ない、政略的価値のある令嬢が他にもいると答える兄。ゼンは兄の名=「イザナ」を決して呼びません。兄も呼ばせていないそうです。
「俺は白雪との出会いを 自分が真に辿りたいと思う道の妨げなどにしません」。
生意気を言うようになったゼン、そんなご主人様を「じゃあ本領発揮だね」と木々とミツヒデ。
ゼンに「怯まなければいいと思えば」と言った白雪自身も怯まない。白雪が以前にも増して「揺るがない」娘になってきましたね。イザナ王子に何を言われても眼を逸らさない。
「退がらないのか?」
「さがりません」
(目蓋に軽くキスされる)
「どうかな 姫 嫌になった?」
なりません! ---ゼンと会えた国です」

オビに「お嬢さんさ… ゼン王子が王子じゃなければ良かったとは思わないのかい?」と言われた時も
「返して」と瓶を取り上げ、「…次言ったら その時は侮辱ととる」

ゼンと白雪の二人、出会ったことで見えないところで、でも確実に変わってきてると感じます。
生きていてどこに向かえばいいのか、どこへ向かって進めばいいのか、それを決めるのはもちろん自分自身ですが、道に迷ったり自分がこの世に、今いる場所に存在することの意味を見失うことは当然あるわけです。「生きる」ということは日々目の前の障害を乗り越えたりぶち壊したりして前進することの繰り返しなのでしょう。この物語は一国の王子と平民の娘の出会いを描いたお話で、分かり易い困難が立ちはだかりますが、普通に生きていても毎日小さな困難は日常の中に遍在しています。
困難に直面した時にそれをどう打破するか、何かを望んだ時にどう動くか。後悔の全くない人生というものはあり得ませんが、「後悔しない生き方」を貫こうとするだけで物事は大きく違ってくるでしょう。運命の色の髪を持つ白雪ですが、運命が「定められたもの」ではなく「切り開くもの」というお話なのが良いですね。ゼンと白雪が出会えたことの「意味」を考え続けているお話なんだと思います。「動き方がわかんないなら探しに動けばいいんじゃないの?」と白雪に言ったオビ、この後クラリネス第二王子付き伝令役の肩書きをゼンからもらいます。

第12話で新展開、クラリネスに客人が来ます。領地の鳥を保護して欲しいと陳情に来た鳥使いのキハル・トグリル。女の子キャラ登場です。案の定、白雪の赤い髪にビックリ。
島の民にとって大切な鳥でも、「自分の領地で仲間と趣味の狩りを楽しんでいる」だけ、領主の権限で片付けられる問題の域を出ていないので動けないと言うゼン。そう言いながらもゼンは面白くありません。
鳥を操る技=胡桃石(くるみいし)で作った笛や鈴の微かな音の違いを鳥達が聞き分けると知ったゼンは、それをクラリネスとの連絡手段として検討したいと言います。
白雪を鈴を持つ相手に指名するキハル。
「--あなたがあのゼン殿下を信頼してるなら あなたと組んで私も少しでもそう思いたいの!!」
鈴を持ってココクの砦で鳥を待つ白雪。この孝試(こうし)を白紙に戻したいというブレッカ子爵の妨害。
「本心はどうあれ『臣下』である私や自分の城の兵よりきさまを信じ周囲の反感を買う真似などするわけがない それがな 悲しいかな位の違いと言うものだ」と言う子爵に白雪は「--…どこをどうとっても悲しくない」と言い返します。

たしかにあなたの言う通り…
本心では動けない時があると思う
でも それなら
私は全力であの人をそんな目には遭わせない
大体!
あんなふうに何かを守ろうとしてる人の
懸命さも目に入らないような地位なんて--…
この見張り台より低いっての!!



第4巻は2009年冬発売予定です。まだ先だなあ…。この続きの第13話は「LaLaDX」3月号で読みました。5月号は読んでないけど内容だけ知ってます。第4巻、楽しみです。

お薦め度:★★★★☆

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