アルバニトハルネ紀年図書館

アルバニトハルネ紀年図書館は、漫画を無限に所蔵できる夢の図書館です。司書のWrlzは切手収集が趣味です。

洋画「1.0(ワン・ポイント・オー)」

2008-01-16 | daily
久々に洋画をレンタルしてきました。
古アパートに暮らすプログラマーのサイモンの元に空き箱がいくつも届き始め、隣人が殺されて…。2004年のサンダンス映画祭で話題を呼んだ不条理系ナノテク・スリラー。超微細物質が引き起こすリアルな恐怖を描き出す。
とのことで。

怖いです(笑)
ひたすら怖いです(笑)
夜中にトイレに行けないよ(笑)

演出面で面白いのは少し凝ったカメラアングルでしょうか。
ナノテクノロジーが確立した近未来、だが電話機がダイヤル式だったり新旧の要素が入り交じる廃屋のようなアパートメント、そこに住む主人公・サイモンと誰もが異様な住人、大家。
アパートメントの至る所に仕掛けられた監視カメラからの映像、コンビニエンスの防犯ミラーからの視点、ドア越しに娼婦からの視線、尾行する者とされる者の視点が交錯し、「誰が」「何を」見ているのか謎めいた雰囲気に拍車をかけてます。

まるで中毒に冒されているかの如く牛乳(NATURE FRESH MILK)をひたすら飲み続けるサイモン、本社からムービーメールで「コードを送れ」「期限を絶対に守れ」と激しい催促。
幾たびも空のボール箱が届き「空き巣に入られた」と通報するが埒が明かずコンビニエンスで古典的な錠前と一緒にまたしても牛乳(ネイチャー・フレッシュ・ミルク)を買う。手にした新聞には「脳のない死体」の見出し。自分は尾行されているのかと店員に尋ねるも不明瞭な返答。
バイク配達人のナイルに「最新式の警備装置と牛乳を」と超特急で届けてもらう。
家賃を滞納し、在宅で働いているらしきサイモンはナイルに引きこもっているから調子が悪いんだ、彼に言わせると「自分のように街に出て飲んでドラッグをやる」のが「健康」なこと_
謎めいたまま、「恐怖」だけが増幅されながら進むストーリー。
赤外線セキュリティーを設置しても通風口から奇妙な気配を感じる_
アパートメントの住人はAI(子供代わり)の「アダム」を育てているハワード、ガン病棟で働きならが死と隣り合うことで生きている顔色の悪い看護婦のトリッシュ、猛犬を飼いS&Mプレイに興じるゲーマー、被害妄想の大家と尋常でない者ばかり。

サイモンは神経症的に、自分の不在中に空箱を届ける人間を探りながら周囲に当たり散らす。
そんな彼を「ゲーム」に誘った隣人に勧められた飲み物は「コーラ500(Cola Five Hundred)」、「ゲーム」に参加してからサイモンは現実と幻の区別がつかなくなってしまう。そして彼は死んだ。だが「現実感」がまるで無い_
誰を信じれば良いのか?
洗濯室で泣き崩れるサイモンを抱きとめ「看護婦の顔」を垣間見せるトリッシュか?
古くからの隣人ハワードか?
最も「まとも」に見え、親身になってくれる配達人のナイルか?

いるはずのない人間が見える_
納期を守ることが出来ずに会社を解雇されたサイモン(しかし彼が自分の頭の中にあるから渡さないと突っぱねた「コード」の正体は何なんだ?)、成長したアダムから「買うことは答えにならない」と警告の電話がかかってくる。
総ての答は"Nanomite version one point 0(ナノマイト・ヴァージョン・ワン・ポイント・オー)"…。

互いを「私はあなたを愛していない」「僕も君を愛していない」と否定しあってSEXするサイモンとトリッシュ、1.0にはバグがあり、改良版だとVersion one point one point five(1.1.5)を持って駆けつけるナイル_
ウィルスに冒され、自分の意志とは無関係に"NATURE FRESH MILK, NATURE FRESH MILK"と連呼するサイモン。
「悪人は君を救えても救わないし善人には君は救えない」と最後に治療薬を持ってきてくれたハワードは本当に味方なのか?
まあ結末は解釈次第ということで。
演出的には大変面白いです。レンタル版なので字幕も日本語のみ、映像特典もありませんでした。
新品が千円くらいなら「買い」だけどまあ2回観れば「もういいか」って感じですかね。

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