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『ラブ!ラブ!ラブ!』全3巻/中原アヤ

2010-10-09 | 少女漫画
 
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中原アヤの二作目の連載漫画。別冊マーガレット平成10年3月号~平成11年2月号。
生まれた時から目の前にあった幸せを、17年間つかみ損なってきた、そんな「コンビ」が「カップル」になるまでの物語。

八百屋「八百八(やおはち)」の長女、野々宮茜(ののみやあかね)は中井幸男(なかいさちお)を7年想い続け、1秒で失恋する。そして自分の家の向かいのスナックでオレンジジュースを呷(あお)るが、17年のクサレ縁のそこの息子の大和(やまと)に土足で蹴られて店を追い出される。
さかのぼること7年、茜と大和が小学4年生の頃に、田舎町のくたびれた商店街に同い年の都会っ子、西井加代美(かよちゃん)と中井幸男(さっちん)が越してきて、茜は一瞬にしてさっちんに心をうばわれた。
フラレ女の茜は今日もオヤジとのケンカの傷を顔に作り、原チャリで凛々しく登校し、いとこの真由美姉ちゃんの働く美容院にバイトに通う。

人前で泣いたことがない茜が、オレの前でまでムリするなと大和に言われ、つかみ合いのケンカになり、はじめて人前で思いっ切り泣く。そして強がってムリするばかりが「前向き」なのではないと知り、風呂上がりにトマトをかじって強く生きてゆくと、初恋の相手のハンケチをゴミ箱に捨てて別れを告げる。

しかし自分は大和のことがすきなのかと茜が揺れていた時、彼女は大和の「つき合おっか」という告白に即答できず、冗談に冗談で返す罵り合いになってしまい、フラれてヤツあたりをしていた大和は真由美姉ちゃんのダーリンになってしまう。
茜が失恋したという話はゴキブリ並の勢いで町内に広がり、かよちゃんとさっちんの耳にも入るが、失恋の相手がさっちんだとはかよちゃんには言えず、大和が「よねだのおっちゃんがすきだったんだ」と助け舟を出してくれる。米田のおっちゃん、若妻のアキさんまでそのウソを信じてくれ、なんかその場は丸く収まってしまう!

茜は大和に、真由美姉ちゃんと二人で囲むナベのまわりをウロウロしているゴキブリをたたきにきてくれと電話で呼びつけられ、逆に料理教室では真由美姉ちゃんは巨大な伝言ゲームみたいでおもしろいと茜と大和がつき合っていると言いふらし、茜は本心に気付けない。
生まれて初めてのナンパに浮かれた茜を怒ってくれた、「あんなのにオレは負けてんのかよ オレの17年間てなに!!」という大和の言葉で何故か、二人は以前のような仲に戻ることが出来る。

第2巻。


駅前に「大型スーパーマーケット」という名の建物が完成し、平和な商店街に危機が訪れる。
しかし茜たちには茜たちの問題があり、真由美姉ちゃんに「飽きた」と言われて捨てられた大和は不機嫌だった。大和のことになると涙もろくなった茜がファーストキスを奪われた頃も、八百八はやっぱりピンチで、おまけに不審な男が茜を付け回すようになる。
その男が「死んだこと」になっている大和の父親だと彼の前で言えず、大和の家にも長男家出のピンチが訪れる。ところが大和の父は茜の母が昔盗み撮りした、小さい頃に大和が茜にチューしている写真を見せてくれた。その写真の時のことをほんとはすっごい覚えてると言う大和。
「たぶんオレ あれぐらいちっさい時から 茜のことすきだったよ」。
商店街に立ち退きを迫りにくる、駅前スーパーの社長を大和のオヤジの演技で追い返し八百八が復活した夜、ようやく「あたし1人にしないでよ」と茜は言える。

夏休みに4人で、懸賞で当てた「高級ペンション」に泊まる旅行をし、茜はさっちんとキスしているところを大和に見られてしまうが、彼のキスには意味など無く、茜は自分のことしか見えていなかったと、大和に全力でぶつかりに行く。
「あたしっ 大和がすきなのっ」。

第3巻。


茜が告白を「気のせい」と言い放たれたさいあくの夏休は終わり、大和のバイト先の孫娘のルミコが転校してくる。
迷子事件でまた大和のいいとこ発見し、気のせいでもなんでもなく大和のことがすきだと茜が告げると、大和から返ってきた言葉は「おそいんだよ」。
「すきな女が他の男すきんなって失恋して それなりにいいかんじになってきたなーと思ったら その女が今度は前すきだった男とチューして帰ってきて「ごめんなさい やっぱりあなたがすきなの」とか言われた男のフクザツな気持ちをな!!」。
まとめて言い返されると、自分がろくでもない女のように思えて、茜は言葉が見付からない。悪かった、それでもすきみたい、人生は長いし今からでもおそくないと、時間をかけて大和に片思いしてやろうと決心するが、肝心なところで素直になれない。

原チャリで事故った茜が、人が死ぬ前に見ると云われている今までの人生の走馬灯には、大和しか出てこなかった。その母と茜の会話を立ち聞きした大和は、焼き増しされて町内にバラまかれた子供の頃のチュー写真の翌日に告白するつもりだったという本心を告げる。
泣き虫と罵られ、すきだキライだと言い合い、食べかけのピザを投げ付け合い、店内の備品を滅茶苦茶に破壊しながらの、安心する、居心地のいい、大笑いしながらのケンカの最中に母がやってきて、二人は開店までに片付けろと怒鳴られる。


ゴミだらけの茜の顔に大和が口付けると、ゴミが不味かった。

あいかわらずあたしはプラプラ生きてるけど
いつかばあちゃんになった時
人生ふり返ってみたら
やっぱり大和でいっぱいなんだろうな



『ディア・マドンナ』。平成11年4月号掲載のよみきり。
愛と炎の戦士ファイヤメン! その5人目の戦士ファイヤーピンクに選ばれた鈴原宮子(すずはらみやこ)。
しかしピンクの大好きなファイヤーレッドこと竜馬(りょうま)せんぱいには小学3年生の時以来のマドンナ、奈々先生がいる。
演劇部の自称リーダー、ファイヤーレッドに緊急事態だと学校に呼び出されるピンク。演劇部顧問の奈々先生はレッドがマドンナと呼ぶにふさわしい大人のいいおんなで、勝負にならないと、ピンクは演劇部に入部はできず、役だけはもらっていても雑用を手伝っている。
しかし脚本・演出を手掛ける陰のリーダー、京ちゃんは、絶望した平成日本を救うべく立ち上がった「ファイヤメン」の物語を、レッドとピンクの恋愛に書き替えてくれる。
レッドは初めて会った時から外見も中身も感動屋の熱血王子だった。奈々先生は結婚退職が決まり、泣き虫なのに笑っているレッドを見てピンクは涙がこぼれてしまう。新入生歓迎会の当日、観客が多すぎて劇に出られなくなったピンクを、レッドは自分のド根性マドンナだと呼んでくれ、舞台でファイヤーな愛を捧げてくれる!


お薦め度:★★★☆☆
回り道が多いし、結論に至るまでの道のりが冗長。だけど読んでいてとにかく「幸せ」な気持ちになれる。
さりげなく挿入されるギャグのセンスも秀逸。最後の店を破壊しながらのケンカは幸せ一杯。
誰も皆、「幸せ」になるために生きていて、それは目の前にある。

それはさておき、中原アヤ作品の単行本35冊を全作制覇しました。この後『ラブ★コン』のファンブックとイラストブックを購入したら堂々と「中原アヤ先生のファン」を名乗ろうと思います。


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