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『花と悪魔』第7巻/音久無

2010-04-22 | 少女漫画
 
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女好きのヴェルンハルト男爵からエリノアを取り戻すため、フェルテンの手を引いて魔王の城でのお茶会に潜入するはな。招待状を燃やしてしまい、フットマンとして中に入れてもらうビビ。ローゼマリーや他の悪魔がビビにお茶を注がせる姿を見て、はなちゃんは魔界に来た当初の目的を忘れかけてしまうが、双六で男爵の気をそらそうとする。それを見て「子供の遊び」に興味を抱いた魔王は「鬼ごっこ」を開催する。勝者のペアには望みの褒美を取らそうと。
脱落してしまったフェルテンとはなの組。そしてはなちゃんがフェルテンから聞かされる、純粋なエリノアを自分の穢れた手で汚したくないという、大切に想う気持ち。
「エリノアはフェルテンのことが大好きで フェルテンだってエリノアのことが大好きで 他に 何が要るの?」。
この巻の最大の見所は、はなちゃんが「子供」だということ。互いが互いを好きであれば他には何も必要ないと言い切ってしまう、幼くて純粋すぎる恋心。そんなはなちゃんに動かされ、エリノアを失いたくなかったと今さら気付くフェルテン。

地底の穴が発生するどさくさの中で鬼ごっこの勝者となったはなちゃんは、魔王から褒美をもらう。それは手放した記憶と、ビビへの想い。もやもやの正体がわかり、「男の人」としてビビが好きなんだと気付くはな。恋心を自覚してビビを直視できないはなちゃんを、魔王は魔界を一望できる場所へ案内し、これがビビが近く背負うことになる世界だと見せつける。棲む世界が違うのだと。

ビビもはなも可愛い魔王の、少しでも穏やかに「別れの時」を迎えて欲しいという願い。均衡が崩れたあともなお、二人を見守るフェルテンとエリノア。


第38話カラー扉(『花とゆめ』2009年21号)


『花とゆめ』2009年21号表紙。




お薦め度:★★★☆☆
病で先が長くない魔王、そして危機に瀕している魔界。王位を継ぐ使命のある大悪魔と捨て子だった人間の少女。世界と引き換えにこの二人は愛を貫けるのか。楽しみです。感情に任せて好き好きと言わなくなったはなちゃんも良い。この後、はなちゃんが自分がビビを独り占めすることは世界を滅ぼすことなのだと知れば、さらに切ない展開が待っている。
エリノアを自分の物だと男爵に言い放ったフェルテンも最高でした。「ビビは はなのものだもん」というはなちゃんの言葉と同じなんだけど、はなちゃんの恋は魔界、さらには地上の運命を左右してしまう。



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