〈川俳会〉ブログ

俳句を愛する人、この指とまれ。
四季の変遷を俳句で楽しんでいます。「吟行」もしていますよ。

拾い読み備忘録(43)

2016年02月10日 16時54分21秒 | エッセイ
夜など、障子を閉めきったままの日本の家は、ちょうど紙を張った大きなあんどんのように見える。――でなければ、絵を外がわへ映すかわりに、内がわから動く影をうつす仕掛けになっている、幻燈のようだ。昼間だと、障子にうつる影は外からばかりであるが、それが日のまだ出たてのころ、ちょうどけさのように、光線が真横から、しゃれてつくった庭などにさすときには、そこに映しだされる影は、なんとも言えない雅致があるものである。
(「旅日記から」より)
「心」ラフカディオ・ハーン著 平井呈一訳 岩波文庫 1951年
                            富翁
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