雪どけや 村一杯の子どもかな
一茶
「挑発する子どもたち」と題された一文を、こんなのどかな一句から始めるとしたら、それは、あまりにも奇異に響くだろうか。子どもたちをめぐって、自殺、殺人、暴力行為などの血なまぐさい事件が頻発している今日、子どもへの信頼を危うくさせ、私どもを不安に陥れるそれらこそ、最大の挑発性を持つのではないか。それなのに、何故、いまさら、のどかな時代の、のどかな村童風景などを…・・。
しかし、のどかに見えるこの情景は、本当に「のどか」なだけであろうか。先ずはこの一句に注目し、十七文字の中に溢れ返る、子どもたちの歓声に耳を傾けてみよう。…・・
「異文化としての子ども」本田和子著 紀伊國屋書店 1982年
富翁
一茶
「挑発する子どもたち」と題された一文を、こんなのどかな一句から始めるとしたら、それは、あまりにも奇異に響くだろうか。子どもたちをめぐって、自殺、殺人、暴力行為などの血なまぐさい事件が頻発している今日、子どもへの信頼を危うくさせ、私どもを不安に陥れるそれらこそ、最大の挑発性を持つのではないか。それなのに、何故、いまさら、のどかな時代の、のどかな村童風景などを…・・。
しかし、のどかに見えるこの情景は、本当に「のどか」なだけであろうか。先ずはこの一句に注目し、十七文字の中に溢れ返る、子どもたちの歓声に耳を傾けてみよう。…・・
「異文化としての子ども」本田和子著 紀伊國屋書店 1982年
富翁