15mの防波堤完成まで浜岡原発停止

毎日：中部電力：浜岡原発　防波壁１５メートル超に引き上げ

中部電力は１２日、浜岡原子力発電所（静岡県御前崎市）に新設予定の防波壁の高さを、従来想定していた１２メートル超から、１５メートル超に引き上げる方針を明らかにした。

福島第一が15ｍだったのだから、それならいいかとも思えるが、完成には何年かかかる（2年？）。

毎日：風知草：再び「浜岡原発」を問う＝山田孝男

４月２８日朝、首相と関係閣僚が顔をそろえる「経済情勢に関する検討会合」で、出席者の一人が「浜岡原発（中部電力）は止めるべきだ」と発言した。電気事業を所管する経済産業相は反論を避けた。（中略）議論は回避されたが、政府要人による浜岡原発停止要求は、この問題に敏感な霞が関と電力業界に強い衝撃を与えた。（中略）楽屋裏では、散発的に次のような会話が交わされている。「浜岡はあぶない」「そうは言っても、他の原発と区別して止める（法令上の）根拠がないでしょう」「予見しうる危険を防ぐのが政治では」「不用意に踏み込めば自治体を刺激し、全原発に波及して収拾がつかなくなりますぞ」－－。

そんな発言が出来るのは、立場上、総理の菅さんしかいないような気がするが...

今日午後7時過ぎ、政府が中部電力に対して浜岡原発の停止を求めた事が発表された。１・２号機は既に廃炉中で、3号機は点検中、４・５号機が運転中。つまり3号機の運転再開を延期し、４・５号機を停止する。

首相、浜岡原発の全原子炉停止を要請　防波壁完成まで

２～３年後の完成を目指している新たな防波壁新設までを期限とした。（中略）停止要請を出した理由について、浜岡原発が東海地震の想定震源域上にあるとして「３０年以内にマグニチュード（Ｍ）８程度の地震が発生する可能性が８７％という数字も示されている」と説明。特有の事情があるとの認識を示し、浜岡以外の原発への対応については言及しなかった。

浜岡だけを停止する理由は示されたから、辻褄は合った。

防波堤完成までの浜岡停止だから、防波堤完成後は稼動させる事になる。非常用電源は、屋上に設置するから、その点では大丈夫。問題は、そもそも大地震の加速度に原発の施設が耐えられるかどうかだと思う。地震加速度は最大4000ガルに達する。柏崎刈羽原発では2000ガルに達した。まあ、柏崎刈羽では何とかなったわけではあるが（Wikipedia）、2000ガルなら大丈夫でも、4000ガルならどうなったのか。

浜岡停止の影響としては、中部電力の需給逼迫があるが、節電と、60Hz圏からの融通でカバーできるだろう（「浜岡原発止めたら、電気は足りなくなるの？」によれば、中部電力だけでも一応間に合うみたいだ）。問題は、これで、東電への融通量が減る可能性。60Hz圏の総力を結集すれば、当初の予定量（100万kW）はカバーできるかもしれないが、ちなみに九州電力は需給逼迫の可能性があったはず。

原発停止の権限は政府には無いから、要請になる。中部電力は、火力運転増強による燃料費増を政府に要求する権利があるかもしれない（@ikedanob）。株主利益としても、そういう話になるのは、当然である。ちなみに、東電の燃料費増は約１兆円という巨費にのぼる。

#福島第一の4号炉は保管中の燃料棒だけで事故になった。停止だけではなく、冷却系の機能が維持される事が大事。