ワークス編集部日記

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迷走

2006-06-12 12:23:00 | Weblog
 由布市は先般、建設産業部・契約管理課を通じて、本年度・指名競争入札に付する建設コンサルタント及び建設工事の全案件について、指名結果を事後公表することを試行する旨を明らかにしていたが、事実上、撤回。6月29日入札の案件(2件)から、従来どおりの指名結果公表を実施するとした。これは弊紙の事実確認において、建設産業部長が表明したもので、本年度の発注分の3件の試行のみに留めるとした。その経緯については明らかにしないが、本年度は指名結果を公表するらしい。
 (取材を通した私見であるが)今回の事後公表を強く進言したのは、旧挾間町職員のA氏。弊紙も、事後公表制への強行の前兆を、昨年10月の合併直後に察知していた。この時は、250万円未満(設計額)の建設コンサルタント及び建設工事の指名結果と、入札結果を公務繁多のため、公開しないとの方針(弊紙、週刊紙17年10月31日号・市町村トピックス掲載済)と報道した折に、事後公表に向けての取組を研究している噂を耳にしていた。
 本年度となり、5月17日&5月26日入札の計3件の案件を皮切りに、本年度の全案件に対して、事後公表を来年度以降の完全実施に向けて試行を表明したのは、うすうす動きは知っていたものの驚きであった。
 それは、何ら告知がなかったからである。弊紙は、建設産業部に対して、大きく次の3点について問うた。
 ①指名結果の事後公表に対して、何ら告知がなかったのは何故か?
 ②大分県ですら、事後公表に踏み切っていないのに、何故、由布市か?
 ③民製談合防止に効果はあろうが、官製談合についての対応はどうなっているのか?

 次の答えが、くだんのA氏の返答である。
 A.①確かに告知手段は取っていないが、自治体での裁量の範囲である。
  ②県は関係ない。長崎市も行っているではないか?
  ③官製談合は禁止されているので、そのようなことはあり得ない。

 これが40歳を超えた市職員が応えた答弁である。告知義務がないのは確かにそうであろうし、弊紙など商業紙に告知することも敢えてないだろうが、市の財政に直結する法人に対してそのような不遜な態度で良いのか?また、建設業協会も災害緊急時に国や自治体に災害駆除及び防除に最大限に協力することとなっており、その公共性は高まっているにも関わらず、何ら、告知なし。
 また、近県で起こった官製談合について触れると、他県のことは関係ないといいながら、長崎市で指名結果の事後公表が行われているし、国内の趨勢だという。さらに、官製談合は法的処罰が規定されているのだから、その危惧は不要とのこと。それでも起きているのは事実だから、事後公表導入は官製談合へ直結する恐れもあり、危険ですよと言うが、そんなことは絶対ないとおっしゃる。頭にくるどころか、呆れる。
 これは特に私見だが、一回、財政難で自治体を転覆させた当該自治体の‘公務員’は合併を機に辞職してもおかしくなかったのではないだろうか?首長に対して市政を委託出来るのだが(もちろん、選挙の結果、委託しない場合もあり)、公務員は市民の税金の一部を使い、市民の見えないところで、言わば勝手に採用された者であるからして、公務員の市政を委託した覚えはないのだ。公務員にこそ、弾劾投票が必要ではなかろうか?
 何にしろ、新市の建設行政、少なくとも建設工事の施工業者選定については、民意のない市政となっていきそうだ。それは、スタートから赤字財政である由布市の宿命なのかもしれない。事後公表で工事費を安くさせる、安易な方法を取りたいのだろう。これが真意なら、もっと他にこの制度の導入を指示した黒幕がいらっしゃのだろうか?
 今回は、諸団体の抗議で撤回された‘入札結果の事後公表’だが、今後もこの自治体からは目が離せないと思う今日この頃。