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で~れ~弁論部 第五章~天使~ 第五話

2015年10月30日 | ショート小説

 

僕はミートスパゲティ。タカユキとミツヒロは、カレーを注文した。

ゴールデンウィーク中の春合宿は、いつも千葉の香林寺と決まっている。

春林寺は宿坊もしているので泊まれるし、禅宗のお寺なので、毎朝座禅も組める。

春合宿全体の指導は3年生が行うが、新入生に細々いちいち教えていくのは僕達2年生の役目だ。

タカユキとミツヒロが春合宿について何か一生懸命に話しているが、

今の僕にはメロディーの様に流れるだけで何も耳に入ってこない。

今度はいつ別の天使が、僕の目の前に舞い降りて来るのだろうか。

東京には天使がどのくらいいるのだろうか。

僕の頭の中は、そんな妄想でいっぱいになっていた。

                                                 第五章 終

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で~れ~弁論部 第五章~天使~ 第四話

2015年10月29日 | ショート小説

 

発声練習を終えて急いで水沢亜湖が撮影をしていた場所へ戻ってみたが、

天使は再び天に舞い戻ってしまったのか、もういなかった。

ガッカリしたが仕方がないので、同期のタカユキとミツヒロを誘って昼食をとる事にした。

ゴールデンウィーク中に弁論部の春合宿があるのでその打ち合わせをしないといけない。

駒沢公園から隣接している東都大学に戻り大学校内にあるレストランパオに行く。

丸い屋根でモンゴルのテント住宅のようなパオをかたどっているのでパオと名付けられたらしい。

パオは学生向けのレストランなので安くて、量があって味もそこそこだ。

                                                      つづく

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で~れ~弁論部 第五章~天使~ 第三話

2015年10月28日 | ショート小説

 

駒沢公園なかほどにあるいつもの広場に行くと、

すでに発声練習は始められていた。

佐藤部長が大きい声で「アオキ、イシオカ遅い」と僕達を一喝。

チエミ先輩はかわいい顔立ちから視線鋭く「なに遅刻してんのよ」と

言わんばかりの勢いで僕達を睨みつけてくる。とても恐ろしい。

イシオカ君、申し訳ない。僕の巻き添えにしてしまった。

「あえいうえおあお」「かけきくけこかこ」「させしすせそさそ」弁論部では

腹式呼吸で大きく人に聞きやすい発生をできる様に、

授業のある月曜日から金曜日まで毎日「あえいうえおあお」と練習する。

もちろん遅刻は厳禁だ。

                                           つづく

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で~れ~弁論部 第五章~天使~ 第二話

2015年10月27日 | ショート小説

 

「イシオカ君、あそこ水沢亜湖だよ。」

「あぁ、そうですね。発声練習遅れるから早く行きましょうよ。」

「彼女すごい綺麗じゃない。」

「そうですね。行きましょう。」

すごくイシオカ君の返事がそっけない。イシオカ君には、

水沢亜湖の美しさがピンと来ていないようだ。

水玉模様のワンピースを着た彼女が、もし岡山の天満屋百貨店の屋上に現れたら、

7階建ての天満屋百貨店の地下1階から屋上まで岡山の若者が階段に

数珠つながりになるくらい美しいのに。

同じ岡山県出身のイシオカ君に彼女の素晴らしさに気付いてもらえないのが残念だ。

僕は水沢亜湖の後ろ姿に後ろ髪を引かれるような思いなのに、

イシオカ君は僕の手を引っ張るようにして、発声練習場に連れて行く。

                                            つづく

 

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で~れ~弁論部 第五章~天使~ 第一話

2015年10月26日 | ショート小説

 

天使が舞い降りてきたのかと思った。

ブルーの生地に水玉のワンピースがとっても似合っている。

天使にピカピカの光る板に向けて、プロのカメラマンが写真を撮っている。

東京には天使も迷い込んでくる。

発声練習に行く通りすがり、駒沢公園でアイドルの水沢亜湖の

スケール写真撮りに出くわしてしまった。

水沢亜湖、間近に本物を見るとピカピカに光っている。

どんなポーズをしても絵になる。テレビ画面の水沢亜湖が別人と思うくらい、すごい綺麗だ。

そんな彼女を、よだれを垂らさんばかりに、ぼーっと見つめている僕の横を

新入部員のイシオカ君が通りかかって「先輩、発声練習遅れちゃいますよ」と声をかけてくる。

                                                   つづく

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