
6月23日(土)も、里山体験プログラム「どろんこ田植え体験」で嵐山町のつたえ農場です。
参加者は9家族30名。今回はむさしの里山ネットワーク主催の練馬区教育委員会委託講座「区外実施型ねりま遊遊スクール」としての開催なので、子どもたちは小学生が中心ですね。10時前には全員揃ってくれて助かりました。

photo by sachibaa
配布資料はクリアファイル『生きものもごはんも田んぼのめぐみ』(農と自然の研究所制作)。A1版の大きさのポスターのほうを使って、内容の説明中です。
「最大の自然保護は、地元の(せめて国内の)食べものを食べることです。この下敷き(クリアファイル)はそのことをイラストで表現したものです。ごはん一杯を食べるという人間の行為が、オタマジャクシ35匹を育てるという論理が、すごいですね。裏には、田んぼの生きもの写真を載せています。」
これは、田舎の本屋さんの解説より。田んぼは単にお米を作っているだけではなく、多様な生きものたちも育んでおります。

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マムシやヤマカガシの写真を見てもらいながら、注意事項も。
畔の近くの草むらに裸足のまま入ったり、虫を捕まえようとして手をつっこんだりすると、「要注意外来生物」のワルナスビの棘も危ないですよ。

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田植えに関しては、講師の五十嵐さんにお任せです。
「安全なお米をつくり・美味しくたべ・みんなでえがおになるために結成された無農薬で米作りをする集団」、つたえ農場の代表ですね。

手前側は、先週地元の幼稚園の子どもたちやワンダースクールのファミリー会員の方たちに植えてもらったところです。

いざ田んぼの中へ。

photo by masapapa
畔の近くは深くなっているので、小さな子どもたちはなるべく真ん中のほうまで入ってください。

以下、田植えの様子を何枚か載せておきます。



photo by sachibaa


photo by sachibaa
田植えは11時にて終了。
もち米のほうはこれですべて植え終わったのかな。途中で少しポツポツときましたが、お天気もどうにかもってくれてよかったです。昨年は脱走者も続出!? でも、今年の子どもたちはみんな最後までがんばってくれましたねぇ~。あとは、つたえ農場の精鋭たちにお任せです。

つたえ農場の方たちの田植えの前に、どろんこ遊びも少々!?

まずは田んぼの泥の中を走りまわってみたりして。

手でアメンボを捕まえていた子です。

いいですね!

大きなヌマガエルも捕まっておりました。
ごはん6杯分で1匹育っている田んぼのカエルです。

photo by masapapa
田んぼの泥は用水路で落としてもらいます。

子どもたちは当然、生きものさがしになってしまいますよねぇ~。

どんな生きものたちがいるか、いろいろ捕まえてみてください。
池でも川でも用水路でも、水の中の生きものたちは捕まえてみないとなかなか見られませんからね。

photo by masapapa
誰も捕まえられなかったけど、大きなコイまでおりました…。

photo by masapapa
この子のバケツの中をのぞかせてもらったら。

photo by sachibaa
アメリカザリガニ、ヌマエビsp、ヌマムツ、カワニナ、ハグロトンボのヤゴなどが捕まっていましたね。

コオニヤンマのヤゴを見つけてくれた子もいます。
カワニナ同様に「ややきれいな水」の指標種です。

護岸にとめて撮った不自然な写真ですが、このオナガサナエの羽化殻も見つけてくれました。

ルリシジミに。

ベニシジミ。

ツバメシジミです。
このシジミチョウたちは練馬区内でも見られますね。

このヒメギスやショウリョウバッタの幼虫も、けっこう捕まっていました。

こちらは成虫。いずれもオスです。

ヒガシキリギリスの成虫も見つかりました。これもオス。

あらっ!? 子どもの魚とり網にとまったのはメスでしたね。
オスとメスはどこが違うか、一目瞭然でしょ?

用水路の縁では、大きなコガネグモが網を張って虫たちを待ち構えておりました。ワンダースクールのメインフィールドの秋ヶ瀬公園や彩湖道満グリーンパークではナガコガネグモ中心ですが、里山ではコガネグモの姿もまだ見られます。

「ホシゾラカミキリ」です!?
近くにクワの木もあるので、ゴマダラカミキリを見つけてくれた子もいました。前翅を開いて不器用に飛んでいく姿まで披露してくれましたね。
以下はこの日のアンケートから。
ちょっと長くなりますが、なるべく多く載せておきます。
・川であそぶことがたのしかった。
・どろの中で遊べて楽しかったです。
・たのしかった(田んぼに入るところ)。
・泥が嫌だった。転んだのが嫌だった。
・田んぼの泥がきもち良く楽しかったです。
・川あそびで魚とえびをとれてうれしかった。
・川遊び、どろ遊び、田うえがおもしろかった。
・都内ではできない経験ができ、とても充実していました。
・いろんな虫がいて楽しかった。田植えもあめんぼとかがいてよかった。
・どろにはいってみてさいしょはきもちわるかったけど、なれてくるときもちよくなった。
・普段田植えや泥遊びをする機会がないため、子どもにとっても大人にとっても、とても良い体験ができました。
・最初は泥に慣れなかったけど、はだしになると植え易くなって、いっぱい植えられました。とても楽しかったです。
・田植えを子供に体験させることができて良かった。どろだらけになることもなかなか無いので楽しそうで良かったです。
・初めて田植えに挑戦しましたが、泥の感触がとても面白かったです。貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました。
・初めて田んぼの中に入ったのですが、田植えが楽しかったです。また、お米一杯で生き物何匹住めるっていう説明が面白く、田んぼの環境の大切さが分かった。
・時間がちょうど良い長さで、田植えだけではなく子供が楽しく遊べる川や虫取りもあり、都会で生活している我々からすると非常に良い経験でした。ありがとうございました。
・予想どおり子供が汚れを気にせず田植えに夢中になってくれて良かったです。今のまま米好きの大人になって欲しいです。私自身も初めての田植えで貴重な経験となりました。
・田植えをしたのは初めてで、田んぼの深さなどとても新鮮でした。虫好きな小2の息子は生き物を探しながら、小5の娘は初めは汚れるのを嫌がっていましたが、最後誰よりも一生懸命田植えを楽しんでいました。親子共とてもよい経験でした。
「どろんこ田植え体験」へのご参加またアンケートへのご協力、ありがとうございました! このあと7月には「田んぼの生きものさがし」、9月には「稲刈りにチャレンジ」、11月には「収穫祭」と続きますので、ぜひまたご参加ください。
たか爺としては、「生物多様性」がどうのこうのと言うよりも、田んぼや畔、周辺の草地、用水路といった里山の自然環境の中でどんな生きものたちが暮らしているのか、実際に自分たちの手で捕まえてみてもらったほうが、子どもたちはきっと何かを感じとってくれると信じています。その上で、この日捕まった生きものたち、「生きものもごはんも田んぼのめぐみ」に載っている生きものたち同士の食べる・食べられるという関係や、農薬を使ったり、水が汚れてしまったり、田んぼそのものがなくなってしまったらどうなるか、親子でちょっと考えてみてもらうきっかけになってくれたらいいですね。