第四話 元祖ハイソ・田園調布 3月16日(木)
「田園調布に家が建つ」
往年の漫才コンビ、星セント・ルイスの代表ネタだ。
同じ東京でも、田園地帯に住んでいる私にとって、
やはりこの街は、異次元のような印象を受ける。
成城、白金、田園調布。
「三大ハイソ」(私が勝手に思う)の一つ、田園調布を訪れた。
田園調布駅。駅は地下化されたが、由緒あるこの駅舎は、復元され残された。
駅前の道を、とりあえずまっすぐ行く。
何度か来たことはあるが、いつ来ても思うことは、
「人が歩いてない・・」である。
いや、文字通りネコの子一匹いないというべきか・・。
フツウに歩いているのに、妙に落ち着かない。
ともかく、ここは超有名人の住む街だ。
長嶋茂雄、野村楽天監督、五木ひろし、中内功(ダイエー会長)、鳩山由紀夫、中井喜一・・。
本人が常時いるかいないかは別として、まさに「日本の顔」のスターが集まる。
(長嶋邸)
駅から西への放射線と、半円弧を描く町並は、
大正14年、英国人都市計画家、エビニーザー・ハワードの提唱により、
明治の財界人・渋沢栄一とその息子・秀雄の二代に渡って開発された。
「田園都市とは、自然を多分に取り入れた都会のことであって、
農村と都会とを折衷したような田園趣味の豊かな街をいうのである」
というコンセプトだった。
よくわからないが、とにかくその豊かな街を歩く。
ここを歩くと、自然に背筋がまっすぐ伸びる。(ハイソですから・・)
この日はおだやかな春の陽気。ネコくらい、いそうだと思ったがいなかった。
代わりに、下校途中の小学生に会ったが、この子たちの暮らしっていったい・・(ウラヤマシ)
どの家も、不審者対策は万全なのだろう。分厚い塀や門扉、鎖。
当然ながら、「セコム」も万全。さすが長嶋さんの街。
「セコム、してますか?」
しかし、だ。
歩いている人はいない。
家のセキュリティは万全でも、歩いている子供達に何か起きたら、
誰がとっさに助けるのか。目撃者さえいない街。
そんな、ごく自然な?不安を抱いていたら、
後ろからスーッとパトカーが近づいてくる。
(もしや職質されるかも・・。何と答えよう。ブログのネタ探しに歩いてます、で信用してもらえるのか。
それとも、道に迷ったと答えるか。いや、田園の空気を吸いに来た、とでも答えておこうか・・)
なぜ、フツウに歩道を歩いている善良な一市民の私が、
こんなに怯えてしまうのか。なんだこの街は・・。
と思ったらパトカーは私を追い越し、
「門の前に車を停めている運転手さん、移動して下さい!」とスピーカーから叫ぶ。
違法駐車に、住民から110番でもあったのだろう。
さりげなく警察を呼ぶなんて、さすがハイソ田園都市!
もはや、場違いな街の中で、思考回路を失ってしまった私。
駅前に戻る。人を見てホッとする。
駅前は、いろんなおしゃれな店が増えた。
以前来たときは、何もなかったものだ。
女優・中井貴恵が、昔「笑っていいとも」で、
「田園調布ってなーんにもなくて、つい最近サーティワンができたんですよ」
と言っていた。どんな田舎駅前でも、コンビニやマックがあるような時代にだ。
結局のところ、セブンイレブンのおにぎりなんぞ食べる住民ではない、ということか。
んー、すごいぞ田園調布。
しかし近年、この街にも「屈辱」が訪れた。
東急東横線に、特急が新設された時、田園調布は通過となった。
乗降客が少ないのと、隣駅の自由が丘に停まるためだ。
東急の「顔」だった駅も、数字の現実の前には勝てなかった。
映画「探偵物語」で、薬師丸ひろ子が電車に飛び乗るシーンが撮影された駅。
その駅から、私は渋谷行の電車に飛び乗る。
まだ、姿勢はまっすぐのままだった。
参考 田園調布地域密着サイト
田園調布ガイド
結局逃げ帰ってきた、ハイソに無縁な私
「田園調布に家が建つ」
往年の漫才コンビ、星セント・ルイスの代表ネタだ。
同じ東京でも、田園地帯に住んでいる私にとって、
やはりこの街は、異次元のような印象を受ける。
成城、白金、田園調布。
「三大ハイソ」(私が勝手に思う)の一つ、田園調布を訪れた。
田園調布駅。駅は地下化されたが、由緒あるこの駅舎は、復元され残された。
駅前の道を、とりあえずまっすぐ行く。
何度か来たことはあるが、いつ来ても思うことは、
「人が歩いてない・・」である。
いや、文字通りネコの子一匹いないというべきか・・。
フツウに歩いているのに、妙に落ち着かない。
ともかく、ここは超有名人の住む街だ。
長嶋茂雄、野村楽天監督、五木ひろし、中内功(ダイエー会長)、鳩山由紀夫、中井喜一・・。
本人が常時いるかいないかは別として、まさに「日本の顔」のスターが集まる。
(長嶋邸)
駅から西への放射線と、半円弧を描く町並は、
大正14年、英国人都市計画家、エビニーザー・ハワードの提唱により、
明治の財界人・渋沢栄一とその息子・秀雄の二代に渡って開発された。
「田園都市とは、自然を多分に取り入れた都会のことであって、
農村と都会とを折衷したような田園趣味の豊かな街をいうのである」
というコンセプトだった。
よくわからないが、とにかくその豊かな街を歩く。
ここを歩くと、自然に背筋がまっすぐ伸びる。(ハイソですから・・)
この日はおだやかな春の陽気。ネコくらい、いそうだと思ったがいなかった。
代わりに、下校途中の小学生に会ったが、この子たちの暮らしっていったい・・(ウラヤマシ)
どの家も、不審者対策は万全なのだろう。分厚い塀や門扉、鎖。
当然ながら、「セコム」も万全。さすが長嶋さんの街。
「セコム、してますか?」
しかし、だ。
歩いている人はいない。
家のセキュリティは万全でも、歩いている子供達に何か起きたら、
誰がとっさに助けるのか。目撃者さえいない街。
そんな、ごく自然な?不安を抱いていたら、
後ろからスーッとパトカーが近づいてくる。
(もしや職質されるかも・・。何と答えよう。ブログのネタ探しに歩いてます、で信用してもらえるのか。
それとも、道に迷ったと答えるか。いや、田園の空気を吸いに来た、とでも答えておこうか・・)
なぜ、フツウに歩道を歩いている善良な一市民の私が、
こんなに怯えてしまうのか。なんだこの街は・・。
と思ったらパトカーは私を追い越し、
「門の前に車を停めている運転手さん、移動して下さい!」とスピーカーから叫ぶ。
違法駐車に、住民から110番でもあったのだろう。
さりげなく警察を呼ぶなんて、さすがハイソ田園都市!
もはや、場違いな街の中で、思考回路を失ってしまった私。
駅前に戻る。人を見てホッとする。
駅前は、いろんなおしゃれな店が増えた。
以前来たときは、何もなかったものだ。
女優・中井貴恵が、昔「笑っていいとも」で、
「田園調布ってなーんにもなくて、つい最近サーティワンができたんですよ」
と言っていた。どんな田舎駅前でも、コンビニやマックがあるような時代にだ。
結局のところ、セブンイレブンのおにぎりなんぞ食べる住民ではない、ということか。
んー、すごいぞ田園調布。
しかし近年、この街にも「屈辱」が訪れた。
東急東横線に、特急が新設された時、田園調布は通過となった。
乗降客が少ないのと、隣駅の自由が丘に停まるためだ。
東急の「顔」だった駅も、数字の現実の前には勝てなかった。
映画「探偵物語」で、薬師丸ひろ子が電車に飛び乗るシーンが撮影された駅。
その駅から、私は渋谷行の電車に飛び乗る。
まだ、姿勢はまっすぐのままだった。
参考 田園調布地域密着サイト
田園調布ガイド
結局逃げ帰ってきた、ハイソに無縁な私