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憂生’s/白蛇

あれやこれやと・・・

竈の神・・・5

2022-11-12 19:16:18 | 竈の神  白蛇抄第18話

ーすでに、銀狼が、出現しており

それは、雌ということになるのだろうか?ー

黙りこくる白銅とひのえの胸中をはかるすべもなく、

法祥も、また、黙る。

このまま、立ち去った方が良いのか

どうにかならぬかと、陰陽師頼りのふがいなさに

いたたまれぬ思いがわいてくる。

「あ、私は・・つい、あの男をどうにかしてやれぬかと・・」

白銅・ひのえの都合も聞かず、勝手にしゃべり

かつ、

おまえら、どうにかしてやってくれ は

身勝手すぎる。

しょせん、いいわけにすぎないと法祥は、立ち上がろうとした。

「いえ、私たちも、銀狼が憑いた相手を

さがそうと思っていた所ですから、たすかりました」

法祥は、言葉を探した。

法祥は、犬神、銀狼に憑かれている男を見た。

だが、

この二人の陰陽師は、逆に 銀狼が、憑いている相手を探していた。

その裏に、どういう委細があるのか?

何を知っているのだろうか?

だが、それを尋ねるのも、何も出来ない自分では

興味本位でしかなく、

聞いたところで、何も出来ない自分が、さらに、情けなくなる。

「銀狼が、出現することを、伝えに来た者がいたのです」

澄明自身が銀狼の出現を見越したということではなく

なにものかに、知らされた。

そして、法祥が、銀狼の現れた所と相手を告げに来た。

「すると?私は、そのなにものかに、動かされて、ここにきてしまった、ということですか」

おそらく、そうなのだろう。

ならば、なにものか が、だれなのか、聞いてみても良いかもしれない。

「伝え来たのは、竈の神です」

法祥の心の内を気取って(けどって)澄明が竈の神と明かした。

「竈の神と?」

およそどこの土地の、どこの所帯でも竃はある。

その竈をとおして、竈の神はどこにでも行ける。

竈の神が、法祥に伝えさせなくても

自ら、銀狼の様子ごと、澄明たちに伝えることが出来る。

「なぜ、私を・・伝手にするのだろう」

 

 

 

 

 



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