奥野garden ~奥野ガーデン~

記録を残さなければ、
風のようにとんでいってしまう毎日。
授業も然り。
日々の実践等を記していきたい。

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小中一貫サミット報告レポート~“段取り“と“システム“作りに尽きる~②

2010-08-17 14:32:30 | 授業実践
3 小中一貫の体制づくり
  3つの小中一貫校・施設一体型の発表を聞いた。
  前述した“常々考えていること”を意識しながら説明を聞いてみた。
  説明から分かったことや考えたことをそのまま羅列する。
  読みやすい構成にはならないと思うが、考えながら書いていく。

 ◆研修体制・授業形態とその特徴
  武蔵村山市立小中一貫村山学園[東京都]の説明を聞いた。
  次に示すものは、研修体制を示したスライドである。









  
  授業形態の工夫を行って、それぞれを分科会で検討していっているようである。
  パンフレットを見ると、もう少し詳細が示されている。それが、下の図である。
  一つは、特別支援教育である。
 「特別支援」教育は、支援が必要とする児童が在籍する学級だけではなく、通常学級においても必要な視点である。これからの研修には欠かせない視点だと言える。
  二つ目に、全体会と同時に、分科会をもちながら研修をすすめていっている。しかも大きく5つに分かれている。600名近い子どもたちが在籍する学校だから、職員数も相当多いはずである。どのように分科会を組むかというのは、考えることの一つであろう。
  三つ目に、馴染みの薄い言葉がいくつかあるので整理してみたい。
  説明を聞く中で分かったことやメモしたことをもとまとめたものが下の表である。

授業形態 ~ 交流授業(合同授業) 協力授業      教科担任制
特 徴
 ○交流授業(合同授業)
一つの教科(活動)を、小中異学年合同で学習する。(小1と中1など小中で組み合わせる。)例えば、音楽。小学生はソプラノリコーダー、中学生はアルトリコーダーで合奏するなどの学習が考えられる。  

 ○協力授業
ある学年の学習に、中(小)学校の教師がT.Tでついて授業を進める。社会の時間に、中学校社会の先生といっしょに授業をする。より専門的な立場から説明等を聞くことができる。  

 ○教科担任制
5・6年生から、いくつかの教科で授業を受け持つ教師を変える。理科、音楽専科のイメージ。中学校の教科担任制への移行を円滑にする。教える教科を特化することで、教師の授業改善が図られる。

 
◆校時程を合わせる
  小学校と中学校の授業時間は違う。45分と50分。
  当然のことながらズレが生じる。
  それで小中の教師が連携したT.Tができるはずはない。
  校時程に工夫があった。
  村山学園の校時程を抜粋する。
  














  思案に思案を重ねたのであろうと推察できる校時程である。
  読み取れることがいくつかある。
  まず、5年生以上を、校時程では50分授業にしている。ただ、5・6年生の学習は45分になるよう、授業者が授業の始まりや終わりを変化させているようである。この仕組みは意見が分かれるところであろう。
  次に、清掃・昼休みを同じ時間に実施できるよう仕組んでいる。「縦割り清掃」が可能となる。ただ、5年生で「給食時間30分」。30分で終了が可能かどうかは、むずかしいところではある。
  そして、1校時、3校時、5校時の授業開始時間を合わせている。これで小中「乗り入れ授業」を可能にしている。
  さらに、休み時間が違う。5~9年生は10分確保してあるが、1~4年生は5分間である。これについても意見が分かれるところであるし、休み時間の確保は法律で定められている。おそらく、この辺りはクリアできているのだろう。しかし、5分間の休み時間では先生方も職員室どころかトイレにも行けない。
  ざっと見ただけだが、以上の4点が読み取れる。
  小中一貫教育の校時程作成は、通常の数倍、労力が要りそうである。

◆出てくる問題点
  研修体制や校時程を見ると、様々な工夫が読み取れる。言えることは、簡単ではないということである。当然のことながら、プラス面だけではなく、マイナス面もやはり出てくる。
  冊子を見ると、村山学園だけに限らず、多くの小中一貫校における授業形態、研修形態、校時程、その他の工夫が読み取れる。冊子の中から見えるマイナス面も、いくつか列挙しておきたい。
  
  ○ 「学級担任制と教科担任制のシステムの違いが課題として挙がった。授業の関係で分掌ごとの打合せ時間の設定がむずかしい。」(村山学園[東京都])
   → 校時程を工夫しても、打合せ時間がもてないでいるというのが現状なのであろう。放課後の時間も打合せはむずかしい。部活動があるため、話合いの時間がもてないのだ。時間がすれ違う。研修会、部会、職員会の合間を縫って、意識的に話し合わねばならない。校内LANや電子掲示板でやりとりができる環境を作っている学校もある。
     
  ○ 「小・中学校間の相互乗り入れ授業を取り入れる際の校内支援体制が組みにくく、人的支援が必要である。」(呉市教育委員会[広島県])
  ○ 「小学校における中学校教員による教科担任制の教科数は、中学校に配当される教員定数に大きく左右される。本年度は小中一貫の加配1があったが、多用な教科担任制教科を設定するためには、中学校への恒常的な加配等の定数措置が望まれる。」(佐賀市立小中一貫思斉館)[佐賀県]
   → 人的支援は必須である。「乗り入れ授業」は、教室数以上の教員がいなければ成り立たない。また、授業の持ち時数の問題も出てくる。負担加重になってしまい、バタバタしながら授業をしているようでは、学力向上どころではない。

  ○ 「小学校と中学校が、長年培われてきたそれぞれの校種の文化を越えて、互いに連携するのは容易なことではないが、子どもたちの豊かな学びと育ちのため、先進ブロックにおける成果をふまえつつ、一歩一歩進めていきたい」(京都市教育委員会[京都府])
  ○ 「・・・一方、教職員の意識の一体化や、保護者・地域への「小中一貫教育」の理解の浸透はなお課題である。」(品川区立大崎中学校)[東京都]
   → H.18年度から小中一貫教育を本格スタートした京都府でさえ、小中が連携するのは“容易なことではない”と書いている。それが、“文化の差”もっと言えば、“教員の意識の違い“なのだろうと思う。小中一貫は、「このやり方でやってきたから、これからもずっとこの方法で」ではやっていけないのである。

  ○ 「兼務教員となった教師は、これまでとは違校種の学校で授業をする経験をするため、かなり大きな精神的な負担がかかるといえる。特に長年小学校勤務だった教師には、中学生を教えるということには不安が大きい。・・・」(宗像市立自由ヶ丘中学校)[福岡県]
  ○ 「教員が小学校あるいは中学校に出向いて授業をする場合、免許状や担当時間等の制度的な障壁に加えて、小学校の教師が中学校の専門的内容を教えにくいという問題もあり、交流を難しくしている。」三条市散る第三中学校[北海道]
   → 兼務教員とは、小中どちらの子どもたちにも授業を行う教員のことである。人事ひとつでは、これまで教えたことがない小(中)学校で授業を行うことになる。「来月4月から、中2中3の数学も教えてください。」と言われたらどんな感じだろうか。
職員にも心構えと時間的な余裕が必要であろう。そう考えると、人事のシステムとして4月からスタートして間に合うのか?という問題が出てくる。白鷺小中学校では、9月あたりから小中学校それぞれの校長が検討を始めるという。来年度の職員体制を9月から始めなければ間に合わないということである。並行して教育委員会とも連絡を行い、異動についての協議を行うという。職員は流動的であり、“毎年同じ職員体制“とはいかないのである。


・・・つづく
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