けあバカ日誌

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ALSとの出会い【最終回】

2020年01月14日 | 日記
わたしのALSとの出会いは本日が最終回です。どうぞよろしくお願いします。

今までの内容は

ALSとの出会い①

ALSとの出会い②



この時の決断に当たり、私はとても自分の性格を思い知らされます。

様々な人に転職の相談をしたときに多くの方が、「施設ケアマネにしておきな」と話しました。施設ケアマネ

のほうが楽だからという理由です。その理由を聞いたがゆえに、在宅のケアマネジャーを目指しました。

理由は、「難しい、大変と皆が言うが、結局何が大変で難しいのかが誰も説明できない。ならば、自分で

体験してみよう!」難しい方をとるという一般的には真逆の方向に向かったことが私の人生を

大きく変えることになります。

在宅のケアマネジャーとして働くことになった私はある程度の自信をもって入社していました。当時から

介護という仕事は離職率が高く、3年も続けばベテランと言われる仕事でした。そのような仕事を

7年半既に経験していたので私自身はとても自信を持っていました。それが大きく砕かれたのは

入社2日目のALS患者さんとの出会いでした。

その方は間もなく自宅に帰る予定としていた70歳代の人工呼吸器を装着したばかりのALS患者さん

でした。その方の退院カンファレンス(退院に向けた調整会議)に出席をしたのが、入社2日目でした。

そこには本人、家族、病棟の主治医、在宅の主治医、病棟看護師、訪問看護師、ヘルパーなどなど総勢

30名ほどが集まり、たった一人のALS患者さんの自宅に退院することについて話し合っていました。

その風景と飛び交う全くわからない制度の言葉・・・。病院に勤めていたので医療的な言葉については

ある程度分かっていますが、在宅はそのようなことでは勤まらないことを思い知らされました。

会議の終盤、在宅の主治医が病棟の主治医に対し、「在宅をなめるな!!」と一喝する場面まで

あり、気持ちが引いているところでさらに先輩ケアマネから「この利用者さんはあなたが担当

するんだからね」という言葉で一気に血の気がひいたことを覚えています。

実際はいきなり一人では担当できませんでしたので、先輩ケアマネと一緒に担当をしてもらいました。

数か月が経過し、そのALS患者さんが実際に退院をすることとなりました。

人工呼吸器を装着して自宅に帰るということは特に当時は介護も長時間認められにくい時代でしたので

困難を強いられます。自宅に帰った当日の夜から70歳のALS患者の夫を70歳の妻が吸引やトラブル

回避を行わなければならない。困ったことがあっても病棟のように医者や看護師は近くにいない。

死んでしまうかもしれない。それに対して体制を作ったのはケアマネジャー。ケアマネジャーとして

ものすごく責任を感じていました。

退院当日、病院から自宅までずっと付き添いました。一日がかりで退院をしました。そして18時ごろ、

落ち着いたところで奥さんに「では私たちは帰りますね」といって帰ってきました。帰ってきてから、

自宅への帰宅途中、地下鉄の駅で電車待ちをしていた時です。急激に苦しみに見舞われました。

もし今夜あのALS患者さんに何かあって死ぬようなことがあったらそれは自分のせいだ。自分は

のうのうと帰ってきてしまった。見殺しにしてしまった。病気は誰のせいでもない。ましてや

ALSという病気の原因は感染でも遺伝でも生活習慣でもない。本人や家族には全く問題がない。

そんな方を私は見殺しにしてきてしまった。そんな人生を歩むのだったら私は生きている資格がない。

そのような苦しみに襲われたとき、遠くから地下鉄の電車が迫ってくる音が聞こえました。

その時私は初めて自分で命を捨てようと考えました。一歩前に出たら人を見殺しにしたという

苦しみから解放される。たった30センチ足を前に出すだけ・・・。それだけで私は楽になれる。

そう思って1センチ、5センチ、10センチとホームのふちに近づいていきました。

その時です!まだ保育園に通っている長女の顔、笑っている妻の顔が頭をよぎり、ふと我にかえりました。

その時私が気付いたのは、私は人の命をとても重く感じている、命より重いものはない。そして家族のおかげで

私は頑張れていること、家族の命を守りたいと思っていること、そのようなことを気づくことができました。



ALSとの初めての出会いは「命の重さ」をすることができたという経験からスタートしました。




本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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