こんばんわ!
やっと先週末に観賞した映画3作をやっとブログ・アップ!
タイトルの『-フォー・ヴェンデッタ』の”ヴェンデッタ”はてっきり女性の名前なのかなぁと思っていたら実は”復讐”という意味でした。
そんな訳で・・・
No.20『V・フォー・ヴェンデッタ』(2006年 米)
<監督>ジェイムス・マクティーグ
<脚本>ウォシャウスキー兄弟
<出演>ナタリー・ポートマン、ヒューゴ・ウィービング、ウィリアム・ハート、スティーブン・レイ他
『マトリックス』3部作のメイン・クリエーターであったウォシャウスキー兄弟の最新作。
その作品の影に今回は何が見えるのか?
舞台は2020年あたりのイギリス・ロンドン。
数年前の世界大戦により、当時のリーダーであったアメリカ合衆国は国家的には既に崩壊しイギリスが世界を植民地化し統率しているという未来。
一般庶民は羊の様に飼いならされ、それが当たり前の様に感じていた。
厳しい統制化の下、深夜に外出していたヒロイン・イヴィーは秘密警察に見つかってしまい絶対絶命の危機に。
そんな彼女を救ったのは仮面の男”V”だった。
彼はイヴィーを”演奏会”に連れ出す。音楽と共に爆発する中央裁判所。それはVの”ヴェンデッタ(復讐)”と革命への序章だった。
間髪入れずイヴィーの勤めるテレビ局を電波ジャックしたVは独裁国家の危機と庶民への改革の意義を問いかける。
イギリスの実在の革命家ガイ・フォークスが成し得なかった11月5日に革命の礎として国会議事堂を爆破すると高らかに宣言する。
残された時間わずか1年、どうなる・・・
といった近未来SFなのですが、本当に奥が深い。
”平穏な日々”を選ぶか?革命の下の”新世界”を夢見るのか?
最近では政治や教育、体制に不満を持ちながらも我慢しつつ自分のポジションを守っている優しき現代人は多い。
誰が首を突っ込むでもなく平穏な日々は過ぎていく。それは楽しい毎日・・・不満を持ちながらも改革の精神を持たなければ、それは”生ける屍”でしかないのか?
かといって革命というけれど、イデオロギーやヒロイズムが先行し過ぎるといざ革命が終わり、現実に戻されるとそのあまり変化のない現実に又、悩み苦しむという堂々巡り。
誰もそんな矛盾を感じながらも日々何かを感じながら生きなければ(行動しなければ)、その人生は中身が薄いよとこの映画は語りかけてくれた様に思う。
映画の中でもヒロイン・イヴィーと適役であるはずのスティーヴン・レイ扮するファレリー警部の二人がVに触発されて、日々の平凡な日常に疑問を抱き⇒行動する(調べる)⇒徐々に核心へと迫る⇒結局はその革命の現場に立ち会うこととなる。
先週、観賞した『ナイロビの蜂』しかり、考えるだけではなく実際に行動した人間の下にだけ生きているという”輝き”が持たらされる。
それが一瞬の輝きであろうとも僕は後悔しないだろう、決して・・・
<評価>☆☆☆☆
映像的には『マトリックス』シリーズの目新しさはないものの、ウォシャウスキー兄弟の脚本が作品自体に輝きを与えている。
現状に満足出来ていない貴方に是非、観て欲しい一作です。
主人公Vが常に被っている仮面は前文でも述べた実在の人物ガイ・フォークスの仮面だとか。
日本で言えば石田光成か榎本武揚なのかなぁ・・・意外とイギリスでは有名な人物らしいです。