パフィンの生態

映画と美術好きなパフィンの感想を記録。香港映画が一番好き!

嫌われ松子の一生

2006年05月30日 22時17分03秒 | 日本映画
1年ほど前から予告編を見せられ、挿入歌なども覚えてしまった作品。
中島哲也監督。中谷美紀の熱演は絶賛に値する!がんばりました。

不思議な映画を見慣れた私でも「映画」と割り切れない作品。
松子を忘れていた甥(瑛太)が、松子の死をきっかけに
彼女の生涯を振り返る形をとっている。

それが「父親」「愛人たち」と「刑務所で知り合った女友達」との回想シーン。
各人物に似合った撮影方法が選ばれ、「アメリ」を連想させる笑い、
極彩色のアニメ、歌と踊りを主体にした芝居、
俳優以外の配役などが入り混じって、予告編のような本編だな~。

でも、しっかり松子の内面を描いているのが驚き!!
明るい色彩の裏には、父親や 「尊敬できる男」に好かれようとして
すれ違ったり、裏切られたり、松子の悲劇がわかりやすくまとめられて
いた。

初めは笑って観ていたが、アパートに引きこもる生活のなか、
なぜ松子が川を見ていたのかわかる回想シーンや、
黄色の花が咲く土手から星空に向かって伸びる階段によって
「松子が求めた幸せ」を暗示するラストに胸がしめつけられた。

わりと単純で陽気な松子は「嫌われ松子」どころか、
好きな人を幸せにしようとしていた女だったんだな~。
ヤクザの彼が回想する「船の上で生徒たちと歌う松子」は
とても清楚で、輝いていた。

刑務所で覚えた技術を忘れておらず、友達の名刺を探した松子。
やくざの女であっても「一人よりまし」と男を守ろうとした松子。
男たちは、そんな健気な松子を誤解したり、疎ましくなったり、
劣等感(怖さ)を感じて去っていった。
でも、誰も愛さない人生よりは傷ついても愛した人生の方が
バラ色だって教えてくれる映画。

男女とも適度な距離が必要なんだわ、
熱々より。。←醒めたパフィン
病み上がりで鑑賞したためだろう。

追記:えいさんのブログを拝読して、この映画を再度観たく
なりました。前半のスピーディな語りでは俳優以外の人を
起用しても、それは松子の「夢=現実逃避」の一部なので
違和感がなかった。ところが松子が引きこもりになった後、
次第に家族(父、弟、妹)の出番が多くなり、松子の現実が
明らかになっていく。芸達者な役者を揃えた後半、ぐいと
心をわしづかみにされたのは、監督の配役が上手かったと
言えます。えいさん、ありがとうございます!


最新の画像もっと見る

12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
パフィンちゃん☆ (mig)
2006-05-31 00:46:46
ほんとう、

傷ついても誰かを愛さないよりも愛する人生の方が。。。。

同感です



病み上がり??

熱でも、、、??

大丈夫??

気温がかわりやすいので、お大事に、、、、
100%生きた女★ (パフィン)
2006-05-31 21:43:26
>migさま、



愛されることより愛することの方が

満たされますよね~~

長続きするかどうかは問題じゃなく、

愛する気持ちを持てることが生きること!

だから、「100%生きた女」というコピー

上手いと思います。



あのね~、ダ・ヴィンチ・コードを

見たあと、喉が痛くなって39度6分まで

熱が上がっちゃって週末寝込んでたの。

さすがに3日間こもってたら落ち込んだ。



migさんのブログはちゃんと観てました!

今日も4位でしたよん
大丈夫? (chikat)
2006-05-31 23:22:06
もう大丈夫ですか?風邪でしょうか?

変な天気ですものね。

昨日天気予報外れて雨降らなくてラッキーなんて思ってたら暑くなっちゃいましたね。

このまま入梅しちゃうのかしらね。



ラスト、子供たち懲らしめてるシーンがほしかったなって思いました。

嫌われようがナンであろうが松子はいい人ですものね。
お見舞い申し上げます (mig)
2006-06-01 02:36:21
パフィンちゃん、いつも

ありがとう、、、、



でも、本当にお大事に、、、、ね

早く復帰できますように。



※(コメント返しはいらないですヨー
先生だった松子 (パフィン)
2006-06-01 21:10:32
>chikatさま、



ぼ~としながらコメントしたせいで、

間違いだらけの文章を送信してしまい、

すみませんでした。



最近、観たい映画がメジロおしで、昨日も

映画にいき、今日は美容院でパーマをかけて

いたら4時間!明日は「デイジー」を観ようと思ってたけど、大事をとって休みます。



あの子供たちね!

「速く帰りなさい」と言った松子は

生徒をかばった昔と心根は変わって

いないと訴えている気がしました。



子供たちも大人も、この映画を見て、

人は外見で判断しちゃいけないと

気づいてくれるといいな~
紫外線対策★ (パフィン)
2006-06-01 21:14:24
>migさま、



お気遣いありがとうございます!



ところで、夏用の化粧品どんなのを

購入されたのでしょう、記事になったら

私も「紫外線対策」を用意してあるので

TBさせていただきますね

同じのあるかな~~。
すぐそこに・・・ (にゃんこ)
2006-06-03 00:53:47
こんばんは~

体調いかがですか?

ムリは禁物で、お大事にね^^;;;



実は、松子が求めていたものは・・・すぐそこにあったの~・・・

という

不器用な松子が気づくのには、長い長い時間が必要だったんだけどね(笑)

でも、たぶん誰もが・・・愛されていたことに気づくのって

時間がかかるものなのよね・・・

そんなことを感じていたので、いろいろな愛が切なくって涙が止まらなくなったんだろうな~って

今、思ってます。

(そして追い討ちをかけるようにサントラにひたってます(爆)

不器用なだけで★ (パフィン)
2006-06-03 19:25:27
>にゃんこさま、



松子の不器用さが痛々しかったけど、

松子が素直になれなかった気持ち、わかりました。

気づいたときには一番会いたい人は、この世にいなかった・・。



布団に横たわりながら、妹の髪を切る仕草、

妹のベットの上にあったのは松子が作った

飾りだったとわかるラストに、涙が止まらなくて・・今に至っています。



あの極彩色の前半は「夢」だった。

現実の松子の世界を描くときは

静かな音楽で・・。ギャップがあるので

一層、松子の最期が切ないんですね。

そこを監督は狙ったのかなと思いました。



松子を一番理解していたのは、妹と女友達。

父だけじゃなく、ヤクザの彼も松子を

愛していたんだって松子に教えてあげたい!
「ただいま」 (えい)
2006-06-04 21:40:14
コメント&TBありがとうございました。



しかもいまお伺いしたら、

私のブログの紹介まで……。

ほんとうに感謝に堪えません。

実は昨日2回目にチャレンジしました。

前回に比べて、少しは客観的に観ることができなした。

ラストの<魂の飛翔>にはほんとうに感心。

「お帰りお姉ちゃん」「ただいま」にも

心震えました。

綿密な構成★ (パフィン)
2006-06-05 18:56:09
>えいさま、

早速のコメントとTBありがとうございます!



>ラストの<魂の飛翔>にはほんとうに感心。

CGを使って、叙情的なラストに仕上げてあり

監督の才能を感じました。



えいさんの「ラムの大通り」は丁寧な説明、

映画の良い点を指摘する評価の仕方などが

好きで、いつも拝見しております。

奇談から入っているのは私です(笑)



これ、監督は若い人に観て欲しくて前半を

ポップにしていたのではと思っていましたら

えいさんの説明で松子殺しの犯人を変えていたと知り、ほぼ確信~~。監督の綿密さは

全てに及んでいるんですね~~。



色調や花を選んでいたと教えていただき、

再度観たくなりました!!



今日、「STAY」を鑑賞しました。

自分なりに謎を解く努力をしてから、

えいさんの感想を読ませていただきます