風塵社的業務日誌

日本で下から258番目に大きな出版社の日常業務案内(風塵社非公認ブログ)

福岡へ2019(02)

2019年12月11日 | 出版
こうしてようやく飛行機に乗り込むことができたものの、空港職員って大変なんだなあとつくづく感じ入ってしまう。羽田空港の一日あたりの利用者数を知らないが、小生らのようなアホ夫婦はさておき、外国人観光客にはじまり、老齢者やら赤子などさまざまな人々に対応しなければならない。しかも、そこで支障がないよう全員を誘導していくのもお仕事の一部だ。そこでふと疑問に思うに、そうした場に若い女性の姿が目立つのはなにか理由があるのだろうか。
まず単純に思いつくのは、かなりのハードワークであるから、体力のある若い人でないと務まらない職種なのか、ということだ。そこで、そういう方たちがどこに所属しているのかを知らない。もしかしたら派遣の労働者なのかもしれない。そこで下衆の勘繰りを進めれば、一番大変なパートを賃金の安い女性労働者に押し付け、使い捨てにしているのかなとも想像する。これは調査したわけではないので、実態はまたちがうのかもしれない。
また一方で、若い女性ゆえに醸し出すキリッとした指導性というものがある。しかもそこにはお姉さん的なものを感じてしまう(小生に実姉はいないけど)。このご時世、若い女性なる語を使用しただけで、ジェンダーがどうの、LGBTがなんやら、「若いってオバサン差別よ!」なる罵声が飛んでくるのだけれども、そういうご批判には一切耳を閉ざして考えた場合、彼女らのポテンシャルが状況を整理するうえで一番有効なのではなかろうか、という気もしてくる。内容としては同じことであったとしても、こましゃくれた若い男に言われるよりも、女性に言われた方が、こちらの反発心のもたげ方は少ない(女性が女性に言われたときの感覚は、小生にはわからない)。
繰り返すが、空港会社がどういう理由でお客さんと接する最前線に若い女性を配置しているのか、その理由を小生は知らない。また一方で、バブル期あたりまでだろうか、いまでは死語となったスッチーを含めて空港なり航空業界勤務なんて花形の職種であったと記憶する。観たことはないけれど『スチュワーデス刑事』なんて、人気番組だったのだろう。それはともかく、仕事内容が過酷であることは昔もいまも変わらないだろう。現場のハードなポジションで働いている人々には、感謝の念を示しておきたい。
そしてようやく飛行機に乗り込むことができたわれわれだったのであるが、小生の右となりのオッサンは飛行機が滑走路を移動し始めたら、すでに寝入っている。離陸のときのショックで目が覚めるだろと思ったものの、離陸時もスーカースーカーと寝息がこちらまで聞えてくる。しかも、雨が降っていて乱気流が発生しているのだろう。雲を抜けるまで、機体は上下に揺れてしまう。ところがオッサンは起きない。よっぽどのツワモノなのか、ただただ疲れているのか、そんなことは小生の知る由もない話だ。
ようやく機体が安定してきたところで、小生は詰碁の本を開きながらウツラウツラ。くつをぬいで、そのうえに足を置く。前夜あまり寝ていないのに、なかなか熟睡にならない。フーと意識が途切れるようになり、このまま終点まで眠っていたいなあとおぼろに感じつつも、しばらくしたらまた目が覚めてしまう。そしてまた詰碁を見ていると意識が遠ざかっていく。そんなことを繰り返していたら、CAが飲みものを配る時間になってしまった。すると、隣りのオッサン、しっかり起き出している。アレッ、さっきまで寝ていたんじゃないの?と疑問に感じてしまった。
そんな感じで小刻みなウツラウツラを繰り返しているうちに、ようやく福岡空港到着。疲労を覚える。熟睡もできず、狭い座席にずっと座っているのは楽じゃない。そこで思うに、現在、東京―博多間の新幹線が5時間くらいだろうか。何十年も前は8時間くらいかかったはずなので、ずいぶんと速くなったものだ。小生の移動の起点となる池袋から、羽田経由、飛行機で福岡空港、そしてそこから地下鉄で博多駅に到着するのと、池袋から東京駅に出てそこから博多駅に向かうのと、どちらが速いのだろうか。飛行機の場合、なにせ空港内での待ち時間が長い。そのため、単純な移動時間だけでは計れない部分がある。もしもまた福岡に行く機会が生じたら、今度は新幹線で行ってみるのもありかもしれない。新幹線の場合、座席の狭さに飽きたら、車内を歩けるし、タバコも吸えるからだ。
飛行機は空港に着いたものの、われわれは乗るときに最後の方だったので、手荷物を降ろすこともままならない。とにかく、ほかの乗客が降りるのを待ちましょうとなった。羽田にはかなり早く着いていたので、預け入れの荷物が出てくるのもどうせ最後の方だろう。ようやくわれわれも飛行機から降りて、出口へと向かっていく。「福岡って本当に空気が黄色よねえ」と妻が口にする。そのとき、おのれの足元に目をやって異変に気がついた。ローファーの裂け目が広がっているのだ。「ありゃ、この靴、ダメかもしれない」「エッ、どうしたの?」「いや、ほら、なんだかいまにも破れそうじゃん」「あっ、ほんとだ。どうするの!」「しょうがねえから、博多駅あたりで一番安い靴を買うしかないだろ」

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