風塵社的業務日誌

日本で下から258番目に大きな出版社の日常業務案内(風塵社非公認ブログ)

出版記念会

2009年08月21日 | 出版
昨日は、前C書房社長であるKさんを囲む会と称する、Kさんの近著『本とわたしと筑摩書房』(P舎刊)の出版記念パーティが、アルカディア市ヶ谷で行われた。小生もお手伝いとして、ノコノコついていく。
P舎大大社長によると、出版記念会のときその刊行版元の立ち位置というのは微妙なものなので、版元色をあまり出したくないそうだ。それで、「腹巻、社友として、おまえが司会をやってくれ」と言われてしまったら、断りようがなく、当日の司会を小生が行うことになった。
前にも書いたが、編集者が二回も出版記念会を行うことがそもそも異例ではあるし、どうしてもC書房OBの同窓会的な色合いが濃いだろうから、くだくだしい話は避けて、早々に酒を飲むようにしようと、我々は打ち合わせていた。そこで、異例を承知で、まずは版元であるP舎大大社長が挨拶をし、そのあとの司会を小生が受け継ぎ、あとは適当に賑やかにやろうよ、ということになった。
早々にアルカディア市ヶ谷に車で乗り込んで、荷物を降ろしていると、Kさんも早速やって来る。会場の片隅に、Kさんがこれまで手がけてこられた書籍を並べ、Kさんの業績をみなさんに見てもらおうという趣向なのであるが、これがまた、売れそうにもない本ばかりと、例によって敬愛の念をこめて書いておこう。
その中に、井出孫六氏著『峠をあるく』(C書房刊)が挟まっているのを発見。ガキのころ、いまは跡形もなき小生の実家に、この本があったことを思い出した。小生もペラペラ読んだ記憶はあるが(内容は忘れてしまった)、本書は、Kさんと最近もよくテレビに出ているM氏とで編集されたものだったのだ。フーン。Kさんへの尊敬の念が一層強くなる(わけがない)。
18:00少し過ぎ、予定より少し遅れてパーティがスタート。予定通りにP舎大大社長が挨拶をし、予定通り小生があとを引き継ぐ。約80名ほどがお越しいただいたそうだ。
早く酒を飲みたいので、まずは乾杯の音頭を、発起人代表でもあるその井出孫六氏に取っていただく。面白いお話をされたのであるが、実は、忘れちゃった。自分のビールを確保することと、乾杯用のビールを井出氏に渡すタイミングばかりを見ていたので、お話を傾聴している余裕がなかったのである。
そこで念願のビールにありついたところで、次は柴田翔氏のお話。Kさんというかたが、「無駄なことは言わない。お世辞も言わない。著者にはもう少しお世辞を言ってほしかったと思うけれど、そんな人がC書房の社長になったと聞いて、大変びっくりした」と語られるのを聞いて、吹きだしてしまう。その話が終わったところで、料理を食べていただくようアナウンス。
続けて、梁石日氏にお話をお願いする。筑摩書房から『狂躁曲』を刊行するときに、あのドけちで有名なKさんからお金をたびたび借りていたそうな。しかも最後には、Kさんも会社から退職金を前借して梁石日氏にお金を貸し、『タクシードライバー日誌』が増刷になるたびに、その印税を二人で山分けしていたというから、これも爆笑してしまった。
そこで歓談タイムにしようと予定していたが、津村節子氏からのお手紙を朗読してもらおうと予定していたFさんが、途中で帰らなければならないことが判明。早速、朗読していただくことにする。Kさんは、ずっと吉村昭氏におごってもらっていたというから、その令夫人である津村節子氏は、Kさんをどのように見ていたのだろうか。心配だ。
代読が無事終わり、小生も夕飯のお時間である。出席者の平均年齢が高いだろうから、そんなに食べないだろうという予測のもと、量を少なめに発注していた。そのせいか、小生がバイキングコーナーに行くと、もうそれほど残っていない。だれかに確保を頼んでおけばよかったが、しょうがない。健康なお年寄りが多いのだろう。45分ほどの歓談タイムの間、ひたすらワインを飲むことにする。
19:30前から、後半戦のスタート。川西政明氏、小沢信男氏、小中陽太郎氏とお話をいただき、いよいよKさんご本人にしゃべっていただく。事前の打ち合わせで、「ぼくは少し長くしゃべりたいから、時間を取っておいてよ」とKさんが言われ、「長いって、どのくらいですか?」「うーん、20分くらいかなあ」「えーっ!20分も!」なんてやり取りをしていたので、いつまで話すのか正直不安であったが、恐れていたほどの長さではなかった。
最後に、『本とわたしと筑摩書房』のカバーイラストを描かれた船崎克彦氏が、新たに描き直したイラストをプレゼントし、無事にパーティは終了。このカバーイラストの表4に、K氏の後姿が描かれていて、その猫背でしょんぼりした感じが見事に本人を現していてすこぶる評判がいい。
こういう集まりでは、いつまでも話をやめない人が出てくると大変困ってしまうが、本日はそういう困ったチャンは現れず、司会としては楽な進行であった。和気藹々として、出席者も楽しいパーティだったのではないだろうか。それは多分、Kさんのお人柄によるところなのだろうが、司会の進行が上手だったおかげだということにしておこう。

当日の写真は、こちらから見られます。

本とわたしと筑摩書房
柏原 成光
パロル舎

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