酒が飲めない

某日、三崎町のKBさんの研究室に遊びにいく。KNさんとそこで合流して近くに飲みにいく予定だ。KNさんを待ちながら研究室でビールを飲んでいると、Ｏさんが入ってきた。来年夏にある学会のことで、KBさん、KNさんに用があるらしい。小生があいさつすると、「あんたもしぶとく、よく続いているねえ」と感心したように言うから、笑っちゃった。
そのうちKNさんも駆けつけ、本題もそこそこに、Ｏさんの病気の話を聞く。なんでも気管支を患い、そのうち胃腸がおかしくなったそうだ。「下痢が止まらなくて、トイレでピケティが読めるくらいひどかった」とおっしゃるから、可笑しい。KBさんが、「それじゃあ、まるで腸内洗浄みたいですねえ」と。
それから話は米大統領選へ。トランプ現象の分析を承る。それからさらに、韓国の情勢について。韓国の大学進学率は約９割というから、ビックリしちゃった。おそらくは、就職のためとにかく学歴を求めて無理やりにでも進学するのだろう。その結果が就職難では、本人も家族もたまったものではない。国民経済が根底からぶっ壊れているということだ。
ところが、お腹をこわしているＯさんは、酒を飲みに行けない。酒を飲みたくてウズウズしている我々の顔を眺めて、「それじゃあ」と帰られていく。そこで、我々も出かけようかとなったが、KBさんにあるお願いをしておく。「調べてみないとこの大学にそろっているかどうかわからないので、明日にでもリストをメールしておいてください」となった。
そこで台湾料理屋に入ると、KBさんのところのゼミ生が１名参加。なんでもAVに出たこともあるそうで、KNさんも面白がっている。マスコミ志望だというから、腐ったマスコミ人にならないようにねと、優しく伝えておく。しかし、まだマスコミ志望って人気があるんだねえ。入ってもハードワークでつらいだけだと思うけれど、楽な仕事などないと言ってしまえばそれまでのことだ。
そのお店では紹興酒を飲んでいたのだけれど、翌朝、いささか二日酔い気味である。そんなに飲んだかなあとは思うが、最近飲みすぎで、消化器系が弱っているのかもしれない。そうこうするうちに土曜日を迎える。妻が家を出ていった。これ幸い、どこかでドンチャン騒ぎでもしたいものだと、数日前からウキウキして待っていたのだ。ところが、朝からお腹の調子が悪い。
ヨガを終えてから、とりあえず昼前に出社。腹が減っていたので、会社の近くにあるインド料理屋に入って、ベジタブルセットを食す。ここまではなんの問題もなかった。ところが、仕事でもしようかなあというところで便意が走る。とりあえずはトイレへ。水のような下痢が流れ出す。もしかしてＯさんのことを笑っていた罰かなあと、くだらないマイナス思考に陥るのもいたしかたなし。
ある手書き原稿の入力を終えてしまおうと思っていたのに、お腹がキュルキュル鳴り始めてそれどころではなくなっちゃった。そしてなによりも、せっかく妻が出ていってくれたのに、酒どころではないのかもしれない。なんだか落ち着かなくてやる気がしねえなあと、ゲームにうつつをぬかしてから、仕事の材料一式を抱えて帰宅することにした。
帰宅しても、酒を飲む気には久しぶりになれない。かといって風呂を沸かすのも面倒くさい。ポケーとテレビを見始めた。オッ、『ブラタモリ』は知床ですか。憧れるなあ、一度は行ってみたいところだ。小生も寒いところの出身ではあるけれど、北海道の寒さはまた一段と身に沁みることだろう。
それが終わったので、『世界一受けたい授業』にチャンネルを回す（正確には、リモコンを切り替える）。依存症を取り上げるようだ。これは見なければならない。すると、アルコール依存症の場合は、ブラックアウトが起きるようになったら気をつけないといけないとアナウンスしている。小生の場合、以前からたびたびブラックアウトを引き起こしている。気が小さいから、そんなことを言われると、たまにはお酒を控えようかなあと考えてしまう。
妻が出ていって楽しく酒を飲むことばかり考えていたのに、なんだか淋しい夜だ。しかも、数時間おきに下痢が襲ってくる。ピケティを読めるほどの間隔ではないことは感謝すべきなのだろうか。かといって、夜の街に遊びにいくような気力もない。ある本を読んでいたら眠くなってきたので、早々に布団に入ることにした。
そしてSunday Morning、6：00前に起床。あまりに健全だ。コーヒーを飲みながら朝刊を読みつつ、本日の予定について考える。持ち帰ってきた仕事もしないといけないし、妻に言いつけられた買い物、掃除、洗たくも終わらせておかないといけない。その前にシャケでも焼いて朝飯にしてから、ジョギングにでも出かけようか。それとも、ジョギングしてから朝飯にするか。ウ～ム、敵が帰ってくるまでに時間が足りないぞ。お昼前から囲碁番組も見ないといけない。どうやら、ハードな日曜になりそうだ。