風塵社的業務日誌

日本で下から258番目に大きな出版社の日常業務案内(風塵社非公認ブログ)

もう最終週

2014年02月24日 | 出版
早いもので、今月も最終週に入った。なんやそりゃ、という速さである。困ったものだ。冬籠りの準備をしていたら、いつのまにか真夏になっていたような気分だ。
しかし、今月はよく仕事したなあ。だったけなあ。今月に入って何をしていたのか、いまいち、よう思い出せん。酒を飲んでいたことだけはうすらぼんやりと覚えているけれど、具体的に何をしたという記憶は曖昧なだけであるとはどういうことなのだろうか。若年性の痴呆が始まっているのかもしれない。
本日何をしていたのかも、この時間になってしまうとよく覚えていない。確か、囲碁をやっていて、勝ったり負けたりだったのは記憶しているけれど、具体的にどういう仕事をやっていたのだろうか。
そのさなか、N氏から電話が入る。なんでも、あるセミナーか学会でN氏は法律トラブルについて説明しないといけないらしい。そこで、なにか法律的な紛争がドラマになっているような映画の一場面を観客に見せて、そこから説明に入りたいという。
「ついては腹巻君、何かいい映画を知らないかね」
などと偉そうに聞いてくる。
「前に同じようなことをやった時は、エンデの『モモ』の一場面を流したわけ。そうしたら、そのあとの話とバッチリ合って、みんなぼくの話をよくわかってくれてよかったんだよ。そういう映画を捜しているんだけれど、君は何か知らないかなあ?」
知るわけないだろ。そもそも、どういうところでだれを相手に話しているのかもわからないのに、どう知恵を絞れというんじゃおのれはと思いつつ、旧友の頼みである。昔観た映画を思い起こすことにする。
「要するに民事的なトラブルでしょ。思い余って誰かが誰かを殺すというような話じゃなくて、所有権の正当さがどちらにもあって、双方にそれぞれ言い分があって、それでドラマが展開していくというような感じ?」
「そうだね。例えば『寅さん』のシリーズとかに、なんかいいのないかなあ」
「いやあ、何本かビデオで観たけれど、トラブルを起こすのは寅の方だから、そういう展開にはならないんじゃないかな」
「腹巻君は昔から変な映画が好きだったけど、『寅さん』観たことあったの?」
「余計なお世話だ。どういう人を相手に話すのか知らないけどさあ、キューブリックの『時計じかけのオレンジ』でいいじゃん。最近になってようやく、あの映画は階級闘争を描いているということに気がついたんだよ」
「なんや、そりゃ?」
「だからさあ、アレックスという主人公がいるでしょ。彼はプロレタリアートの出で、老婆をレイプしたり、年寄りに暴行したり、どうしようもないことをするでしょ」
「うん、する、する」
「その暴行を受けている側は、みんなブルジョワなんだよ。それで、アレックスはパクられて拷問を受けて、一度反省したように見えるけれど、でも最後に覚醒するじゃん」
「ああ、そうだねえ」
「だからそれは、階級意識に目覚めたということなんだよ」
「そういう映画だったけなあ。別に暴力性を求めているわけじゃなくてね、もうちょっとこう、日常の些細な場面で紛争になるような場面を探しているんだよね」
「ああ、そう。フーン。ああ、あれでいいじゃん」
「エッ、なに?」
「タイトルを忘れちゃったし、観てもいないんだけれど、なんだっけなあ、有名な女優さんが出ているアメリカの映画があるじゃん。なんでも、環境問題でアメリカ史上最高額の損害賠償をふんだくったとかいうやつ」
「ああ、あれね。ジュリア・ロバーツが出ているやつでしょ」
「多分、それそれ」
「家にビデオを撮ったやつがあると思うんだけれど、まだ観てないんだよね」
というところに、当方のキャッチフォンが鳴る。「ごめん、あんまりお役に立てず」とN氏との電話を切り、キャッチフォンに出ることにする。
K氏からである。
そこで、K氏の「もしもし」という言い方には少し特徴があり、最初の「も」に独特のアクセントの置き方がある。そのアクセントの微妙なズレで、なんとなくその日の気分も伝わってきてしまう。というのは、長年の付き合いのなせるわざなのかもしれない。
そこでのK氏とのやりとりは伏せておいて、その後、囲碁をやっていたら、某所からお待ちかねのメールがようやく届く。そこから先は機密事項にしておこう。
よかよか、これでなんとかなるばいと、鼻の下をダラッと垂らし、緊張感という言葉とは対極の世界に陥っていると、某編集プロダクションさんからお電話が入る。「ライフエンディングぴあ首都圏版」なる雑誌に墓マイラーとしてみみこはん登場するから、おまえなあ、きっちり確認せえや、ということである。
送っていただいたpdfファイルを、しょうがないから確認する。みみはんが何を語ろうが、小生には関係のないことだろうと思いつつその記事を読めば、これがけっこういい話なんだね。何がどういいのかは「ライフエンディングぴあ首都圏版」をご参照ください

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