風塵社的業務日誌

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大雪

2013年02月07日 | 出版
昨日は都心でもかなりの大雪になるという天気予報であったけれど、ふたを開けてみればそれほど大したこともなかった。いささか拍子抜けするけれど、しかし、交通が大幅に乱れてしまうのよりはまだましと考えることにしよう。
そういえば、先日の大雪の時、夜、寝ようかとしていたら、我が茅屋の外から車のタイヤが空回りする音が聞こえてきた。おそらく、だれかが立ち往生しているのだろうと外に出てみたら、案の定、その通りであった。
博多弁では、車のタイヤがぬかるみになどにはまって動けなくなる状態を「いぼる」という。「いぼっとって、動けんとばい」というような使い方をする。この語を初めて聞いたとき、その語感の的確なさまにずいぶんと感心したものだ。しかし、雪にはまってタイヤがスリップしている状態を「いぼる」というのだろうか。博多弁ネイティブではないので、よくわからない。
家の外ではワンボックスカーが立ち往生している。つっかけではさすがに寒い。いつもはいているジョギングシューズに履き替え、お手伝いすることにする。50半ばという感じのおじさんが、タイヤの下にたまった雪をかき出しては、車を進めようとするがまったくうまくいかない。どうしてもタイヤがすべって空回りするだけである。といって、家の前に車を置き去りにされるのも、愉快ではない。
「手伝いますよ」と一声かけて、後ろから押してみる。おじさんは、運転席でエンジンをかけてみる。しかし、タイヤの空回りはどうしようもない。小生一人加勢しただけでは無理かなあと思っているところに、同じアパートの別の棟に住む中国人のご一家が通りかかった。彼らもお手伝いに参加。その家からちりとりを借りてきて、とにかく、タイヤの下の雪をかき出すことにする。それからまた、我々が押しながら、エンジンをかけてみる。それでもうまくいかない。
中国人一家のおじいさんが、中国語で何かしゃべっている。「何を言ってるの?」とその一家の若い奥さんに聞いてみたら、「車のお尻に重心をかけないと、タイヤが空回りしちゃうと言ってるよ」そうな。しかしそのおじいさん、後ろで見物しながらアドバイスを送るだけで、体を動かそうとはしない。それは日本のおじいさんも一緒か。そうこうするうちに、ようやく車が雪のかたまりを乗り越えることができ、我が家の前を脱出することができた。
ドツボにはまっていたおじさんは、「ありがとうございました」と深々とお礼し、立ち去っていく。どこにお住まいの方か知らないけれど、無事に帰宅できたのかしら。中国人ご一家には「お疲れ様でした」と挨拶して、小生も我が家にもどる。ところがはいていた靴が雪でビショビショになっていて、翌日はけないことになった。
翌朝、かなり雪が降り積もった東京。いまは亡き某おっさんにもらったワーキングブーツが家のどこかにあるのだけれど、大事にしまい忘れてしまい、すぐには出てこない。ジョギングシューズが使えないから、ローファーで会社に向かうことにする。おかげですべる、すべる。雪がタイヤで踏み固められたところを歩きたいのだけれど、すべるので恐い。10年くらい前、雪祭りのころ札幌に出張したことがある。他にはく靴もないので、ローファーをはいていったのだ。朝、某氏と連れ立って中島公園近くの札幌パークホテルの脇を歩いていた。その某氏が言う。「おまえ、そんな靴で大丈夫なの?」「大丈夫に決まってるじゃん。こちとら信州の山猿よ」と偉そうに言った瞬間、すべってコケてしまった。これは恥ずかしかった。
そこで昨日、「救援」紙をアップさせないといけない。ところが、大雪の予報におそれをなしたセンターS氏は、「帰れなくなると困る」ということで、その前日にあらかた終わらせようと言う。S氏は埼玉と茨城の県境に住んでいるのだから、それもやむをえない。そのため、大雪予報の前の日にS氏ご来社し、一通り終わらせることにする。ところが、その段階ではまだ届いていない原稿もあったりして、作業が難渋する。レイアウトを急遽入れ替えたり、ようやく届いたデータをぶち込んだりしていたら、結局21:00近くまでかかってしまった。しかし、21:00くらいで仕事が終わるんだから、それほどたいした話でもないか。
昨日は、その校正の朱入れを待つことになる。午前、S氏に電話。「こっちは全然雪降ってないですけど、そちらはどうですか?」「こっちは結構降ってるよ」「じゃあ、近くのコンビニからファクスで直しを送れとは言えないですねえ」「そうだよ。家から出たくないもん」「じゃあ、メールかなんかで、直しを指示してくださいよ」
夕方、ようやく「救援」紙の直しが届いたので、せっせこと作業を開始することにする。ところがそこに、妻がコーヒー豆をもってやって来やがった。21世紀は監視社会なのである。宿六がまじめに働いているのか、チェックしようということだろう。ところが、あいにく小生の作っているのは「救援」である。小生はお金になる仕事もせず、また左翼のパンフを作っているとご理解し(その理解の半分は正しい)、憤激して帰っていかれた。

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